天空に真っすぐに伸びていく飛行機雲を目で追いながら、すっかりと爽快な気分になる。
外に出て歩くことが健康に良いと言われる所以は、こういうことなのだろうなと思う。
朝の日の出の時間が随分と遅くなってきたが、日の入りも随分と早まってきている。日が暮れる前にと慌てて外に出たが、輝く日差しと打って変わって風は冷たく芯がある。森にしろ林にしろ、周囲の木々はちっとも紅葉しないので、なんだか急に寒くなったことに戸惑いを感じる。
いつもの散歩道をショートカットし、早めに切り上げよう。
そう思って草原を突っ切って坂道を下りていくと、遠くの地平線で太陽が沈みかけ始めた。
その様子を動画撮影している女性が一人。別のところでは、自転車を横に倒して、一人で顔を夕陽に赤く照らしてじっっとしている男性が一人。
夏に、ノルマンディーの海岸で夕日を眺めたことを思い出す。あの時も、夕日が水平線に隠れてしまうまで、人々が静かに佇んでいた。
ふと思う。朝日を拝む人々には、そう滅多に出会わないな、と。
ノルマンディーの海岸でも、朝日を見ようなんて物好きは私一人だけで、バッタ達もまだ眠っていた。彼らが幼い頃は、一緒に水平線から朝日が昇るところを見に行ったものだったなと、懐かしく思い出す。
すっかり日が暮れて、いっそう寒さが深まる前に帰ろうと、足早に草原を後にする。
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