一次試験となる筆記試験を終え、二次試験の口頭試問の準備に勤しむ段階だが、どうやらエンジンがなかなか掛からない様子。エントリーしたカテゴリーによっては、筆記試験の結果次第で足切りになる場合もあるし、受験日程も4つのグループに分けられ、更に一人一人の時間が決まるのだから、なんとも切迫感に欠けてしまうのは否めない。
通常、最低3つのカテゴリーにエントリーするのだが、一つのカテゴリーで、必須の外国語に加え、任意の外国語選択科目の中に日本語があった。受験が任意ということで、取得した点数がいかに悪くても平均点の足枷にはならず、半分以上取れればプラスに働く仕組みになっている。たとえコンマ1ポイント程度のプラスであったとしても、このコンマ1の違いが大きいことは、息子バッタの時で十分身に染みて分かっていた。
息子バッタの時には、ちっともサポートできないジレンマを感じていたが、日本語対策は何か手助けができないかと真剣になった。どう調べてみても過去問は見つからず、それもそのはず、毎年5千人はいる受験生の中で任意の外国語の口頭試問を選ぶ受験生は少なく、日本語ともなると、本当に極僅か。二年前の息子バッタの時はどうやら5人だけだったことが、試験結果報告書から判明した。昨年は口頭試問自体がなくなってしまったから、当然皆無。
しかし、この試験というのが凄い。50ページも渡る文書に試験科目のねらい、出題内容の詳細、試験方法などが詳しく記述されている。エンジニア向けの試験であり、加えて任意の外国語の口頭試問なので、当然のことながら全体での比重は小さい。しかし、外国語の口頭試問についても、ちゃんと紙面が割かれていた。
どの言語を選ぼうとも、当然ながら条件は一緒。直近の話題の一般的なニュース(政治、社会、環境など)がテキスト(A4一枚程度)になるが、複数用意されており、受験生は予め自分が好きなテキストを選べることになっている。
試験のねらいは、受験生がテキストを正確に理解し、口頭で説明する力および、流暢に議論する力を問う。二年前まではテキストの音読も課されていたが、受験時間を短縮するためなのか、背景は不明であるが、今年からはなくなっている。
20分間の準備の後に、受験生は10分程度でテキストの要約を発表し、その後、そのテーマに関し、自分の意見を述べる。そして試験官による質疑応答。この時、選択した言語の文化圏に関する時事問題や文化的なテーマが取り上げられる。当然ながら、音響機器は使えないし、辞書や電子辞書も持ち込み禁止。
二年前、今見てみると17のテーマで記事を選び、要約、コメントを簡潔に列挙したものを1枚にとりまとめていた。記事は全て印刷し、難しそうな漢字にはフリガナをふった。息子バッタがどうそれを利用したのか、正直分からない。日本語なんて使ってこない2年間だったのだろうから、ブラシュアップ程度にはなったのかと願っている。17のうち、いくつか興味のあるテーマを選んで読んだのかもしれない。
結果は、嬉しいことに満点。ただ、実際には彼は別のカテゴリーの学校への進学を選んだ。だから、彼の進学に直接貢献してはいない。それでも、日本語の試験が満点だったことをひどく誇りに思うし、嬉しかったのは事実。
さてさて。末娘バッタの時も、やはりそれぐらいはしたいと、直近のニュース記事をピックアップし、取りまとめ始めた。驚いたことに、選んだ記事数は17。この辺で一巡したかの感覚が同じだったことに、一人苦笑。そして、二年前とテーマが被っていないことも面白い。しかし、二年前の記事ながら、決して廃れたテーマではない。こうなったら、彼女に二年前のものも一緒に渡してあげよう。
そんな準備が整ってきていることを告げると、末娘バッタは、予期せぬことに、友達の名前を挙げて、彼女にシェアしても良いかと聞いてきた。
一瞬、何を言われているのか分からなかった。
まあ、確かに、これが確実に出題されるわけでもなく、出題傾向に沿ったものか、ということでさえ危うい。非常に個人的な、勝手な思い込み視点で選んだテーマである。さすがに要点やコメントあたりは参考になろうが、はて、どうしたものか。
それよりも、なによりも、無償奉仕とはいえ、この力作を友人に軽く見せちゃうって、どうよ。
まあ、本人に手渡したら、それこそ、後は一人歩きし、彼女がそれをどう扱おうが、彼女次第ではある。私に了解を得ようとした態度だけでも、良しとすべきなのか。
何が引っかかるかって、そう、私の「力作」を見もせず、労力を褒め称えもせず、さらりと、友人に見せてよいかと聞く、その態度。
嗚呼。
己の自己顕示欲が人一倍強いことを恥じ入る。穴があったら入りたい。
それに比べ、友人といえど、ライバル。その相手に、虎の子を渡せてしまう末娘バッタは、大物なのか、粗忽ものなのか、ありがたみが分かっていないというのか。
クッカバラの囁きを熱心に愛読してくださる読者がいるのか、いないのか、正直なところ分からないし、その中にコンクールに向けて日本語の口頭試問の対策が必要な人が何人いるのか、いないのか。恐らくいないだろうとは思うが、明日からは毎日記事を一つづつアップしようかしら。せっかくだから、要約とコメントを添えて。まあ、そんなことにはなりそうもないので、ご興味ある方はその旨おっしゃってください。応相談。
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皆さんからのコメント楽しみにしています
クッカバラさん、
返信削除コメントを変な所でしてしまって、ごめんなさい。
バカロレアが国家試験レベルであるのですね。知らなかったです。オーストラリアにもIB はありますが、多分diploma 止まりなのでは?
お子さん達が、百人一首をされるとの事!なんて素晴らしい。私自身もう全く自信はありません。坊主めくりすらもどうやってやるか、よく覚えていません(笑)。
でも、古文や歴史、そしてそこから現在へと繋がっている四季折々の風物や物の感じ方を子供達と分かち合えたら。。。本当に憧れます。
クッカバラさんの素敵な文章を読むと、海外生活が長い方が一体どうやってその豊かな感性や、美しい言い回し、そして古今の日本文学、漢文の知識を維持されているのか、と敬服いたします。私なんて、日本語も英語も本当に中途半端で情けないです。これを書きながらも言いたい事をきちんと伝えられているか、とても不安です。どうか意味不明な事を書いていませんように、と願いながら今夜はこの辺にて失礼します。
ポッサムさん、
返信削除コメントありがとうございます!どちらで記入いただいても嬉しいです💛
「素敵な文章」なんて褒め過ぎです。なかなか言葉にならない時があって、もどかしいですし、詩的な表現をなんて考えていると、やたら情緒的になってしまって、冗長な文章で収拾つかなくなること多いです。日々是研鑽。
このブログを書き始めた時は、とにかく言葉が溢れるように次から次へと出てきて、書きたいことだらけでした。書くことによって、気持ちが落ち着くこともありますし、迷いが吹っ切れることもありますよね。夜書くと、気持ちよく眠ることが出来ます。
お子さんたちが幼いと、自分の時間がなかなか作れませんし、とにかく、日々あっという間に過ぎてしまうと思います。とても充実した時間ですよね。どうぞ十分に楽しんでください。驚くなかれ。子供たちはいつかは大きくなりますし、今この時間は永遠に続くわけではないのですよね。ポッサムさんは、アデレードあたりにお住まいなのかしらと勝手に思っています。こちらは今日は30℃を超えそうです。暑くなる前に芝刈り(雑草刈り(;^_^A)をしちゃおうかと思っています。
どうぞまた気軽にメッセージお残しください。楽しみにしています。