2021年3月13日土曜日

芸術の神様

 




自称カメラ小僧。

どこに行くにも一眼レフのカメラを背負って歩いたものだった。携帯がカメラ機能を内蔵すると知った時、鼻で笑ったものだった。

行く先々でポストカードを買うことも大好きだった。

ところがどうだろう。

あっという間に誰もが携帯を持つ時代になり、内臓しているカメラの性能が素晴らしく向上し、加えて撮影後の写真は簡単に削除できるし、ストックもできる。今では加工も簡単。SNSでシェアするなんてお茶の子さいさい。

なんという時代になってしまったのだろう。

自分たちで簡単に、且つ、ハイレベルの写真が撮れるものだから、ポストカードなんて需要がなくなってしまった。しかも、ドローンなんてものまで、それこそ一般市民が手に入る時代になってしまい、空からの撮影も誰もができるようになってしまった。

ブラジルに遊びに行った時、一眼レフのフィルムカメラを背負っていったが、非常に手ごろなので川下りの際など携帯で撮影。そのうちに、携帯での撮影が中心になってしまった。その後、写真を見比べ、携帯で撮影したものが遜色ないことに気が付き茫然。

スイスの山に行った時、奮発してデジカメを買おうかとも思ったが、携帯内臓のカメラで十分と諦めた。その分、携帯を新規購入する際は、カメラ機能をしっかりと比較して決める。

撮影した写真を加工するなんて、そんなまやかしのような行為は好かん!なんて思っていたのは始めだけ。写真好きのママなら、FBよりもInstagramがいいよ、と長女バッタに勧められて始めたが、確かに面白い。写真を自由に大きさを変えたり、カットしたり(おっと!トリム!)、明暗を変えたり、フィルターをかけたりと、楽しむようになるには、時間はかからなかった。


ところが、落とし穴があったのである。


年末になると、一年のハイライトとなった写真を使って翌年のカレンダーを作成している。するとどうだろう。昨年は出来上がってきたカレンダーを手にして、思わずうなってしまった。こんなんじゃない!ピンボケじゃあないか!

PCで作成している時の画像は色の鮮度も抜群。一体何が原因なのか。

何千枚とある写真の中から選ぶのは、非常に目も疲れるし、何より時間がかかる。従い、どうしてもInstagramでアップした写真を先ずは検討してしまう。その後でオリジナルにあたるわけだが、そのうちに、SNSでシェアした写真とは知らずに、いつの間にか利用してしまったのである。

オリジナルの写真と比べ、SNSに投稿した写真は軽量化されていた。つまり解像度が低くなってしまっていた。それを印刷に利用したのだから、残念な結果になってしまったのである。


そういうことか。唸ってしまう。


間の悪いことに、ついこの間写真を整理してしまっていた。ベストショットファイルの中をどんなに調べても、件の写真のオリジナルは見つからない。


芸術の神様はいらっしゃるのだな。


今後はしっかりと写真保存、そしてセレクションをしなければと気持ちを引き締める。





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