トンカを我が家に迎えてからは、週末に向けて金曜の夜に帰ってくる息子バッタにトンカをお願いし、土曜の朝に買い出しに繰り出すことにしていた。もちろん、彼が帰ってこない日もある。そうなると、トンカが一人お留守番。たかだか一時間、されど一時間。
新緑の季節、この時期はアスパラが美味しい。緑、紫、ホワイト、揃って元気にBIOのお店で挨拶をしてくれる。ホワイトアスパラはグタグタに煮た缶詰ものしか知らなかった私にとって、フランスでその美味しさに開眼した。そして、パリッとしたグリーンアスパラの美味しさは堪えられない。
早速カートに入れる。週末に帰ってくるだろうバッタ達を思って、ついつい買い物カートは重くなってしまう。彼らの友達も来ることになれば、あっという間に冷蔵庫や貯蔵庫は空になってしまう。一方で、彼らの都合がつかない時は、いつまでたっても冷蔵庫はぱんぱんに食材が入っていて、いつの間にか新鮮だった野菜が萎びてしまう、時に腐ってしまう。
それでも、あれやこれやとメニューを想像しながら、ついつい手にとって買ってしまうのだから、母親とは一体なんなのだろう。息子バッタは、帰ってくるなり、いつだって冷蔵庫を開けて中をしばらく覗く習性がある。冷蔵庫はむやみやたらに開けて欲しくない主婦にとっては、大変迷惑な行為ではあるが、嬉しそうな彼の顔を見るとにやりとしてしまう。寮生活の学生にとり、実家の冷蔵庫は何か心躍るものがあるのだろう。
その割には食事のリクエストを聞いても、気のない返事ばかり。その点、末娘バッタはいつだって食べたいメニューがはっきりしている。お好み焼き、ビーフン、クスクス、タジン、ファラフェル、などなど。「だって、結局はママは自分が作りたいものにするんだもの。そして、それが美味しいから、僕はなんだっていいんだよ。」とは息子バッタの弁。
息子バッタしか帰ってこなかった日曜のランチ。ガレットにしようか、と誘ってみると、珍しく冷蔵庫に海老があったじゃない、と指摘される。あら、そうね。ふーん、じゃあリゾットってどう?
そう言いながらも、海老の殻剥きを始め、それで出汁をとってリゾットを作ろうと台所に立つ。玉ねぎをみじん切りにして、オリーブオイルでガーリックを先に炒めて香りを出し、玉ねぎを加えて更に炒める。食欲をそそる香ばしさがキッチンを満たしていく。隣のレンジでは海老の頭と殻がぐつぐつと美味しい香りを放っている。
途中でグリーンアスパラの硬めの部分を斜めにスライスしたものを入れながら、お米は透き通るまで炒める。そこに熱々の海老の出汁を入れると、じゅっと快い音が響く。うっすらとオレンジ色のリゾットが炊き上がってくる。最後の段階でグリーンアスパラの先の柔らかい部分を入れ、パルメザンチーズをたっぷりと削り混ぜ、最後の最後に檸檬の皮を削って香りをつける。海老と庭の深緑のローズマリーで飾りつけをして出来上がり。
さあ、ボナペティ。息子バッタの笑顔が輝く。
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