息子バッタが遊びに来てくれたので、彼にトンカの散歩をお願いして、買い物に出掛けることにした。私が一緒だと、せっかく息子バッタがトンカと走りだしても、トンカは途中でいつも立ち止まり、後ろを振り返って私がやってくるまで待っている。息子バッタの命令も、私の顔を見て判断しようとする。だから、私抜きで、二人で散歩に行った方が二人にとって楽だろうと思っていた。
何より、トンカは瞬発力に優れていて、猛スピードで走るので、息子バッタと一緒に走ることで、お互いに楽しめるのではないかと思われた。
のんびりとスーパーで買い物をし、BIOの専門店にも顔を出し、新鮮な野菜を入手する。確かに最近、物価が上昇しているし、行きつけのスーパーの問題かもしれないが、箱ティッシュが商品棚に姿を消して随分と経っていた。いつも買うタイ米も、大袋がなくなって暫くするのに、新たな入荷がされていない。
値上がりしているのはガソリンだけではないのだな、とぼんやりと考えながら家に帰ると、家の門の扉が閉まっている。つまり、既に息子バッタとトンカは家に帰って来たということである。一時間も経っていないが、恐らく二人で短距離走でもしたのだろう。疲れて急いで帰って来たのだろうか。
大きく膨らんだ買い物袋を両手に家に入ると、ソファーに息子バッタが寝転がっている。早かったのね、と声を掛け、買い物袋に鼻を突っ込むトンカを制して、片付けを始め、どこの森に行ったのかと聞いてみた。
行かなかったんだよ。
ぶっきらぼうに息子バッタが返事をする。え?
だから、行かなかったんだよ。首輪をつける時点ですごく嫌がっていたんだけど、前足を揃えて踏ん張って、てこでも動かなかったんだ。そのうちに、伏せをして蹲ってしまったんだよ。だから、行かなかった。
不満気な口調で息子バッタが状況報告をしてくれた。ボクだと、ちっとも言うことをきかないんだ。
いやいや、違う、違う!純粋にトンカは疲れているんだよ。ここ数日、週末と祝日が続いていたので、朝と夕方に二回散歩に行っていた。しかも、好天続きだったので、森に入り、新しい道を発見し、と、毎回2時間から3時間はたっぷりと歩き回っていたのよ。トンカは嬉しそうに跳びはね、走り回っていたけど、朝は6時から起きているし、昼寝をしているとはいえ、流石に疲れたんだよね。疲れちゃった、って言えばいいのに、言えないもんね。
そういうと、息子バッタが大いに笑い、そりゃあトンカも大変だわ、とトンカの背中を優しく撫でた。
ママは思い込んだら、まっしぐらの熱血漢だからねえ。時には何もしないで、一緒にのんびり日向ぼっこをするのでも、いいのかもね。
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