2022年8月6日土曜日

蜂蜜の味

 





洗濯物を外に干し終えると、分かっているかのように熱い鼻面を膝に押し付けてくる。暑くなる前に散歩に行こうか。


森に行く手前の広場の入り口で、左の方からやってくるボーダーコリーの姿が目に入る。トンカも早速カンガルー立ちになり、それからすぐに伏せの姿勢となり嬉しそうに待っている。何回か散歩の途中で出会っているマロだった。大抵は相手が既に散歩をした後に出会うものだから、トンカはちっとも相手にしてもらえず、飼い主さんは年老いているのでごめんなさいね、と申し訳なさそうに言うのが常だった。


相手にしてもらえないと分かると、トンカはすぐに諦めるのだが、それでも会えばいつでも嬉しそうに飛び跳ね、一緒に遊びたがるのだった。その日のマロは早朝だったからか、散歩の開始直前だったからか、元気に何度も吠えてはトンカの相手をしてくれた。猛スピードで駆け回り、もつれ合い、じゃれ合う。終いに二匹は長年の親友かのように寄り添って歩き始めたのだから、驚いてしまう。


トンカが人見知りをしないものだから、こちらも飼い主さんと仲良くなってしまう。今回もマロの飼い主さんと森を一緒に散策しながら、色々な話をした。数年前まではモードの仕事をしていたが、ある時一念発起し蜂蜜の勉強をし、養蜂家になったという。花の種類によって蜂蜜の味は様々で、ティヨル、つまり菩提樹の花から作る蜂蜜はミントの香りがすることを教えてもらった。


ミツバチは黒色が苦手で、攻撃する性質があるので、黒色の毛をしたマロはミツバチに猛攻撃されてしまうらしい。逆にミツバチが一切関心を持たない色が赤。その証拠に飼い主さんは赤色のTシャツと赤色のズボンを着ていた。


犬君たちとの散歩に土日がないように、養蜂家の仕事にも土日はないと言って、爽やかな笑顔でトンカの背中を愛おしそうに撫でてくれた。


トンカのお陰で世界が広がる。


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