どういうわけか、フランスはデザートゼリーの文化圏ではない。ゼリーとなれば、ブイヨン味の野菜のゼリー固めが主要になろうか。もちろん、ゼリーをデザートに材料として使うことはあっても、ムースやババロア、ブランマンジェなど乳製品を凝固させる役割を担い、純粋な透明感のあるゼリー独特の特長を活かしたものに使われることは、あまりない。
以前バッタ達を引き連れてイギリスでの一週間の夏のバイオリンのサマースクールに行ったが、そこでのセルフの食事のデザートに、甘いケーキ、ライスプディング、フルーツとともに、カラフルなゼリーがあって、バッタ達が歓喜したことを覚えている。
オーストラリアのデザートで大好きだったトライフルにも、ゼリーが入っている。つまり、アングロサクソンの文化圏ではゼリーそのものが、しっかりとデザートとしての地位を確保している。
そうは言っても、フランスでもグミのような硬めのゼリーは子供達にも大人にも人気なのだから、歴史的背景をたどったら面白い結果となるかもしれない。実際のところ、ちゃんとネットで調べれば回答はすぐに見つかるかもしれない。なんだか、この猛暑でけだるくなってしまい、いつもの好奇心がとんと湧いてこない。と、暑さを理由にここは手抜きしてしまおう。とにかく、暑くて何もしたくなく、トンカだって涼しいタイルの上でぐったりとしているではないか。
そう、こんなけだるい日には、冷たいデザートが欲しくなる。口どけの優しい、ぷるるんと震える、それでいて奥深い味わいのある、漆黒の珈琲ゼリー、これこそが猛暑日のデザートの王者ではあるまいか。
こんがりと香ばしい珈琲豆を挽くと、ブラジルでの日々が蘇る鮮やかな香りがぱっと広がる。熱いお湯を少しかけて粉を優しく膨らませると、更にアマゾンのジャングルを思わせる濃厚な香りが立つ。そうして、ゆっくりと静かに少しずつ熱湯を注ぎ、珈琲を淹れていく。
その香りと味わいを凝縮させたぷるるんゼリー。あまり硬くなく、それでいてしっかりと固まっていることが条件。生クリームをすっと注ぎ、漆黒と純白のコントラストを楽しむ。庭のラベンダーの穂を刺して、完成。
どうです?Yuvuzela亭で午後のひと時をお過ごしになりませんか?トンカとお待ち申し上げます。
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