久しぶりの生コンサート。
思っていた以上に教会は大きく、ステンドグラスから淡い光が投影された椅子席は、ほぼ満席だった。バッタ達も随分と各地の教会でコンサートをしたが、ここの教会にくることはなかった。今日のバイオリニストは全く知らない女性だったが、弾く曲目が懐かしいものばかりだったので、せっかくのチャンス、チケットを手に入れた。
オレンジのサテンのドレスをまとった若い女性が、花嫁さながら教会の扉から入ってきてコンサートが始まった。
呼吸と整える間もなく、すぐに曲を弾き出したので最初は面食らってしまった。フォルテ、フォルテ、フォルテシモ!そんな弾き方に、余韻も何もあったものではない。最後の音が鳴り響くと同時に、周りから拍手が沸き起こる。そうしたと思ったら、またすぐに次の曲。
なんだか落ち着かない気分になるが、いつの間にか彼女のペースに入り込んでしまう。豊満な肢体からビロードのような音色が放たれ、情熱的な音楽に会場全体が包まれる。
ほら、生きているってことは、こんなに楽しいことなのよ!愛するってことは、こんなに美しいことなのよ!
そんなメッセージが、ばしばし胸に届く。
さあ、外に出ましょうよ。太陽がこんなに輝いているのだもの!
世の中、漸くウイルスの恐怖から解放され、マスクはしながらながら、コンサートも開かれるようになった。この若いバイオリニストにとっても、きっと久しぶりのコンサートなのに違いない。エネルギッシュで情熱的な彼女のコンサートに、聴衆は魅了され、歓喜に包まれた。
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皆さんからのコメント楽しみにしています
本当にやっとコンサートに行けるようになりましたね。先日の日曜日村の教会でカルテットの演奏が。次女夫婦の友達が。彼らと主人で。私は孫達疲れてバーバと残るとお留守番。教会がコンサートに向かず音がこもり残念だったとは主人の感想。ワクチン証明の提示 厳しかったようです。私たち夫婦は義妹と割と早くワクチン済ませました。次女が心配して奔走予約を。義妹は嫌がっていたのですが最後に映画やコンサート 音楽活動ができるのとの美点に一緒に参加しました。
返信削除それにしてもいつこの戦争を抜けられ出せるのでしょうか。
fleur de selさん、こんにちは。
返信削除コメントありがとうございます!
お孫さんたちはコンサートには未だちょっと早い年齢ですよね。お留守番、ちょっと残念ながら、お孫さんたちと一緒の時間も貴重で、楽しく過ごされたのだろうと思います。長女さんのお子さんたちは、もう少し大きいので、ひょっとしたらピアノかバイオリンなど練習しているのでしょうか。音楽の世界は本当にいいですよね。
ワクチンについては賛否両論があり、難しい問題を孕んでいますが、おっしゃる通りにフランスでは音楽会、美術館、映画館、レストランに行くためには、必要ですものね。子供たちは大学に行けなくなるからと、さっさと自分たちでワクチンをしてしまいましたが、若いことと、これから子孫を残すことを考えると、親としては大いなる不安と忸怩たる思いがあります。早く収束し、以前のように自由に日本を始め各国と行き来したいものです。