過去に何度か車の助手席に犬君を見かけて、おおっ、いいな、あんなことしたいな、と思ったものだった。子供時代に我が家で飼っていたコリー犬のサムは、車酔いが酷くて、本当に可哀想だった。田舎だったので、車で連れて行くといったら獣医さんのところしかなかったので、車に慣れることなく、そして、慣らすことなく、必要もなかったと言えば、その通り。
ワクチンが終わらないと外に連れ出すことは控えた方が賢明ですよ、との獣医さんの言葉が頭にあったが、なにせトンカは日々大きくなっている。驚くほど筋肉もしっかりとついてきたし、すばしっこくて、低姿勢で走る姿といったら、大袈裟ながらチーターそのもの。
犬といえば真っ先に思い浮かぶ友人が、遂に我が家に遊びに来てくれた日のこと。先ず驚いたことに、彼女の腰ポーチにはたっぷりのビーフジャッキーと思われるものが詰まっていて、トンカが何かすると超褒めて、カチっと右手でおもちゃのようなものを鳴らし、左手で即座にジャッキーのちびっとした欠片を与える。すると、どうだろう。魔法にかかったかのように、トンカのアーモンドの形をした真っ黒な瞳がきらきらと輝きを増し、さあ、次は何をしましょうか、と友人の顔を真っすぐに見つめ始めたのである。
これは、餌で釣る、といった話ではない。なんだろう、この一体感。ジェラシーよりも、とにかく、目の前で繰り広げられる魔術の世界に感嘆してしまった。その後、丁度その日に届いた煮干しをトンカとの遊びに取り入れたことは言うまでもない。
その彼女が、彼女だったら、森に連れて行って、多くの犬や人々との交流に慣れさせ始める、と言ったので、そうだよね、と、恐らく私もトンカのように瞳をきらきらと輝かせて頷いたものだった。
以前に購入していた首輪は、トンカには未だ大き過ぎたので早速小さめのものをオンラインで購入。届いた日に、トンカにトルコブルーの首輪を見せ、ゆっくりと慣れさせてから、首につけてみたところ、ぴったり。こうなったら、森に行くしかない。
道路を歩くのは、流石にハードルが高過ぎる。ちょっとそこまでなのだが、車で行くことにする。車にも慣れて欲しいし、一人で運転してトンカを連れて行くことに躊躇はあったが、何事もファーストタイム。そう、いつになっても、人生にはファーストタイムはつきもの。楽しまなくては!
案ずるよりは産むが易し、とは正にこのこと。
どうだろう。確かに最初は後部座席に乗せていたが、勝手に助手席に来てしまったことは計算外だったが、堂々と楽しそうにしているではないか。
そして、森でも、始めこそ、なんで一人で好きに歩けないのよ、とばかりに抵抗したが、すぐに私がハミングをして早歩きを始めると一緒についてきて、それはそれは驚く程簡単に歩き始めた。感無量。
トンカよ。これから季節はどんどん散歩には最高になっていくよ。一緒に森を散策しよう!
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