ここ数日猛暑が続いており、うだるような暑さの中での夕方の散歩は、さすがに敢行していない。夕食後の20時以降になると、漸く涼風が感じられるので、待ち遠しくてうずうずしているトンカを連れて森に行く。
緯度が高いだけあって、夏は遅くまで明るいことがありがたい。それでも、森を散策する人影はなく、時々鹿に出会うだけで、鳥たちの囀りを耳にしながら、トンカが好き勝手に走り回る。
森の入り口にしかたどりつかない田舎道にも車の姿はなく、リード無しでトンカの軽やかなステップだけが響き、耳に心地よい。と、一本道の遠くにどうやら我々の様に夜の散歩を楽しんでいる人影が見える。大型犬と一緒の様に見受けられる。トンカはさっとカンガルーの姿勢になっている。
遠すぎて確認しにくいが、二人の女性連れで、犬はリードがついていない模様。従い、トンカもリード無しで問題なかろうと判断。彼らに近付くに従い、トンカのカンガルー跳びが激しくなるが、大丈夫だよ、優しく挨拶をするのよ、と声を掛け続ける。
二人の女性は、トンカのカンガルー跳びに歓喜している様子なので、安心しながら声が掛け合えるぐらい近くなってから、「ボンソワール。こちら7ヶ月のトンカです。彼女、そちらの犬君に挨拶をしたくてうずうずしているのです。ご挨拶しても、良いでしょうか。」そう、声を張り上げて言ってみる。
と、女性たちの歓喜の声はさらに高まり、満面の笑みで私の名前を連呼しているではないか。
なんと、こんなところで、こんな時間に出会うとは思いもよらない友人のカロリーヌ。バッタ達のバイオリン仲間のママ。10年以上も毎週、個人レッスンとグループレッスンに通い、定期コンサート、夏の研修、南仏特別コンサート、イルドフランス大会、リヨン全国大会、ユネスコ特別コンサート、イタリア遠征、ロンドンのアルバートホールでの記念コンサート、と数々を一緒に参加してきた仲間。友人というよりは戦友に近いかもしれない。参加といっても、バイオリニストである子供たちが参加するだけでなく、我々親も企画から運営までサポートすることが多かった。幾つものケーキを焼いたり、切り分けて皆にふるまったりと、親も大いに参加するタイプの音楽教室だった。
最後に会ったのが、彼女の三番目の娘さんが高校を卒業した時なので、もう4年になるか。あの時よりも、なんだか若々しく、溌溂としているカロリーヌをみて、こちらまで嬉しくなってしまう。
思い出が溢れんばかりに出てしまい、話も途切れることがなくなってしまいそう。近々会うことを約束して、子供たちの近況を簡単に交わし合い別れる。
トンカとの散歩は毎回思わぬ出会いを運んでくれる。涼風がなんて頬に心地よのだろう。しばらくは、夜の散歩を楽しむことにしようか。
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