フランスで初めての職場、そこで出会った緑の目が魅惑的な、まるでソフィーマルソーのようなマリロランス。彼女が教えてくれた、職場近くの小洒落たカフェ。そこでは、秋になるとデザートに「ガトーオマロン」がメニューに現れる。
一口食べて、しっとりとした味わいに虜になってしまった。女性のシェフが切り盛りしていて、とびきり新鮮な野菜をふんだんに使った大盛りサラダが人気で、女性客が多かったが、そのガトーオマロンは一切れがホールケーキの6分の1サイズ。その大きさに圧倒されはしたが、素朴な栗色のケーキはそれぐらい大胆な方がいい。そして生クリームやカスタードクリームの類も必要なく、飾りもいらない。そう一瞬にして悟った。
職場が引っ越すと知り、何より残念に思ったのは「ガトーオマロン」のことだった。ある時、思い切って女性シェフに声を掛け、レシピを教えてくれないかと聞いてみた。にっこりと微笑み、お客様にとても人気がある当店自慢のデザートなんですよ、でも企業秘密ですからレシピをお教えすることはできません、と当然と言えば当然の答えが返って来た。
そこで、日本に帰ることになったので、暫くはお店に来れないこと、とても美味しかったので教えていただければとずうずうしいお願いをして申し訳なかったと伝えた。
会計をして帰る時、さっと女性シェフが近づいて、「ヒントを一つお教えします。粉類は入っていませんよ。」と囁いた。まあ、ありがとうございます!日本に帰るなどと嘘をついた自分が恥ずかしかったが、それ以上にヒントを教えてもらえて飛び上がらんばかりだった。
それから「ガトーオマロン」の味を探しが始まった。そして、遂にこれかな、と思えるレシピにたどり着いた。基本の原材料は3つだけ。
栗のピュレ 500グラム
卵白 卵3個分
カソナード 100グラム
・栗はマッシュして生クリーム大匙2程度でピュレを作る。
・卵白に砂糖を一度に入れて、しっかりと角が出るまで撹拌しメレンゲを作る。
・栗のピュレに3分の1程度のメレンゲを入れ、しっかりと混ぜ、残りのメレンゲに混ぜ込む。
そして180℃のオーブンで1時間。
焼く前にバニラエッセンスを生地に入れたり、バニラビーンズ入り砂糖を使っても、或いはラム酒をちょっと入れても楽しいかもしれない。
秋の木漏れ日を感じさせる幸せな香りがキッチンを満たしてくれ、一時間はあっというまに経てしまう。
まだ温かい時に味わっても、しっかりと冷まして味わっても、それぞれに楽しめます。いかがでしょうか。栗のピュレは完全にクリーム状にしないで、少し栗の粒が残っている状態が意外に美味しいです。
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