甘いだけではない独特の爽やかな香り。
ニッキ。そうとも言えるし、そうでもないとも言える。とにかく、それだけではない。
アニス。どうだろう。夏になると、そんなに好きじゃない癖に、どうも欲しくなる飲み物、パスティス。ジダンが活躍していた頃のワールドカップを観戦する時に、細長いグラス作って、氷を入れて飲んだものだった。あの独特の香り。似ているとも言える。
フヌーイュ。そうだ、フヌーイュの香りだ。英語ではフェンネル。日本語ではウイキョウ!太った丸い根を薄切りにしてサラダとして食べた時の、爽やかながらも甘みがあり、同時にちょっと苦みが感じられる、大人の味覚が思い出される。ホタテ貝のクリームソースを作った時も、フヌーイュの葉を香りづけに使った。
そうか。フヌーイュの香りだったのか。
濃い赤紫のこんがりコーンの様に膨らんだ花房から、甘く爽やかで、それでいてちょっと苦みのある大人の香りがかすかに漂う。
感覚だけに頼っていたものが、言葉で表現されると、急に存在感を増す。つかみどころのないものが、手に取ってみることができるようにさえ思われてしまう。
しかしながら、香りは香り。
手でつかんだと思った瞬間から、指の先からこぼれ出てしまう。
せめて体全体で感じていよう。初夏までは未だもうちょっと時間があるのだから。
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