2021年5月20日木曜日

心を鬼にして

 





連日雨続きだが、晴れ間が見えるとあっという間に気温が上昇し、それに連れて庭の雑草たちも一気に成長する。芝ではなくなってしまったが、芝刈り、いや、雑草刈りをそろそろしないことには、気が付いたら背丈ほどに成長してしまうかもしれない。


庭の奥にラズベリーだなんて喜んでいたのは昔のこと。なぜか赤い実から黒い実になったと思っていたが、いつの間にか別の種類の類似植物が、とげとげの枝を元気に太く伸ばしのさばっている。先日、できるだけ刈りこんでおいたが、今日見てみると、なんと掃き溜めに鶴とはこのこと。ピンクの薔薇の蕾がすくっと幾つも空を見上げている。


せっせと周りのとげとげ枝の雑草を刈り取ろうとするが、これがなかなか手強い。そして、気が付いたら薔薇の枝をちょん、なんてことになりかねない。雑草の枝と奮闘していると、甘い香りが立ち込める。雑草からだろうか。


なぜ私たちが厭われるの、ほら、今だってもうすぐ蕾が膨らんで花が咲き誇るところなのに。


そんな声が聞こえてしまった。


この間も、友人宅に行けば、彼女の数ある植木鉢の中に、なんと蔦を発見。蔦の葉をインテリアとして使うことは知っていたが、地面を覆いつくす蔦と奮闘している私からしたら、ペストそのもの。そんなものに、お金を払うなんて。こうなったら、我が家の蔦で何か商売でもしようか。


いや、そうではなく、見方によったら、雑草も観賞用になるし、花もつければ、実もなる。


おっと。甘い顔をしてはなるまい。ここは心を鬼にして、ごめんよ、と勢いよくばっさりと裁つに限る。





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