2021年10月3日日曜日

書くということ

 





ひと月ほど、ちょっとした書き物のバイトをしている。これが驚くほど難儀。命題が出され、時間と字数制限があり、自論を展開する、といったこととは真逆。


お題があり、構成があり、イントロがあり、各段落の見出しがあり、キーワードがあり、参考すべきサイトまである。


複数のキーワードは文字数によって必要使用回数が変化する仕組み。体言止めはダメ、文末のスタイルを二回以上同じものにしてはダメ、短文はダメ、長文もダメ、擬態語はダメ。


体言止め効果というものをご存じないのか。いや、そういったことを必要としない文体で書けということなのだろう。


そして画像。テーマに沿った画像を引っ張り出してきても、指示に合うものでなければダメ。


テーマを深堀し、歴史的背景を簡単に説明し、世界各国での見方の違いについて触れ、興味深いものになったと自画自賛していたものの、ガツンと戻される。ここでは、そんな展開は期待していないので、ニュートラルな文章でお願いします、ということ。


結局は、誰が書いても同じような、正直つまらない文章が出来上がる。写真も、全く奇をてらったものはご法度なので、差し障りのないものになる。


一つのテーマについて、さらりと書けばよいのに、ついつい深堀り調査をするものだから、知りえた興味深いことを伝えたくなってしまう。しかし、しかしだ。求められていることを忠実に守るという作業も、非常に勉強になるではないか。


研ぎ澄まされた、短くもなく長くもない、程よい長さの文章で、ずばり必要なことを述べる。いらない情報は切る。斬る。冗長な文章になりがちなので、これは本当に良い勉強。


クッカバラ流で囁くのは、この場があるではないか。


そう思い、今日も新しいテーマについて調査し、指示通りの枠内で期待された文体で書き始めることにしよう。調べた内容は、いつか役に立つかもしれないし、知識の肥やし程ありがたいものはなかろう。



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