20年近く勤めた昔の職場の友人宅でのホームパーティ。陽気なイタリア人の彼女が音頭を取り、女性20人に声を掛けていた。20年間ずっと一緒だった人もいるし、最初の期間だけ一緒だった人もいる。最後の数年のみの人もいる。
以前末娘バッタと浜辺を散歩していて、ばったり会った2人にも声が掛かっていた。なんの躊躇もなく、喜んで行くと返事をしている自分に、なんだか嬉しくなる。自分の中で何かが変わったことが分かる。
イタリアンスタイルのおもてなしよ、とのメッセージに、イタリアのエスプリを効かせた日本料理を一品持っていくと告げる。
さあ、何にしようか。
前回、日本に駐在が決まった友人夫婦のパーティに、ほんの一品のつもりで焼き鳥とちらし寿司を持って行ったが、なんだかそれがメインになってしまって、それはそれで喜ばれはしたものの、友人たちが準備していたラムステーキがお蔵入りとなり、申し訳ないことこの上なかった。ホストを押しのけて、食卓での話題をさらってしまうことは、してはならないことだった。
ここは控えめに、一口サイズの手毬寿司なんかどうだろう。それこそ、全員の数分なくとも、見栄えが良く、テーブルの片隅に華やぎを添える程度のものがいいのではないか。
美しさを追求した手毬寿司。イタリアのエスプリにぴったりではないか。
そうと決まったら、新鮮な食材を求めてマルシェに直行。
日本風の小型胡瓜、真っ赤なラディッシュ、黒人参、黄人参、ベトラブ、グリーンピース、プチトマト、シブレット、ディル、バジル。
サーモン、マグロ、海老。
彩り見事な野菜たちは薄切りにし、塩でしならせる。ラディッシュは甘酢に漬ける。サーモンはディルと塩コショウでマリネ。マグロも塩をする。
夕方近くなって、海老を剥いて、錦糸卵を作る。サーモン、マグロを適当な切り身にする。盛り付けのお皿を準備。見事な庭の枇杷の葉を数枚使うことにする。
白米を硬めに炊いて、すし飯を作り、時間がないので、熱い熱いと言いながら、小さな団子にする。この辺から時計とにらめっこ。仕事が終わって手が空いている息子バッタにSOS。彼に団子を作ってもらう。
胡瓜のスライスを団子に巻くが、どうも難しい。今度はラディッシュを周りに貼るが、これもなんだか難しい。刺身の方がとても簡単にまとまってくれる。錦糸卵の上に海老を載せ、グリーンピースを飾る。
沢山の団子を作ってくれた息子バッタ。その半分も実際に持っていかないことを見ると、早速自分たちの分を作り始める。なかなかのセンス。大胆にネタを丸くした寿司飯の上に載せていく。
こちらも、仕上げに入る。サーモンの上にはディルを飾り、マグロの上にはシブレットを散らす。プチトマトを飾り、結局巻き切れなかった野菜のスライスを飾る。さあ、これでどうかしら。
穂先が紫に大きく膨らんでいるラベンダーを二つ、庭から失敬し、色と香り添える。Yuvuzela亭、健在なり。にんまりとして、車に乗り込みアクセルを踏む。
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