いつもの、どうしても作りたい病に罹ってしまった。治すには、とにかく作るしかない。小雨が降りそうな曇り空の中、トンカの散歩を早朝にたっぷりとし、大満足でキッチンの床にへばりつくように身体を伸ばしているトンカを残し、材料の買い出しに出掛ける。
急がないと苺のシーズンは過ぎてしまい、マルシェには杏やネクタリンが出揃ってしまう。できれば粒の大きさが揃っている硬めの苺があれば良いが、新鮮であれば取り敢えずは良しとしよう。後は卵とゼラチン、そして生クリーム。
ちゃんとレシピを見てから買い出しに出るべきなのに、気持ちが逸り、かつ、トンカを一人留守番させることからのタイミングもあって、取り敢えず出掛けてしまったが、家に帰って詳細にレシピを見てみると、マスカルポーネ、無塩バター、エバミルクが不足していた。基本さえ押さえておけば、問題はないこととするしかあるまい。問題はそこではなく、苺のスライスをいかに上手にゼリー固めにすることではないか。
珍しく粉ゼラチンを手に入れることが出来たので、レシピ通りの分量できっちりと作ろうと気持ちが高揚する。水にゼラチンを振りかけ、ふやかし、その間にお湯に砂糖を溶かし、赤のエキスをちょっぴり垂らす。香り付けにキッシュを使うのだが、我が家に置いてあっただろうか。ドリンクバーの扉を開けて中を吟味し、チェリーではなくフランボワーズのスピリッツの瓶を取り出し、小匙一杯程ゼラチン液に入れる。
苺のヘタをカットし、やや厚めのスライスをし、ペーパータオルの上に並べていく。一体どれぐらいの量が必要なのか見当もつかないが、取り敢えずは1パック分使い切る。次にパレットにサランラップをし、その上に似たような大きさの苺スライスを選びつつ並べていく。1パックで十分の量であったことに、ほっとする。
苺スライスが並べたパレットに冷ましたゼラチン液をゆっくりとたらし、苺が浮かない程度の量で抑え、冷蔵庫に入れて冷やし固める。その間に、ロールケーキのスポンジを焼くことにする。きちんと粉を篩い、しっかりと硬いメレンゲを作り、完全に材料を混ぜて生地を作ることができれば、スポンジケーキの8割は成功といえよう。
マスカルポーネやエバミルクがないし、ホワイトチョコレートも切らしていたので、ここは基本の生クリームのみを使ってクリームをホイップする。2パック目の苺の大きさを吟味し、粒のそろっているものを選び出し、ヘタと先を切り落としておく。
焼き上がったスポンジを冷まし、薄っすらと筋をつけ、クリームを置き、苺を並べる。その上に新たにクリームをのせて、くるりとロールし、ぎゅっと成形し、冷蔵庫で冷やし固める。苺のスライスにもゼリーを新たに流し、こちらもしっかりと冷やしておく。
そうして、しっかりと固まったことを確認し、ゼリーシートをロールに巻き付け、改めてぎゅっと丸く成形し、冷蔵庫で冷やす。
その日は偶然にもバッタ達の友人たちも加わり、大勢でにぎやかに夕食を囲んでいた。華やかでエレガントなストロベリーロールが、彼らの称賛のまとになったことは言うまでもない。お向かいのマダムにと、慌てて一切れ厚めにカットし、お皿に取り分けながら、笑みがこぼれる。
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