端然と 恋をしてゐる 雛かな
ハイカラな江戸っ子、夏目漱石の作。
ユーモア溢れながらも品のある一句。桃の花にやわらかな春の日差しが降り注いでいる、そんな情景が想起される。漱石の娘たちへの愛情さえも感じてしまう。
果たして、漱石の娘、愛子さんの手による随筆「父漱石の霊に捧ぐ」に、雛祭りでの父親との楽しい思い出が綴られている箇所があるらしく、やはりそうなのか、と嬉しくなってしまった。「らしく」と書いた通り、実はこの随筆自体は未だ読んでいない。「漱石」と「娘」を併せて検索したところ、うまくヒットし、この随筆の存在と、漱石が雛祭りには娘たち(三女と四女の二人)に雛人形を買ってあげ、楽しい時を過ごしたことを知るに至った。
同時に、どうやら漱石は精神が不安定であった時期があり、妻子に辛く当たったり、気持ちの上でのすれ違いがあったことにも言及されていて、大いに目を引いた。6人の子供たちそれぞれの父親像は随分と違うものであることは、意外であった。逆に、殿上人のような存在であった漱石が、非常に身近に感じられたことも事実。等身大の漱石。
「父漱石の霊に捧ぐ」をすぐにも読みたい欲求が膨らむ。そこに、今バッタ達が抱える父親との問題への解決の手掛かりが見つかるような気がしてならない。
さあ、今年は桜餅でも作ろうか。
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