猫は木にも登るし、屋根で日向ぼっこなんてお茶の子さいさいだってことは、知っていた。実際にこの間も夜中にトンカとがっちゃんこし、さくらんぼの木の高い幹の上まで登って行った猫を見たばかり。
しかし、犬もすばしっこくて、猫のような動きをするとは知らなかった。子犬だからだろうか。
トンカはちょっとしたドアの隙間から外に走り出てしまうのは日常茶飯事で、通常は閉まっている玄関ホールへのドアも、週末にバッタ達が帰ってくると誰かは必ずと言っていい程ちゃんと閉めないことがあるので、開かずの間の扉を抜け出てしまうことがある。この間は瞬く間に二階まで突っ走ってしまい、その瞬発力に驚いてしまった。
息子バッタが帰って来た晩、相変わらず開かずの間の扉を抜け出て、一階のベッドの下に入り込んで出てこないので、大騒ぎせずに放っておいて、リビングに戻ってみた。しばらくすれば、にぎやかなリビングに戻ってくるだろうと踏んだのだが、どうしたことかちっとも戻ってこない。しかも、音や気配さえもしなくなってしまった。
どこで何をしているのか、心配になって玄関ホールに出てみると、なんと!二階に向かう階段の一番上から、こちらをのぞき込むいたずらっ子の茶目っ気たっぷりの顔を発見。ちょっと待ってよ。ただでさえ滑りやすい石のフローリングの階段。トンカの足では滑ってしまいかねない。しかも急勾配。行きは良い良い、帰りは恐い、の典型例。迎えに行って、抱っこして降ろすしかあるまい、と、そこまで思考が巡ったかどうか。
あっという間に、トンカは私目がけてまさかのジャンプ。情けないことに、私は凍り付いてしまった。ぱしゅっと着地した、というよりも、頭もがんっとぶつけた様に見えた。トンカの体が打ち砕かれて木端微塵になるのではないか、との恐怖で、気が付いたら悲鳴を上げていた。私の悲鳴を聞いてか、自分のした行為に驚いたのか、はたまた、本当に痛かったのか、トンかは2度ほど、きゃひん、きゃひん、と泣いた。
息子バッタが慌てて飛んできて、ママ、どうしたの、と私を気遣う。いや、ママじゃなくて、トンカよ!泣き崩れんばかりの私に、トンカが飛びこんできて顔をべろべろと舐めてくれる。無事だったの?階段の高さは優に2メートル半はあるだろう。そこから飛び降りて無事って、奇跡ではないか。それとも、キミは、やっぱりチーターの血を引いているのか。
嗚呼。神様、仏様。トンカをお守りいただき、ありがとうございます。これに懲りてトンカが開かずの間の扉の隙間をすばしっこく抜けて魔界に出たとしても、二階にだけは行かないようになると良いが、どうだろうか。そして、ゆめゆめ飛び降りジャンプなんてしないで欲しい。果たして、学習してくれただろうか。度胸が良いというのか、肝が据わっていると言うのか、いやいや、向こう見ず、ということだろう。
トンカよ。我が相棒よ。我々には、これからアルプスの山々に行ったり、ノルマンディーの海岸を走ったり、海辺で朝日を拝んだりする楽しい冒険が待っている。お互い、健康体でいようよね。
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