残照
パリにしては珍しくうだるような暑さが続いている。それでも朝夕は涼風が感じられる程に気温が下がるので、タイミングを見計らってトンカと散歩に行く。
緯度が高く、日が暮れる時間が遅いといっても、7月も中旬になれば9時半には太陽は隠れてしまう。いつもの森が見渡せる丘に着く頃が、丁度夕日が楽しめる頃合いとなり、トンカの毛並みが神々しく黄金に光る様を目の当たりにする。母親がゴールデンである証が、その時だけははっきりと見出せる。
日が沈む時というのは不思議なので、一瞬、これまで以上にかっと周囲が明るくなる。あれは、どういう現象なのだろうか。科学的なことを考えるよりも、その瞬間を絵画に捉えた画家や、作品のテーマにした文豪などに思いを馳せてしまう。
そして、ふっと周囲はまた元の光に包まれ、夕闇へと静かに移行する。トンカの毛並みはいつもの胡桃色に戻り、すくっと立ち上がった尻尾をふるふると嬉しそうに回転させながら、夕闇迫る家路を急ぐ。
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