朝の珈琲も煎れずに、開店間際のスーパーに向かった。このところ、庭仕事ばかりしているので、散歩というものをしていなかった。木々は新緑から濃い緑に変わってきているし、あちこちで薔薇が見事に咲き誇っている。昼顔の弦がびっちりと覆っている場所があったり、ピンクの可憐な花が咲き乱れている花壇があったりする。
季節はもう夏に移っているのか。
スーパーからは既に買い物を終えた人々が買い物袋を提げて出てきている。慌てて入口から入り、商品の配列をチェックしている女性に声を掛ける。昨日、携帯を忘れてしまったようなのですが、と言うと、驚いたことにすぐに反応し、スタッフルームに姿を消した。そこで忘れ物を管理しているのかと思ったが、鍵を持って出てきて、受付のカウンターの引き出しを鍵で開け、そこから見慣れた黒の携帯を出してくれた。
あ!これです!この携帯です。
電話番号を聞かれ、伝えると、その場で彼女がお店の電話で番号を鳴らした。黒の携帯が震える。
無事に返してもらう。自動レジに置き忘れていたというが、正直、記憶にない。電話番号を諳んじていて助かったということか。
あっけなく戻った携帯だが、本当にありがたい話である。どこでなくしたかの記憶がないのだから、昨日の時点では、まさかなくした携帯が戻ってくるとは思わなかった。
治安が悪いと言われることが多いフランスだが、なかなかどうして、携帯が出てくるのだから大したもの。感謝することしきり。ゆめゆめ、これに甘んじることなく、置き忘れなんてしないように気をつけねば。
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