松の木の下は松の葉と枯れ葉のふかふかベッド。すっかり乾燥した松ぼっくりが幾つも埋まっている。手を入れると若干の湿り気があり、土はじんわりと濡れている。土の中に手を入れると、引っかかりがある、ある、ある。指を入れてついと持ち上げると、びーんと長い根っこが跳ね上がる。蔦の根っこが縦、横に入り組み、絡み合いながらふかふかのベッドの下で緻密な世界を作り上げている。
丁寧に丁寧に一本ずつ引っ張り上げては引っこ抜いていく。気が遠くなるような作業。
昨年、バッタ達が伐ったリラの枝、杉の枝、薔薇の枝が、松の葉、枯れ葉、松ぼっくりと一緒くたになって積み上げられているところにも、蔦の弦が這いまわっている。ここは覚悟を決めて、枝を一本、一本、処理せねば。細い枝を切り落とし、紐で括れるように取りまとめる。すっかりと乾燥しているので扱いやすい点が唯一の救い。松の葉、枯れ葉、松ぼっくりは袋に入れる。
そんなこんなしていると、当たり前だが腕にはひっかき傷ができ、夜になると赤い湿疹が出始めてしまった。何かにかぶれたのだろう。取り敢えずはムヒでも塗っておこう。
寝ながらもかゆくて、ひっかきながら、ひっかいてはいけぬと、頑張って起きてムヒを塗る。
翌朝、まだ腫れている腕を見ながら、ふと違和感を感じる。掻き過ぎてかさぶたを作ってしまったのか、円く腫れている中央に赤黒いポチが見える。冗談半分で森の使者を連れてきてしまったと長女バッタに見せると、長女バッタは間違いなく生存しているという。
冗談ではない。まさかのマダニ様。これで人生3回目とは言えども、想像しただけで失神してしまいそう。前回末娘バッタが連れてきてしまった時に薬局で買ったプラスチックの簡易なマダニ取り器で、長女バッタが上手に取ってくれた。ぷちん、という小気味の良い音は、マダニ様が皮膚から身体ごと剥がされた音だろうか。
虫除けに長袖を着ていたものの、暑いからと半袖になっていたことが悔やまれる。これからは、どんなに暑くても、長袖、長ズボン、軍手、帽子をしっかりとまとわねば。
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皆さんからのコメント楽しみにしています
越後屋です。
返信削除コメントありがとうございました。
マダニ、北海道でも村でも今ぐらいの季節から気をつけていたななんて思い出しました。
私も村で森へ入り連れ帰ってしまい、サウナやシャワーをも乗り越え翌日の朝食いついていることに気づいたことがありました。
朝起きたばかりでメガネをかけていなかったからゴミかと思ってつまんでしまい、頭だけを取り除くのが大変だったなんて1人笑ってしまいました。
そちらでは脳炎とかありますか?
まだ気をつけないといけない季節ですね。
越後屋さん、
返信削除早速遊びにいらして、コメントを残してくださって、ありがとうございます!
マダニ君を肌に食い込ませて、サウナやシャワーですか。想像を絶する世界です。感染症とか問題はなかったのでしょうか。今、お元気なので、大丈夫だったのですよね。すごいなあ。
こうちらではライム病とか怖い病気になるぞ、と脅されます。バッタ達にも抗生物質を早く飲めと言われましたが、今のところは大丈夫そうです。あっ!今、庭にキツツキ君が来ています。大好きなのですよね。あの頭が赤いところが。雑草だらけですが、鳥やリス、ネコたちが皆遊びに来てくれるので、とっても素敵でワイルドな庭です。ですので、森の使者の存在は貴重ですよね。ということにして、今日も長袖長ズボンで猛暑の中、庭仕事です。どうぞまたお立ち寄りくださいませ。
今日は。
返信削除ふふふ、私は1回ですが連れ合いは2回刺されています。苦笑
村ではダニ脳炎の保菌北限を超えているということでダニアレルギーがなければ噛まれて多少腫れることがあるかもしれないという程度でしたが、州都では季節になると予防接種するそうです。
林業従事者は予防接種必須な地域でしたが。
キツツキ!村にいた時は鳩や雀並みに見かけましたが、東京では…。
森の使者が訪れる環境は豊かですね。
越後屋さん、こんにちは。
返信削除「ダニ脳炎」なんて、聞いただけでも怖いです。ご無事で何よりでした。東京の生活はいかがですか?越後屋さんには森の使者が訪れる「村」での生活がぴったりに勝手に感じています。それでも、日本の生活は便利で楽ですし、きっとご家族もいらっしゃるので、格別ですよね。いろんな意味で安全ですし。またいつか、北欧あたりにお住まいになることになるのでしょうか。その時こそ、遊びに訪れたいです。へへへ。