丁度去年の今日、端午の節句を祝って粽を作ってみようと思った。幼い頃、粽に黄な粉をつけて食べた思い出が急に蘇ってきた。そうと決まったら即実行。はて、粽を包む熊笹はどうしよう。
その時、急に裏山に生い茂っている熊笹の情景が目に浮かんだ。そうだ、裏山に行って、ちょいと取ってこよう。
お昼の時間に裏山に行ってみると、笹があるにはあるが、どうも葉が小さい。そうこうしているうちに、山頂に通じる入り口にたどり着いてしまった。幼い頃は、おにぎりを持って母ときょうだい3人で登ったものだった。懐かしさも手伝って、足を踏み入れた。何十年ぶりだろう。登山道というよりも、けものみち。の筈だったが、狭い道ながらも、急な斜面には簡易ながらも木の階段が設置されていた。これにはびっくり。
それ以上に驚いたことには、狭い道の両脇には野生のツツジの群生が連なっていた。道はどんどん険しくなるが、ツツジの群生は続いている。そして、どのツツジも真っ赤な花が丁度燃えるように満開で咲き誇っている。こんなことってあるのだろうか。
上に、上に登るに従い、鼓動が激しくなる。野生ツツジが更に密集して生えていて至る所が真っ赤に燃えている。観客は一人だというのに。
かっと切り開いたところが頂上となり、そこには驚くなかれ、探していた熊笹が大きな葉をゆさゆさと風になびかせながら群れて生えていた。
感極まって落涙。
何かにおびき寄せられるかの様に来てしまったが、ご先祖様が満開の野生のツツジを見せて下さったに違いない。その時ほど、ご先祖様の存在を身近に感じたことはない。いや、初めて感じたといっても過言ではない。
今年も裏山はツツジで燃えているだろうか。我が家の庭のふっくらとした純白のリラを見ながら、思いを馳せる。
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