通りを歩きながら椿の花が鈴なりに見事に咲き誇っている大木を見つける。
我が家の椿はどうしているだろう。
リラの木と藤の枝に挟まれながらも、ひっそりと真っ赤な花を幾つもつけていた姿を思い出す。奥まっているとは言え、今まで気が付かなかったのだから、未だ蕾なのかもしれない。
ところが、どうしたことだろう。今にも枯れんばかり。辛うじて細い枝についている幾枚かの葉も、艶のない薄黄緑色をしている。蕾など一つもない。
藤の木は以前息子バッタが伐ってくれており、その時にリラの木も随分伐採していたので、枝葉に隠れて苦しそうな様子はちっともない。
近づくと、枝に蔦がびっちりと巻き付いていて、地面はすっかりと蔦で覆われている。慌てて蔦の枝を引き抜くが、もちろん、相手はそんなにやわではない。菜園用手袋をし、鍬をもって出直す。
地中深いところまで蔦の根はしっかりとはびこっている。
以前、植物は子供と一緒で、そんなに構わない方がしっかりと育つのかもしれないと嘯いたことが悔やまれる。当たり前だけど、植物も子供も、やっぱりちゃんと様子を見ないといけない。常に根っこを穿って、その成長を確かめる必要はないし、毎日たんまりと栄養を補給する必要もない。ただ、気が付いたら、根っこを他の植物にがんじがらめに絡めとられ、栄養がいかなくなってしまっていた、なんてことは避けなければなるまい。
雨が降って地面がしっとりとしている今、できるだけ蔦を抜いてしまおう。そう思って小一時間奮闘。これで少しは椿の根も息ができるようになっただろうか。
椿に宿るという精霊が喜んでくれるには、もう少し本格的に土を掘り起こして、蔦の根っこを引っ張り出す必要があろう。椿さん、ほったらかしにしてしまっていて、ごめんね。
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