梅一輪 いちりん程の 暖かさ
作者、嵐雪がどんな思いで詠んだ句なのか。
寒梅が一輪だけ咲いた。その花を見ていると、まだ冬だけれど、わずかながら一輪ほどの暖かさが、もう感じられるようだ。
こんな解釈が通例のようだが、このあまりに有名な句は既に作者の手を離れ、多くの人の手紙や書に書き写され、一人歩きしている。
もっと自由な解釈をしても良いだろうか。
ひっそりと一人で冬の寒さを過ごしている詠み手が、一輪咲き始めた梅を見つけ、その存在に春を感じ心を震わせている。
紅梅の前で見入っている、そのか細い肩を、後ろからふわっと抱きしめたい、そんな思いに駆られてしまう。
昨年は春の訪れを一緒に迎えた大切な人を、今年は一人にしてしまったという思いがあるからだろうか。咲きおおる花の前で、一人思いに耽る。
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