土に這いつくばって、地べたを覆っている弦を巻き取り、土の奥深くまで伸びている根っこを掘り起こし、好き放題させておいた蔦を除去する。
あまりに多くの弦があちこちに交差し、絡み合って伸びているので、作業は遅々として進まない。それでも100リットルの紙袋3つは蔦の葉、弦、根っこでぱんぱんになる。
このところ、日中は快晴続きで、汗だくになっては、時間が経つのも気が付かずに、熱中して蔦と格闘している。夜には足腰の動きが緩慢になってしまうが、翌朝、意外になんともなく、太陽が庭できらめくころには、手袋をつけ出陣となる。
夜、ゆっくりとお風呂に入り、足の筋肉マッサージを施しながら、絡まり合った蔦の弦の幻影と戦う。弦をぎゅっと握りしめて地べたから剥がすからか、指の関節も固まってしまっているので、伸縮体操をする。
ふと、勝手に携帯に流れてきた明日の天気予報を見ると、どうやら今日よりは4℃程気温が低くなる模様。そして、よく見ると、曇りに水滴マーク。まさか、雨?
天気予報ほど当たらないものはない、と、いつだって言っているのに、こういう時には非常に狼狽えてしまう。せっかくの蔦がぎっしり入った紙の袋を雨に晒してはなるまい。
パジャマにジャンパーを羽織り、慌てて外に駆け出す。
と、夜空に真っ白な半月。月に笑われながら、重くなった紙袋を軒下に並べ、木の幹に立てかけておいた鋤を玄関に取り込む。
庭師の仕事は夜も続く。さて、明日の天気はどう出るか。
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