今日はブルターニュのガレットにしよう。
もちろん、中身はお定まりのチーズ、ハム、卵のコンプレッ。
蕎麦粉をボールに取り出した時、芳醇な香りが立ち上がる。香ばしいと言おうか、なんという上品な香りなのだろう。
グルテンがないからか、水を注いで生地を作るにしてもダマができなく、取り扱いはとても簡単。光沢あるグレイの生地がねらりと出来上がる。
前回蕎麦を打とうとした時の苦労を思い出す。日本の蕎麦粉と種類も違うだろうし、水だって日本のものとは全く違って硬いし、石灰が入っている。だから上手くいかなかったのだと自分に言い聞かせるものの、あれは本当に難しかった。結局は水を増やしてガレット生地にしてしまったのだから。
蕎麦屋がパリに数えるほどしかないのは、パスタ好きのフランス人にはグレイ色の蕎麦が受けないからかと思っていたが、蕎麦粉で作るガレットは大人気なのだし、考えてみればイカ墨パスタだってレストランの人気メニューである。
日本のように美味しく蕎麦を打つことが、フランスの水のせいで難しいのだろう、と勝手に結論付けてしまう。ブルターニュの地で育った蕎麦粉にはガレットが一番合っているのだろう。
蕎麦粉の香りを楽しみながら、ブルターニュの荒々しい土地に思いを馳せる。
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