2022年4月27日水曜日

気まぐれ花屋

 




おはようございます。


我が家の庭で今年も見事に牡丹が咲きました。そろそろとんがりコーンの時期になっており、純白、薄紫、赤紫が揃ってきました。蕾の内に手折ってしまうと花瓶では開花しない気難し屋ですが、その芳香たるや、暗闇でも咲き誇っていることが分かる程です。


ご興味あれば、いつでもお越しください。喜んでお分けします。


気まぐれ花屋より





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2022年4月24日日曜日

円満の笑み

 





今年に入って初めての草刈りをする。草刈り機の音にトンカが怯えるのではないか、ちょっかいを出して危なくはないか、などと心配していたが、雑草は成長を待ってはくれない。ぐんぐんと威勢よく伸びていく茂みを見ながら、今週末に手を入れないことには、来週末には凄いことになっていると判断。


早朝の散歩をしたからか、トンカは最初こそ物珍しそうに草刈り機を見ていたが、作動し始めても怯えもしなければ、大騒ぎもせず、いつの間にか姿を見せなくなった。どうやら疲れて、お気に入りのソファーの背もたれの上に猫の様に寝そべって、昼寝をしているようだった。


なんだかはぐらかされてしまったように思われた。なんだ、バッタ達と一緒ではないか。まあ、いいか。これで心配なく草刈りに従事できる。青臭い香りが周りに立ち込めてきたかと思うと、月桂樹の近くでは爽やかな香りとなり、どんどんと小綺麗になっていく草地が清々しい。


去年蔦と格闘した場所には、柔らかな雑草が生えていて、黄色や紫色の小花をつけている。とんがりコーンよろしく、リラの花房がむっちりとした形となってきており、薄紫、赤紫、純白、とそれぞれ微妙に違った甘酸っぱい薫りをまき散らしている。


草刈り機に付随している籠に刈り取った雑草がいっぱいになると、籠を取り外し、雑草を大きな紙袋に詰めていく。この作業を黙々と何度も続ける。庭がこざっぱりしてきた頃に、ルージュゴージュが遊びにきた。そうかと思うと、でっぷり太った鳩君たち、ピイまで遊びに来始めた。


最近、鳥たちを見なくなったと寂しがっていたが、草刈りによって地面が見えやすくなったからだろうか、かつてのメンバーが次々に顔を見せに来てくれている。リラの花の香りも、一層濃く立ち込めている様に思われる。


久々の肉体労働に腕や足に心地よい疲労感を味わいながら、大いに満足し円満の笑みを漏らす。



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2022年4月22日金曜日

森の精

 






トンカの母親は純白の生粋のゴールデンレトリバーだが、父親は分かっていない。森の精だなどと冗談で言ってはいるが、時々、本当にそんな気がする時がある。

夕方、そろそろ散歩がしたい時間になると、真っ黒の濡れた鼻を膝に押し付けてくる。そうね、そろそろ終わろうか。コンピューターの電源を切るまで、じっと鼻を押し付けて待っているのだから参ってしまう。

車に慣れるように、と時々車で、時々リードをつけて森まで行って、そこからリードを外してあげると、水を得た魚のように軽やかに走り、森の中を駆け回る。そんなトンカの様子を見るのが楽しみになっている。

トンカは思った以上に慎重で、先を走って行っては、確認するかのようにこちらを見る。大丈夫だよ、と頷くと嬉しそうに駆けていく。

最近は、ちゃんと自転車やランナーの後を追わなくなっているし、歩いている人にも、突然飛びかかることもなくなっている。仲間の犬たちに対しては、色々と学習中、と言っておこうか。

ブルーベリーが幻想的に咲き乱れている森で、走りまわるトンカを見ると、森の精そのものではないか、と思えてならない。そう、父親は森の精に他なるまい。



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2022年4月18日月曜日

トスカーナの群青の空

 







何度目の挑戦になるだろうか。弾力性のある、塩味がぴりりと効いていて、ガーリックの香りとタイムやローズマリーのハーブの香りが絶妙に混じり合い、オリーブオイルの独特の奥行ある味わいが、イタリアはトスカーナの群青の空に誘う、そんなフォカッチャを作りたかった。


一回目は発酵が足りなかったのだろうか、イタリアのピザのように、しっかりと噛んで味わい、さくさくの歯応えを楽しむものに焼き上がってしまった。息子バッタ曰く、それはそれで美味しい、と。


しかし、ピザを焼きたいわけではない。ピザならトマトソースをベースに塗り、ハムやシャンピニオンを散らし、その上にモッツァレラ、エメンタルなどをふんだんに使い、仕上げにバジルの葉とオリーブオイルを振りかけた、そんなものを作りたい。生地は薄く、ぱりっとしたものがいい。


そう、ピザではなく、切り分けると熱々の湯気がハーブとガーリックの香りをぱっと引き上げる、そんなフォカッチャを作りたかった。口にすると、オリーブの得も言われぬ味わいがトスカーナの葡萄畑を想起させる、そんなフォカッチャ。


二回目はケチで節約を重んじる我が精神を制御し、オーブンを40℃にセットし、しっかりと生地の発酵を促した。レシピ通りに、いや、それ以上に長く、力強く丹念に生地を手で捏ねもした。それなのに、結果は前回よりは膨らんだものの、硬く焼き上がってしまう。味には問題がない。しかし、どうあがいても、ナイフで切った時に香りが立ち上がらない。


毎回試食をすることになった息子バッタから、普通にパンを焼けばいいではないか、とまで言われてしまう。ママ、もうフォカッチャはいいよ、と。


そんな彼の発言に動揺して、挑戦を止めてしまう程の柔ではなく、むしろ、上等じゃないか、次回を味わって驚くなよ、なんて思い、むしろ改善策を考え、改めて挑戦してしまうのだから質が悪い。かくして、息子バッタの悲鳴が続く。


二次発酵が足りない、そんな思いがしていた。トスカーナの陽射しはないが、庭には長女バッタが昨年植えたローズマリーやタイムが香り豊かに濃厚な緑の葉を伸ばしている。オリーブオイルも香り高きバージンオイル。小麦粉はBIOの国内産の小麦を使ったもの。役者には不足はない。


柔らかな陽射しの下で生地発酵を狙おうかとも思うが、トンカが黙っていないだろうし、近所の猫君や鳥たちも大騒ぎするに違いない。じっくりと時間を掛ける、その余裕がないことが原因に違いない。食事が始まる30分前に焼き始めれば完璧なので、タイミングを逆算して考える。特に二次発酵の時間をたっぷりと取る必要がある。


それに、イースト菌をぬるま湯でしばらく溶かし発酵させる必要があるのではあるまいか。


改善点は驚くほどにたくさん出てくる。毎回少しずつ違ったことをするので、毎回違ったフォカッチャもどきができる。今回はどうだろう。思い切って二次発酵の際に湯煎をしてみた。ふんわりと膨らめ、膨らめ、と。


卸したガーリックとタイムの葉、粗塩、オリーブオイルをしっかりとまぶして生地を焼き、ローズマリーは最後の飾りに使うことにした。


え?まさか、またフォカッチャ?


息子バッタの素っ頓狂な声が聞こえてくるが、無言の笑顔で応える。まあ、食べてみてよ。


あ!すごい、ふわっふわだよ。美味しい!今回のが一番美味しいよ!


ふっふっふ。どう?トスカーナの空の透明感のある青さといったら!



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2022年4月16日土曜日

歓喜の歌声

 





オートマ車で出来ることなら、マニュアル車で出来ないことは無い、そう宣言した息子バッタの言葉を信じ、かつ、他に手立てもないので、ガレージの前の狭い下り坂をクリオを前進させ、ヤリスの前に停めた。なるようにしかなるまいが、なんとかするしかない、と腹を括った。


ヤリスのフロントカバーはいとも簡単に開いた。動画で見ていた通りの場所に小型の補器バッテリーが鎮座している。なんとかなりそうな気がしてきた。クリオのトランクに常備しているブースターケーブルを取り出し、軍手で先ずは赤のケーブルをヤリスのお洒落なプラス端子の溝にクリップではめる。トヨタは本当にうまく設計されていて、丁度クリップがはめられるサイズの溝があることに、感心してしまった。一方、フランスの誇るルノーはどうだろう。クリオのバッテリーのプラス端子は丸くでかく、クリップで挟めるに問題はなかったが、ややもするとクリップが外れそうになるので冷汗ものだった。


次は黒のケーブルを手に取る。これをクリオのマイナス端子に繋ぐのだが、クリップが上手く嵌ってくれない。何度もクリップが外れてしまう。こんなことでショートする筈がないとは思うものの、もしものことを思うと汗が出てきてしまう。何とかごまかすように嵌めると、今度はヤリスのマイナス端子に。ヤリスの場合はボディーアース、つまり鉄の部分ならどこにでも良く、クリップを噛ませるだけでオーケーとのこと。


上手くケーブルが繋がったので、次はクリオのエンジンをガンガンに噴かせることにする。どうだろう。ここは勢いでやるしかあるまい。なんだかヤリスの方からラジオの音が聞こえてきている気がする。が、ディーゼル車クリオ君のエンジン音がうるさすぎて確認しずらい。5分経ったころに、エンジンを止め、ヤリスを見に行ってみると、しっかりとパネルに電源が入っているではないか!大成功。


ゆっくりと慌てずに、ケーブルのクリップを設置した順番から逆に外していく。ヤリスの電源がなくなる前に走行せねばなるまい。急いでクリオに飛び乗ると、深く考えずに坂道発進でバックをし、クリオを狭い坂道から抜け出させる。勢いとは素晴らしい動力であり、迷いがないとやれてしまうものである。まったく問題なくクリオを平坦な場所に移動すると、今度はヤリスに戻り、ブレーキを踏みながらスタートボタンを押す。柔らかなエンジン音が聞こえてくる。なんて優しい子なんだろう。ディーゼル車クリオの後だと、微かな振動が感動にも似た感情を引き出すのだから驚いてしまう。


ハイブリッド車はどんな状態の時にエンジンを使い、どんな状態の時にバッテリーをチャージするのか、下調べをしておけばよかったが、ここはとにかく運転するしかあるまい。夕食時の街は夕闇が迫る前で柔らかな光が残っている。行き交う車は家路を急いでいるのだろうか。


人生やっぱり捨てたものじゃない。こんなちっぽけなことなのに、こんなに満足感が得られるのだから。何事だろうと訝っているトンカが待つ我が家への帰路を、円満の笑みでやさしくアクセルを踏む。快いエンジン音が微かな振動を伴い、生きていることへの歓喜の歌声のように静かに響いてきた。



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2022年4月15日金曜日

鉄の塊と化した預かっているハイブリッド車

 





夫婦で日本駐在となり不在にしている親友の車を預かっている。彼らがいつ来ても、すぐに使えるようにとのことだが、時々使ってもらった方が車の調子が維持できるとかで、運転許可が下りている。にんまりと笑った親友の顔を思い出す。彼女が保険をちゃんと切り替えたとは考えにくく、遠出はできないなと思っていた。


11月に旦那が突然出張とかで戻ってきて利用し、その後ノエルの時期にイギリスに留学中の息子君が戻ってきて使っている。1月に彼が返しに来て、ガレージにバックで入れる自信がないからと、私が引き取り入れている。従い、最後に彼らの車を使ったのは私。


何故くどくどと思い出しているかと言えば、私が愛車クリオで末娘バッタを寮に送っている時、長女バッタがどうしても車を使いたいからと、親友夫婦の車の利用許可を打診された。そろそろ動かした方がいいかもしれないと思っていた矢先、願ってもいない好機と許可を出す。


ところが、家に戻ってくると長女バッタが待っていましたとばかりに、玄関で待機していた。そして、友人の車が動かないと一言告げる。


おっと。預かっている車が動かないということは、バッテリーが上がってしまったのか。ケーブルでクリオのバッテリーと繋いで、息を吹き返すしかないか。それよりも、ガレージの入り口は狭い坂。ここにクリオをフロントを前にしてぴったりと付け、その後坂道発進をしてバックで戻らねばならないが、技術的に可能なのだろうか。友人の車のバッテリーの場所はどこだろうか。そんなことが矢継ぎ早に頭を巡る。それよりも、ひょっとしたら長女バッタが友人の車のスタートに単に失敗しただけなのかもしれない。なにせ、最近流行りのハイブリットで、鍵を入れる場所なんてなくて、ブレーキとスタートボタン一つなのだから。或いは、電子キーの電池が無くなってしまっているのではなかろうか。


今度はため息をつき、悪態をつく友人の顔が浮かんだ。10年間一度も問題を起こしたことがないと言って、トヨタ車をベタ褒めし、惚れ込んでいた。ああ、簡単に預かってしまったが、問題が発生してしまっているではないか。


とにかくも、現状確認せねば。電子キーを持ってガレージの中で鎮座しているヤリス君に近付く。ドアは開くことができて、スタートボタンを押してみるが、なんだか変な電子音がするだけで、躍動感など一切伝わってこない。あたし、もう、ダメです、と言っているような気さえしてくる。まさか、前回ちゃんと電源を落としていなかったのだろうか。


長女バッタが戻ったら、クリオと繋げてみないとなるまい。それよりも、マニュアル車クリオのバックでの坂道発進は可能なのだろうか。


頭の中でシミュレーションしてみる。エンジンをふかす音がなり響くだけで、タイヤが動かない。汗がじっとりと出てきてしまう。


息子バッタに話をしてみると、オートマ車なら坂道をバックで運転できるのかと聞かれる。そりゃあ、問題ないっしょ。そう答えると、それならマニュアル車であっても問題ないはずだ、と切り返される。そういうものなのだろうか。オートマ車とマニュアル車の違いについて、彼が説明をしてくれるが上の空で、今度はケーブルでバッテリー同士をつなげることに思考がいってしまった。


トヨタ車といえば、近所の散歩仲間の彼女がいるではないか!それこそ、彼女も同じ車に乗っている。相談しない手はあるまい。


電話を入れてみると、彼女も親友と同じことを言った。これまで一度もトラブルを起こしたことがないので、エンジンがかからないことはなかった、と。加えて、彼女が恐ろしいことを告げた。ハイブリッド車にバッテリーはない、と。エンジンが掛からないのであれば、トヨタのガレージに連絡をしてレッカーしてもらって、みてもらうしかない、と。保険は大丈夫か。保険会社に連絡を入れるべきだ、とも。


なんてこと。そうなると、東京にいる友人に連絡を入れねばならないではないか。改めて、彼女が悪態をつく場面を想像してしまう。東京は未だ夜。穏やかに寝ている彼女を起こすわけにはいくまい。頭を抱えるニュースで朝目覚めさせるわけにもいくまい。


取り敢えずは寝て考えるか。明日には何かが見えてくるかもしれない。早々に寝てしまうことにした。ベッドの中で、携帯でハイブリッド車がスタートしない時の原因そして対応策について検索してみる。さすが天下のトヨタ。しっかりと分かりやすく説明したサイトにヒット。対応については動画まで揃っているではないか。ハイブリッドであっても、小さいがバッテリーがあるらしい。なんと!やはりちゃんと自分の頭で考え、行動せよとの啓示に違いあるまい。ケーブルでのバッテリー充電なら経験豊富でお茶の子さいさい。


なんとなく光明が見えてきたところで、寝入る。



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2022年4月14日木曜日

森の魔術

 





就寝前に夜の庭に出て一周することが日課となっている。夜桜を楽しむなんて余裕はなく、あの子がどこを歩いていて、何をちゃんとしたか確認することにあらゆる神経を集中している。


それでも、ほんのりと甘やかな香りに足を止める時がある。仰げば、さくらんぼの大木にぼんぼりのように花が見事に咲き誇っている。最近は甘い香りがぐっと強くなっている。ついこの間雪が降ったことなんて嘘のように気温が上昇しているので、リラの蕾が色付き始め、香りを放っている。


勝手口から出入りするようになってしまったので表玄関を使うことは稀だが、濃厚な甘い香りを放つヒアシンスなど、暗闇でも、その存在感に圧倒されてしまう。今はチューリップが色とりどりにかわいい丸い蕾を膨らませて、玄関に春を運んでいるが、香りの存在感はない。その代わり、強烈な色彩は夜でも大いに人目を引く。自然界は本当にうまくできているものだと感心してしまう。


一日中雨が降っていたことが嘘のように晴れて来た夕方、トンカが真っ黒の濡れた鼻を膝に押し付けてきた。そろそろ仕事を終えようよ、との合図。森に行ってみようか。


どうだろう。この5日のうちに、森は木々の新芽が芽吹き始めて、がらりと様子が変わっていた。トンカが本領を発揮する小径に入ってみると、一面紫色の絨毯。思わず足を止めてしまった。


はるか昔となってしまった留学時代を思い出す。キャンパスはパリの郊外にあったので、早朝授業に間に合うように、時には夕方の電車に間に合うようにと、キャンパスのある丘と村の駅までの間、森の中の近道を通ったものだった。あれは夕闇だったのか、或いは朝の靄の中だったのか。急な斜面が一面紫で覆われていて、その幻想的な様に言葉を失ってしまった。


今、その紫の絨毯が一面に目の前に広がっている。その神々しさに、動けなくなってしまった私のところに、早々とすっとんで遠くにいたトンカが弾丸のごとく戻ってきて、のんびりと土の香りを楽しみ始めた。


ゆっくりと歩みを前に進める。



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2022年4月13日水曜日

我が子が幼稚園に入り立てのママの気分

 



これまで私が自宅を不在にする日には長女バッタと息子バッタがトンカを見てくれていた。週に2回程度なので、それぞれ1日ずつ。ところが、永久に続くことは本当に世の中にはなく、息子バッタの企業研修に伴い、そのルーティーンが壊れることになってしまった。


企業研修といっても研究室での研究、しかもコンピューターを使っての比較的独立した研究。なんとか1日ぐらいひねり出してくれないものかと思ったが、それは素人考えだったらしい。しかも、息子バッタは非常に真面目なところがあり、バッタ3匹の中でも一番時間に正確。自宅で仕事をすると、どうも気が緩んでしまうし、研究職で横との繋がりが特に求められていない職種だからこそ、実際に研究室に赴き、皆と会話し、ランチをとることで得るものが大きいと力説されてしまった。


かたや同じく研究職の長女バッタ。彼女の場合は大学での講義があったり、彼女自身が講義することもあったりする。従い、毎日研究室に行くことができないからこそ、行ける時には行きたいと言われてしまう。が、そこは融通の利く柔軟性を持ち合わせていて、週一だけはトンカを見てくれると保証してくれた。


トントンを一人でお留守番させることを視野に入れねばならなくなってしまう。未だ一日三食のリズムだし、植木鉢は取り払ったとはいえ、サロンにはピアノ、楽譜、書籍、バッタ達のファイル、グラスの入った戸棚、などなど、いたずらしようと思えば、遊べるものが沢山ある。これを全部とっぱらって、無味乾燥な部屋にするなんて考えられないし、この雑なようなサロンにこそ調和があり、癒しがあるのではないか。


さてさて、どうしたものか。


毎週末一緒に森の散策に行く、犬の師匠と仰ぐ友人にお伺いを立ててみる。彼女は大型のプードルと小型のポメラニアンを飼っている。トンカと彼らが遊ぶ姿は、本当に楽しそうでこちらまで嬉しくなってしまうのだが、さすがに3匹を面倒見るのは大変な労力だろう。分かっていながら、お願いをしてしまった。


師匠は、プードル君が12歳の老犬なので、1歳にならないポメラニアンとトンカがふざけ合ってうるさくて、彼が静かに過ごせないのであれば、ちょっと考えなければならないが、基本的に喜んで預かりましょう、と、笑顔で返事をしてくれた。


師匠のもとで、トンカも学ぶことは大いにあるし、こんなに嬉しいことはない。感謝をしてもしつくしきれない。トンカよ、悪ふざけし過ぎないでね。


さて、当日。そっと朝家を出る。早起きのトンカは朝ひと仕事を終え、朝食で腹を満たすと、また寝入る習慣がある。私が家にいる時は、パールマンのパガニーニ、メニューインのバッハ、アンソフィームターのモーツアルト、グレングールドのバッハなどを聞きながら。


師匠がその後、ご子息を学校に送りがてら、ちょいと我が家に寄ってくれて、トンカを連れて行ってくれる手はずとなった。そして、一日預かってくれ、ご子息を迎えに学校に来がてら、またポンとトンカを我が家にドロップしてくれる。


朝からそわそわして、それでなくても大変だろう師匠に様子伺いのメッセージを送ることを控えるのがやっとだった。それがお昼ごろ、トンカ達が楽しそうに森で遊んでいる写真が送られてくる。しかも、動画付き。よく見ると柴犬が仲間入りしている。どうやらその柴犬君のママが動画を撮ってくれたらしい。ああ、トンカがちゃんと師匠の指導に従っているじゃないか!


嬉しくて、安心して、バッタ達にもその動画を送り、悩みを伝えていた近所の散歩仲間の友人にもついでに嬉しくて送ってしまう。「気分はすっかり我が子が幼稚園に入り立てのママじゃん」と友人が返信。


午後は出来るだけ急いで、予定よりも小半時間早く帰宅。我が家はひっそり閑としている。鍵を開けて入り、キッチンのドアを開けると、弾丸が飛び込んでくる。師匠が家にドロップしてくれてから、2時間程度。サロンに惨状は一切なく、お利口さんで、昼寝をしながら待っていてくれた様子。


友人ではないが、確かに、我が子の成長を嬉しく思う母親の気分。トントン、偉いよ!師匠にお礼の電話を入れなきゃ!



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2022年4月10日日曜日

感動のしっとり、ふんわり、ボリュームたっぷりロールケーキ

 





ふんわりとした弾力あるスポンジ生地に、爽やかな甘みのクリームがたっぷりと入ったロールケーキを作ることが夢だった。サイズを欲張るからなのか、いつもスポンジ生地は味こそ良いが薄っぺらいものになってしまっていた。クリームにしろ、ホイップが十分でなく、でろりとクリームが出てしまい、上手に巻けずにいた。そこで、チョコレート、ベリーなどデコレーションでカバーをしていた。


そんな時に、「皆さん元気ですか!チョコレート食べてますか?」の冒頭の挨拶でおなじみのショコラティエ、江口和明さんの動画が目に留まった。


”しっとりロール”の本当に崩れないプロの巻き方!!ロール専用のクリームと合わせて公開します”


江口さんは本当に丁寧に細かく作り方を説明してくれるだけでなく、論理的な解説を施してくれるので、彼のレシピ動画は非常に勉強になる。成程そうなのか、と納得しながらなので、実際に自分で作る時に覚えていることも嬉しい。ショコラティエなので、レシピのどこかにチョコレートが入ることがミソなのだが、このしっとりロールの部分はチョコレート無し。卵白を撹拌する前に必要な砂糖をいっぺんに入れてから、メレンゲを作ることにどうやら鍵が隠されている気がする。それと、最後に混ぜる牛乳も、やや温めてからといった正にプロならではのきめ細かさ。


早速挑戦してみる。クリームはホワイトチョコレートと蜂蜜で風味をつけたもの。こちらの方が正直思ったようにホイップできず、かなり自己流になってしまった。


それよりも、スポンジ生地。しっかりと硬く泡立てたメレンゲの一部を卵黄に混ぜ、今度はそれをメレンゲに入れてしっかりと混ぜ合わせる。篩った小麦粉をいっぺんにいれて、これもしっかりと混ぜ合わせる。硬く泡立てたメレンゲは、ちっとも泡が潰れることなく、しっかりと生地は混ざっていく。最後に温めた牛乳を入れるのだが、これもメレンゲ生地の一部を牛乳に入れてとろりとさせたものを、メレンゲに入れてしっかりと混ぜ合わせる。


200℃で予熱したオーブンを180℃に下げて、バットに入れた生地を15分焼く。

驚くほどきれいな焦げ色がつき、スポンジも弾力性あるものが焼き上がった。大成功。

作り方の詳細、そして巻き方のコツは是非江口さんの動画をご覧あれ!その通りに実行すれば、確実に感動のスポンジが焼けること請け負おう。


くるりと巻き上がったロールケーキに、飾りなど必要なくも思えたが、せっかくなので苺とフランボワーズを添える。甘酸っぱい香りに誘われてトンカが鼻をひくひくさせて興味津々にしている。


ついつい、真っ赤な苺を一つ、お手をしたトンカの口元に差し出してしまった。ちゃんと味わっているように思えたのも一瞬、ぐぐっと飲み込んでしまって、また嬉しそうにもう一つおねだりする。もうちょっと味わって欲しいところだけど、本当のところはどうなのだろうか。庭で雑草やら胡桃を食べているのだから、苺の一つ大丈夫だろうとは思うが、美味しいと思っているのだろうか。


一方、バッタ達は皆、今回のシンプルなロールケーキを絶賛してくれた。一切れ、真向いのマダムに差し入れしたことは言うまでもない。にんまり。江口さん、ありがとうございます。


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2022年4月9日土曜日

環境が子を育てる

 






バッタ達3匹を育て、皆それぞれ二十歳を過ぎてみてしみじみと思うことに、同じ両親で、育った環境も同じなのに、よくここまで違った性格と特徴を持ち合わせたものだな、というものがある。確かに、初めての子供や、末っ子、真ん中の子、といった産まれた順番は大いに影響があることは、今更私が言うまでもあるまい。



逆に、トンカ、という、当たり前ながら全く違う親を持ち、特に父親が森の精だなどと言っている謎の出自を持っている存在を我が家に迎えて、これまたしみじみと思うことがある。環境が子を育てるとは確かなことだな、と。



夜更かしはしないし、朝は日の出前に起きる、といった単純なことでも、間食はしないとか、人が食べている時に物欲しそうにせずに、武士は食わねど高楊枝、の精神を持っている、とか、そんなありきたりなことではない。



とにかく、トンカは料理好き。何にでも興味を示すし、鼻を突っ込みたがる。包丁で何かを刻み始めたら、いつの間にか横に並んで、じっと見ている。冷蔵庫なんて、開けた途端にトンカの鼻が冷蔵庫の品揃えを値踏みしている。珈琲を淹れている時など、トン、っと背中を突かれる。



子犬は皆そんなもの、ということかもしれない。



いやいや、すっかり我が家の子。ね、トントン。




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2022年4月5日火曜日

森の精

 





冬に逆戻りした様な寒さながら、太陽の陽射しが嬉しい週末。長女バッタ、息子バッタ、そしてトンカのメンバーで森に散歩に出かける。森の入り口までは車で行くことにしたので、後部座席には長女バッタとトンカが収まった。長女バッタの面倒見の良さは前々から知っていたが、ちゃんとトンカにもシートベルトをつけて、動かないようにしている様子には感心してしまった。どうやって言い聞かせるのか、トンカも嬉しそうに収まっている。


バッタ達にとってトンカと森の散歩は初めてのこと。森に入った途端にトンカのリースを外してあげたことに、びっくりして心配していたが、トンカがちゃんと一緒に道を小走りに歩いている様子に逆に驚いていた。森の中のトンカは、いつもの甘えん坊トンカとは別人のよう。嬉しそうに耳はやわらかに後ろに倒れているので、トンカの歩くテンポに合わせてぴらぴらと動く。時々道草をするので、トンカ!と声を掛けると、さっと走ってくる。


初めて森に来た時に比べて、なんて安定感があるのだろう。開けた道ばかりを選ばずに、ちょっとした小径に入ってみる。畔や畝をひょいひょいと飛び跳ねるトンカにとり、森は最高の遊び場。トンカが一番輝ける場所かもしれない。


トンカのパパが森の精というのは、あながち間違いではないかも、そんな気になってしまう。



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2022年4月2日土曜日

全面降伏

 





我が家のサロンから物が消えていく。先ずはペルシャ絨毯と部屋が大きくなる魔法のモロッコ絨毯。その代わりにIKEA絨毯となったが、二枚のうち一枚小さめの方は既に丸めて玄関ホールに退避させている。末娘バッタが作った黄金色のクッションも玄関ホールにて避難チームの仲間入り。そこに昨日は赤いハートの形のクッションが付け加えられた。


どんなにダメだと言ってもちっとも聞いてくれない。パイナップルの尖った葉先はトンカの歯型がくっきりと全てについている。それだけならまだしも、アボカドの植木の被害といったら!最初は表面の土が時々無くなる程度だったが、そのうちに葉っぱが下の方から順々に無くなっていき、土が掘り起こされるようになってきた。


NON !と言って止めるとトンカの好物の煮干しをあげてきていた。どうやら、その効果はちっとも認められない。NON !と言う度に戸惑った顔で近づいてくる。おりこうさん、そう、やめてね、と言うと不思議そうな顔をするだけで、また同じことを繰り返す。


何度土を植木鉢に戻し、雑巾で床を拭き掃除したか。何度掃除機で散らばった土や埃を吸い込んだか。植木鉢の場所も私の目が届くところに変えてみた。何度か外に連れ出して閉め出してみた。一度はキッチンに閉じ込めたつもりだったのに、鳴き声が聞こえないので不審に思ってドアを開けてみたところ、なんと玄関ホールに繋がるドアが開いていて、ちゃっかり玄関で靴を噛んで遊んでいたこともあった。


もう、これは仕方がない。声を張り上げちゃダメだとか、怒鳴ってはいけないとか、専門書や専門家の動画では言っているが、こちらの精神がだめになってしまう。ああ、我が家に来たことも運命と思って受け止めてくれよ、トン坊。心を無にし、黙々と掃除をしてきたが、トンカが目の前で植木鉢に鼻を突っ込むどころか、手まで入れてほじくり返した時に、堪忍袋の緒が切れた。


今回はドアがきっちり閉まっていることを確認した上で、トンカをキッチンに閉め出す。そして、天井まで届く程育っているアボカドの植木を玄関ホールを伝って別の部屋に移動。トンカがぶんぶんと齧っているクッションを幾つか避難所に避難。キューンキュン泣いているのも無視し、床の雑巾がけをする。空気を入れ替え、さっぱりとしたところで、トン坊を迎え入れる。笑顔なんて勿論見せない。


一瞬にして何かが違うと察知した様子。大好きなクッションもなく、いたずらできる植木鉢もなくなってしまった。呆然と立ちすくむトン坊。こちらは、一切反応を無視して仕事に没頭していた。ちらりと横目で確認すると、仕方なくお気に入りのマットに座り込み寝入ることにしたらしい。が、むくっと立ち上がる、静々と近寄ってきて、何と顎を膝に乗せてきた。これにはさすがに参ってしまった。その日はいたずらばかりで一切甘えてこなかったのだから。


分かっていないようで、実際はちゃんと色んな事が分かっているじゃないか。大丈夫だよ。もう怒っていないよ。そう言ってトンカを膝に乗せてあげると、安心したのか指をぺろぺろと舐めて、ぐっすりと寝入ってしまった。嗚呼、参りました。全面降伏いたします。



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