2022年5月28日土曜日

奥様は魔女 イントロ編

 







このタイトルでピンとくる世代は少なくなってきているのだろうか。バッタ達の世代では、先ずは無理だろう。原題は「Bewitched」、訳すなら「魅せられて」とか「妖艶な」とか「妖しげな」だろうか。


フランス語では「Ma sorcière bien-aimée」。フランス語らしい訳

で、比喩もなくストレートに「私の愛おしい魔女」。


日本語では「奥様は魔女」。この題名を翻訳した人はなんて偉大なのだろうと感心してしまう。言外に含まれる微妙なニュアンス、醸し出す雰囲気、余韻。聞く者の想像を豊かに膨らませ、好奇心を掻き立てるに十分。


フランスの企業名も、最近では色々と工夫されてはいるようだが、企業精神など一切反映していない無味乾燥なものが多くて驚くことがある。携帯電話のオペレーターとしてフランスで旧国営オペレーター、Orange(英国のオペレーターのOrangeに買収された経緯があるが、フランスではあくまでオランジュと発音をする)のライバル会社として設立されたSFR。当時の親会社はCompagnie générale des eaux、ずばり総合水事業会社(こちらもその後Vivendiと社名を変え、メディアの買収などで大きく膨らみ、一時期世界的にも脚光を浴び、水事業のみスピンオフされている)。このSFRは、フランス語のアルファベット読みで「エスエフエール」縮まり「エッセフェール」と呼ばれてはいるが、「La Société française du radiotéléphone」の頭文字をとったもの。そして正式社名の意味はずばり「無線電話フランス企業」。企業精神や想像を膨らませる要素ゼロ。初めて知った時には、そのあまりの短絡さに笑ってしまった程だった。


と、長々とイントロを書いてしまったが、実は今日のテーマはこれが主題ではなく、「奥様は魔女」だったはず。あんまり長いと誰も読んでくれそうにもないし、短くても読んでくれる人も皆無のような昨今、どちらでもよいのだろうが、取り敢えず今回はここまでとしようか。


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