お気に入りの和菓子屋さんのサイトで和菓子のレシピを見ていて、カステラの作り方に魅入ってしまった。カステラなんて、バッタ達が幼い時に作って以来、もう随分作っていない。当時は知り合いの方から教えてもらったレシピを何度も使ったものだった。
さすが和菓子専門店のレシピは作り方から本格的。なんだか急に作りたくなってしまう。
いつものことながら、気が付いたら蜂蜜を求めてお店に向かっていた。我が家にはラベンダー蜂蜜なるものがあったが、そろそろ底を突きかけていた。二年前に長女バッタが国際農業見本市でバイトをした時、品評会の担当で、蜂蜜の奥深さを学んだとかで、以来、彼女が購入するラベンダー蜂蜜が我が家の定番となっていた。
店内の蜂蜜の棚には、花の種類や生産地ごとに多くの商品が並んでいて、その数だけで圧倒されてしまう。昔からこんなに種類があっただろうか。
きらきらと透明度が高い蜂蜜が目に入る。瓶を手にとると、アカシアとラベルに書いてある。アカシア蜂蜜なら、日本で父が好きだったものではないか。確か、結晶化しにくいとかで、冬でもとろとろと金色の蜜を楽しめたように覚えている。実は、白く固まりかけている部分も、じゃりじゃりと美味しくて好きではある。
お菓子の材料としての蜂蜜であれば、結晶化しにくい液化のものが最適であろう。飴色のとろとろとした液も魅惑的に思われた。
早速家に帰り、レシピ通りに湯煎にかけながら卵黄をもったりと撹拌させ、カステラ生地を作る。気泡をなくすことが綺麗でしっとりとした風合いになるとのこと。串で何度も何度も気泡を潰す作業をする。これが、実にエンドレス。こんなにかき混ぜていいものか、と思う程串で生地をかき混ぜ、泡を潰す。しばらくすると、またぷくぷくと泡が出てくる。その繰り返し。
この辺にしておこう、と妥協点を見出し、180℃のオーブンに入れて焼く。薄っすらと焼き色がついたら、アルミをふわりと掛けて温度を160℃に下げて20分程度焼き上げる。
上品な色合いに焼き上がり、自己満足に浸っている時に末娘バッタが帰って来た。テーブルの蜂蜜の瓶を見るなり「あんらまぁ!」と素っ頓狂な声を出し、寮から持って帰ってきた、片付けもせずに山積みにして置きっ放しにしている袋の中から、蜂蜜の瓶を取り出して持ってきた。
「あんらまぁ!」今度はこちらが素っ頓狂な声を出す番。
アカシア蜂蜜。しかも、同じブランドで、同じ瓶。彼女の瓶の方が入っている蜂蜜の量が残り少ないということだけの違い。
母娘で同じものを買っていたなんて。こんなこともあるものか。しかも、末娘バッタは父(彼女にとっては日本のパピー)との記憶はおろか、会ったことさえない。ましてや、アカシア蜂蜜が好きだったことは知る由もない。
あんらまぁ!
嗜好と言うものは遺伝するのだろうか。なんだか父が、にんまりと笑っているような気がしてくる。さあ、カステラを味見しよう。しっとりと上品な味わいになっただろうか。
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