2023年1月31日火曜日

時にはシンプルに

 







時々、かしっと歯ごたえのあるビスケットが食べたくなる。バターたっぷりの味わい深いものも悪くはないが、素朴で、ちょっと塩味が効いていて、ハーブの香りがするビスケットは、地中海の青い空と碧い海を思わせて心をそそられる。


実は最近、スケールの調子が思わしくない。電池を交換する時なのだろうなとは朧げに思うものの、あまりにスマートで薄手のスケールは、どこをどうひっくり返しても電池を交換する場所が分からないので、そのまま労わるように、機嫌を取りながら使っている。


そんなものだから、先日小麦粉を量った時、スケールの表示通りしたものの、あまりにおかしいと二度量り、100グラムは余計であったことが判明し、別に取っておく羽目になった。紙袋に入れ戻せばよいのだろうが、相手は粉であり、どうも一度出したものを戻すのも気が引けた。


そうして、100グラムの小麦粉はヨーグルトのカップに入れられ、野ざらし状態になってしまった。何かの時に使おうを思っていたものの、その何かの時がない。打ち粉として、と思っても、パイ生地を作るわけでも、パンやピザを焼くわけでもない。ましてや、手打ちうどんを作る状況にもない。


乾燥しているから虫が簡単に湧くことはあるまい、と高を括っていたが、そうだ、この小麦粉でビスケットを焼こう、となった。バターではなく、オリーブオイルを使おう。ハーブや香辛料をたっぷり効かせようかとも思ったが、ここはシンプルに、オリーブの香りのみとしよう。


そう、時にはシンプルに。



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2023年1月30日月曜日

それぞれの事情





 


私が犬好きだと思ったからか、先日知り合いから3ヶ月の柴犬の子犬の引き取り先を探しているので、心当たりがないかと連絡があった。


柴犬といえば、バッタ達の学校関係の知り合いで、柴犬を飼っていて、その溺愛ぶりがつとに有名な女性がいた。その柴君は10歳を迎えた頃から耳が悪くなってきていて、いつもの散歩道を歩いている時に、車に轢かれて死んでしまった。その話を聞いた時には衝撃を受けた。その時はご主人が散歩に連れて行っており、その帰りだったという。愛犬を目の前で事故に合わせてしまったことで、どんなにか自分を責めたことだろう。


柴犬の子犬が飼い主を探している。しかも飼い主が、週日は毎日仕事で外出、週末も家にいないことが多く、散歩に連れ出すこともままならず、犬を飼うことがこんなに大変なことだとは自覚していなかった、というのだから聞き捨てならない。


柴君がこの世を去って、既に3年ぐらいが経っている。ひょっとしたら、今回何かの縁かもしれない。知り合いの女性も最初は気になって連絡を取って来た。しかし色々な事情があって、結局は上手くはいかなかった。そのうちの大きな理由の一つに、柴君を亡くした女性が心情的に別の柴君を飼うことを拒否したことが挙げられる。


会えばトンカをこの上なく可愛がってくれているので、正直新たな犬を迎えることに、そこまで抵抗があるとは思っていなかった。ところが、全くの別件で我が家に遊びに来てくれた際に、例の仔犬の話になった途端、はらはらと涙をこぼし、泣き崩れてしまったのである。自分には、あの子しかいないし、あの子を裏切ることはできない、と。


そして、ご主人が散歩をしていた際に、携帯を見ていて耳の悪い柴君や車に注意を払っていなかったこと、交通事故の後、獣医から安楽死、緩和治療、家庭でのターミナルケアの3つの選択肢を提示されたこと、ご主人も周囲の犬仲間も全員が安楽死を勧めたこと、などを、とつとつと語ってくれた。


彼女が尊敬する日本の獣医師に電話で相談したところ、安楽死をさせると魂は浮かばれない、と伝えられ、家に引き取って最期をみとったこと。結果三ヶ月の間苦しませてしまったこと。それでも、魂は安らかにある、そう思っていること、などなど。


私には掛けられる言葉がなかった。


皆それぞれの事情があり、色んな思いを抱えて生きている。



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2023年1月28日土曜日

凡夫のつぶやき

 






長女バッタから、イタリアの研究機関の研究職のポストに採用されたと連絡が入った。彼女の研究分野では非常に注目されている機関らしく、大いに喜んでいる様子が手に取るように伝わった。採用を伝えるメールの一部を転送しての報告だったので読んでみると、満場一致の高得点で採用が決まった旨書かれていた。これまでの彼女の経歴は素晴らしく、インタビューで見せた深い洞察力と鋭い切り口での考察に皆が感心したとのこと。


振り返れば、三人の子供たちの中で、研究職になるなど一番思っていなかった。中学の頃に、夕食後半泣きで数学の問題が分からないと言ってきたことがあった。聞けば、明日が試験だという。実は、その夜、私自身やりたいことがあった。


ぱっと問題を見て、簡単に教えられる内容ではないと判断。寝不足になるよりは、しっかりと寝て、翌朝気持ちよく試験に臨むべきだと諭し、寝るように仕向けてしまった。なんと自己中心な母親だったのか。


翌日、改めて問題を一緒に取り組むことはなかったように思う。恐らく長女バッタは、ママには聞いても仕方がないと思ったのだろうし、私は私で、別のことで既に頭が一杯だったのだろう。大袈裟なようだが、これまでの人生の中で後悔していることの一つである。


それなのに、長女バッタは自分の力で多くの難題を解決し、困難を克服し、掃き溜めに鶴のごとく美しく、力強く育った。その彼女が羽ばたく時。


嗚呼、娘よ。母はあなたを誇らしく思います。


そして、同時にとても寂しくも思います。あなたの旅立ちを思うと、こんなにもおろおろとしてしまう、情けない母親です。高校卒業と同時に、スーツケース一つで海外に飛び立っていったあなた。世界中のだれよりも応援しているし、何かあれば、すぐさま駆けつけるからね。



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2023年1月26日木曜日

本来の姿

 






明け方に入ってから霧のように細かい雨が降ったのだろうか。地面はしっとりとしていたし、原っぱの芝生は柔らかく濡れそぼっていた。


雨は匂いを洗い流すのではなく、水分が蒸発することで、むしろ匂いを引き立たせる役割をしているようだった。トンカの歩みは一向に進まずに、ひとところに留まりがちで、付き合ってあげたい気持ちと、朝の忙しない気持ちとが心の中で拮抗していた。


夕方なら、たっぷりと付き合ってやるからね、と先を促す。森の中では自由に駆け回り、思う存分好きなことをしているからか、意外に聞き分けがいい。


そう、森の中では鹿の群れを追ったり、飛び立つ雉を追い回したり、猪の家族の後についていったりしている。深追いだけはしないでおくれよ、と走り去る背中に声を掛けるが、届いているのだろうか。


目の前をどでかい黒い塊が、どどどどどーっと物騒な音を立て、しかも猛スピードで駆け抜けた時には、さすがに度肝を抜かれた。そして、その後ろをこれまた猛スピードで追っているトンカの姿を目にした時には、愕然とした。嗚呼、トン!お前さん、相手は牙を持っているんだよ。


思い切りが良いのだろうか。猟犬としての本能に目覚めていないのか、今のところ暫くすると無傷で戻ってくる。本人は一緒に遊びたい思いの方が強いのだろう。しかし、不思議なことに、これが相手が犬だと先ずは相手を見定めるために立ち止まり、警戒する。相手が複数であれば、時には逃げる時さえある。それなのに、見ず知らずの鹿や猪相手となると、立ち止まって考えるよりも先に体が動いているように思われる。本能のなせる業なのだろうが、一体どういうことなのか。


丸い無邪気な瞳を向けて甘えてくるトンカだが、何かを追いかけて本能のままに疾走している姿の美しさに心打たれるし、それが本来の姿なのではと思ってしまう。いやいや、ちゃんと戻っておいでよ。待っているからね。


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2023年1月25日水曜日

いざ出陣

 







朝6時、未だ闇の世界が支配する時間に起きて、それでも朝を感じる新鮮な空気を楽しみながら散歩をする。それから急いでパリに行くために、駅までのバスに遅れないように家を出る。無駄に玄関に明かりをつけて、騒々しくしてトンカを刺激しないように、本当にそっと、そっと出掛けることにしている。


バッタ達の時もそうだった。彼らが未だベッドでぐっすりと安心して寝ている時に出ていく。もしも起きてきたら、声を掛け、様子を見て、着替えを出したり、朝ごはんの心配をしたり、忘れ物がないか確認したくなったり、いつの間にか時間が過ぎてしまう。そして、何か思い切りの悪い思いを心に残して出掛けることになり兼ねない。


だから、お互いの平安の為にも、そっと出掛けるに限る。


そのためには、玄関に既に鞄を用意しておくのが常だったし、靴も、すぐに履けるように、いつもの場所に置いてあった。


その日も、いつものように、そっとオーバーを着て、靴を履き、カバンを取って出掛けるところだった。ところが、どうも靴紐がいつもより長い気がした。それどころか、靴が大きいではないかと思った。バスの時間までに余裕があるわけではなかったので、靴紐は最悪バスの中で直せばよいかと、玄関を出て歩き出した。


街灯の明かりで、履いている靴が運動靴で、しかも週末に来ていた末娘バッタが、森に行くために汚れても良いようにと使ったものであることが判明した。それは末娘バッタのものどころか、息子バッタのもの。


ここで引き返したら、バスに乗り遅れることは必至だった。それどころか、静かだったトンカが何事かと騒ぎだすだろうし、それをなだめるために、顔を出してちょいと可愛がってあげねば、私の気持ちも収まらないだろことは自明だった。


えい、ままよ。


息子バッタの運動靴をそんなに汚さずに済んだ、と末娘バッタが言っていたことを思い出し、改めて見てみると、確かに汚れはついていない。しかし、運動靴は運動靴。しかも、サイズも4センチは大きいだろうか。靴紐をしっかりと締め直し、気持ちも切り替え、いざ出陣。



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2023年1月23日月曜日

根拠なき自信を持て

 





ここ数日冷え込み方が尋常ではないと感じていたし、久しぶりに乗り込んだ車のフロントガラスが凍結していたので、嫌な予感がした。恐る恐るエンジンを掛けてみると、鈍いスターターの音がして、すぐに止まってしまった。


太陽が昇り始めていたので、取り敢えず買い物を歩いて済ませてしまい、その間に太陽の光で車体が温められるだろうから、その後でもう一度試そう、そう思った。


小一時間ほどして戻ってくると、フロントグラスはすっかり霜がなくなっていた。気を取り直してエンジンを掛けるが、今度はスターターの音さえもしなくなってしまった。寒さでバッテリーが上がってしまったのだろう。近所の友人にSOSメッセージを送る。


バッテリーには随分と泣かされたので、ケーブルも持っているし、手際よく出来るはずだった。それでも一抹の不安が拭えない。先日車検に持って行った際、走行距離も22万キロ、既に15年は乗っているので、エンジンの交換をするように勧められていた。


確か、スターターの部品を交換した筈だったが、ちゃんとしてあったのだろうか。不安材料ばかりが頭をよぎった。


友人はすぐに応援に車で来てくれたが、彼女自身はバッテリーが上がってしまった経験もなく、とりあえずボンネットを開けてくれて、さあどうぞ、となった。メーカーも車種も違うとバッテリーの様子も違うが、プラス、マイナスの色分けは世界共通のようだった。説明書に書いてあった通りに、ケーブルをつないでいったが、正直何ら手ごたえもなく、逆に火花でも散った日には危なくて仕方がないのだが、疑心暗鬼で彼女にエンジンをかけてもらった。


さあ、お願いしますよ。祈る気持ちでエンジンを掛けてみたが、どうもエネルギーを受け取った様子なく、エンジンはかからず終い。そうか、やっぱり車のエンジンかスターターに問題があるのかもしれない。これはケーブルでバッテリーを繋いだところで、解決する問題ではないのかもしれない。暗澹たる気持ちになってしまった。


友人にお礼を言って、さてどうしたものかと思いあぐんだ。ガレージに連絡をして、誰かに来てもらうしかないのだろうか。こんな時日本だったら、と思ってしまう。


覚悟をしてガレージに電話を入れるが、電子メッセージが流れお昼休みであることが判明し、拍子抜けしてしまう。電話がつながるまで、ネットで解決策を模索してみようか、そんな気になった。


スターターを交換する動画を見ながら、これは素人では難しいなと思い、もう一度ケーブルで救援車から充電する方法をぼんやりと眺めていた。眺めながら、だめだと思うから駄目なので、上手くいくと信じないことには上手くいくはずがない、との考えが頭を擡げた。もう一度友人に電話をし、もう一度来てくれないかとお願いしたところ、快諾してくれ、すぐに駆け付けてくれた。


彼女の車のボンネットを開けてもらい、改めてバッテリーを確認。先ほどは気持ちが逸っていたのだろう。じっくりと見てみると、プラス端子と思って繋げていたものが、実は違うものだったと思われた。慎重につなげてみると、ばちばち、と火花が散った。そう!そうこなきゃ。これでいい!


マイナス端子についても、慎重にじっくりと観察し、これしかないと思われるところに接続。エンジンを掛けてもらい、充電開始。祈る気持ちでエンジンを掛けてみると、今回は簡単に快いエンジン音に切り替わった。よっしゃ!


氷点下の外気に数日晒していたことが原因で、特にエンジンやスターターに問題がなさそうなことに、一安心。友人にお礼を言って、小半時間車を走行させる。


何事も自信を持って取り組むことの重要性を改めて突きつけられた思いがした。根拠なき自信をゆめゆめ馬鹿にしてはなるまい。冷たい風が吹きつけていたが、気持ちがあまりに高揚していたので、それがむしろ心地よい。精神論でバッテリー問題が解決してしまったことに、笑いが止まらない。



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2023年1月20日金曜日

邂逅

 




うっかりと運動靴をお勝手口の外に置きっ放しにしてしまっていたので、早朝散歩に出かける際、氷点下の世界で一晩晒されていた靴に足を入れると、ひんやりどころか足が縮こまってしまいそうだった。


先週は春先の様な陽気だったので、風にたなびく程に育っていた緑の原っぱも、バリバリに凍っていて歩くと小気味よい音がした。トンカは濡れることが苦手なだけで、雪、氷、霜は興味津々で、鼻を突っ込み、舌で味わい、小躍りしながら走り回っていた。


先日マルシェを覗いた際、小粒ながら山吹色の丸い形のレモンに目が留まった。ベルガモット!もうこんな季節になったのね。


手に取ると、優しい穏やかな香りが、爽やかに鼻をくすぐる。なかなか会えない恋人に久しぶりに出会ったように顔を紅潮させ、大切に二つ手にして会計に進んだ私を見て、お店の女性が一体どんな風に味わうのかと聞いてきた。


紅茶に果汁を入れて楽しみ、ケーキの香り付けとして楽しみ、オレンジピールにして楽しみ、タジン鍋に入れて楽しみ、ああ、他にも沢山楽しみ方はある。


先ずはゆっくりと香りを楽しもうか。地中海の青い空、碧い海、そして太陽を感じながら。



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2023年1月19日木曜日

トンカのルーツ

 




トンカはトンカであって、それ以外の何者でもないのだけど、母親が純白で毛むくじゃらのゴールデンレトリバーなものだからか、一体父親はどんな犬だったのだろうか、と思うことが良くある。


瞬発力、走力、跳力に優れていて、猪、鹿、狐、兎など見掛けたものなら追いかけて行くので、猟犬の一種だろうと思われる。一方で、暗闇でない限り、自転車やランナーには興味なく、子供であっても意外に無視して歩き去る「冷徹さ」とも指摘できる面も持っている。


そうかと思えば、看板や風になびくビニール袋に恐れをなして吠えるといった、ドン・キホーテの面も併せ持っている。そして何より、臭覚、視覚に優れていて、街や森のスイーパーとしての役割を自負している、困ったちゃん。特に「白いもの」であれば、自分の鼻で確認しないと気が済まない性格。自分の好きな匂いであれば、どんなに遠くにあっても藪、茂み、お構いなく突進する。塀の上に置き去りにされたビスケットを見つけるなんて朝飯前。


それでも下痢もせず、腹痛に苦しむ姿は見ないので、強靭な胃腸の持ち主なことは確かである。


非常にマイペースで、人懐っこいかと思うと、我関せずの態度をとる時もあり、呼んでもその気にならなければ寄っても来ない。あれれ?と空振りすること暫し。野性的な一面、といったところか。


先日の新年会に来てくれた友人の一人が、「トンカのパパが分かったわよ!」と連絡をくれた。「Lévrierに違いないわ。絶対そう。私が知ってるLévrier って超絶おとなしくて人見知りなんどけど猟犬だからその辺はすごいよ!なんか走らせる競技もあるよね。そこに柔らかく優しく人なっっこいゴールデン!」


おおっ!


早速調べてみると、確かにトンカっぽい犬たちの写真がヒットした。日本語ではサイトハウンドというらしい。グレイハウンドっぽい走り方をするなあ、と以前思って調べたが、何せグレイハウンドは超大型犬なので、外れだわと落胆したことを思い出した。


ひょっとしたら父親も何かの掛け合わせなのかもしれない。


トンカはトンカ、それ以上でも以下でもなく、トンカ以外の何者でもない。それでも、ちょっとだけトンカのことを深く知ることは悪くない。ね、トンちゃん。



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2023年1月18日水曜日

ビストロYuvuzela亭 新年会お品書き







最終的に、獅子舞を披露してくれる予定の友人が、獅子舞プレッシャーか当日体調崩し急遽欠席。人数の関係で声が掛けられていなかった友人に連絡すると、当日のお声掛けだったけれど、喜んで飛んできてくれた。従い、総勢10名。






本当にありがたいことに、皆、腕によりをかけての一品を持ってきてくれたので、豪華絢爛。すべての写真を撮らなかったことが残念ながら、以下お品書きをご紹介。


生麩田楽




がんもどき




手毬寿司




エリンギの柚子胡椒マリネ


お造り

    雲丹



    ヤリイカ(とろろ昆布〆)

    鯛(とろろ昆布〆、塩〆)





鮭の南蛮漬け

ペンネアラビアータ

ロールキャベツ






京風白味噌雑煮

大根浅漬け 柚子風味





花びら餅








餡子入りガレットデロワ





皆の秘蔵のシャンペン各種、白ワイン各種


あらためまして、皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします!




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2023年1月14日土曜日

ビストロYuvuzela亭での新年会

 





先日、料理好きの友人と出会った際に、彼女のお手製のガレットデロワを囲んで皆で茶話会をしましょうとなっていた。11月末のこと。その彼女から、皆さん既にガレットデロワを食べ飽きちゃった頃でしょうし、他の物でランチかお茶しましょうよ、とのメッセージが入った。喜んでお菓子は作るけど、企画は任せたいとのことだった。


「呼んでくれたら、すぐに行きます!」


その文字が脳内で炸裂し、バッタ達が誰も来ない週末がポップアウトし、新年会をしようとの思いに進化した。実施まで正味三日もない。さて、何人が集まれるだろうか。取り敢えず、思いつく仲間たちにメッセージを送る。


街でばったり会った友人の顔が思い浮かんだ。開口一番息子さんの進学について息せき切ったかのように話していたが、きっと思い悩んでいるのだろう。大勢で美味しいものを食べたら、ちょっとは気晴らしになるのではないかしら。


次には、このところすれ違いばかりで、なんだか避けているようで心苦しい思いをしていた友人の顔が浮かんだ。正直なところ、一対一で話をするには気が重い相手ではあったが、最後に偶然会った時の表情が、いつもの張り切った様子ではなかったので気にはしていた。そうだ、この機会に彼女も呼ぼう。


トンカに会いたいと言ってくれていた友人の顔も浮かんだ。カナダに行ったり、日本に行ったりと忙しくしている彼女だったが、恐らく丁度日本から帰って来ているだろう。常に何かしらスケジュールを入れている様子だが、せっかくなので声を掛けてみよう。


今の仕事を辞める決心がついたので、是非お仕事あればお声掛けください、と言っていた年若い友人の顔も浮かんだ。恐らく前の仕事で、日本人スタッフが必要な時に声を掛けていたのだろう。今は全く違う仕事をしているので、そんな機会はなさそうだと思っていたが、友人達を紹介することは出来るだろう。


6人集まれば御の字。余りのショートノーティスなので、4人でも楽しくやれそう。そんな風に思っていたのだが、あれよあれよと皆快諾してくれて、スキーに行く友人と別件が既に入っている友人以外は皆来てくれることになった。


バッタ達の学校関係の友人が6名、大学の同窓会の友人が1名、前の職場関連で知り合った友人が1名、それにフランスに足を踏み入れた時からの恩人でもあり、大切な友人が加わり、私を入れて総勢10名の新年会となる運びに。


学校関係の友人とはいえ、お互いに知らない場合もあるし、この際、皆の自己紹介も兼ねて全員にメールを送った。


昨日思い立っての新年会のお誘いに即ご快諾くださり、ありがとうございます💖


急ぎのメッセージでしたので、改めて詳細下記の通りご連絡します。ご確認下さいませ。


日時: 〇月〇日(〇曜) 20時スタート

場所: ビストロYuvuzela亭


イチオシの逸品、皆と感動を共有したいと願う一品をお持ちいただけましたら幸いです。勿論ボトルでもOK。果物も嬉しいです。二品、三品でも、勿論大歓迎( ´艸`)。私は当日の魚の入り具合で決めますが、一応お刺身を予定しています。


以下、集う予定メンバーを紹介します。


と、書いているうちにも、数名の方から嬉しい参加の連絡を受け、総勢11名となりそうです。ギリギリだったので、都合のつかない方もいるだろうと、キャパ以上の方に声を掛けた結果でやんす。賑やかな方が楽しいよねってことで、手狭となりますこと、目をつぶってくださいませ。立席パーティーとするか、トンカとの相席ありとするか、押しくらまんじゅうとするか検討中です。お楽しみに。


  • 人生観が変わる程の珈琲を淹れるバリスタ。プロのこだわり精神で手掛けた各種料理は驚異的で人々に感動をもたらすことで定評。
  • 今回の新年会の陰の発起人(言い出しっぺ)。彼女の作る手の込んだ洋菓子、和菓子に恋に落ちた人は数知れず。洋裁、和裁もお茶の子さいさい。
  • 人生のパートナーとの出会いはパリのメトロでの演奏という超ロマンチックなエピソードを持つ、向日葵のように朗らかなミュージシャン。
  • 一歩下がってさりげなく人を立てる細やかな心遣いと秘めたる情熱が燃える瞳を持ち、狙いを定めたらスッポンの如く諦めない清純派熱血漢。
  • メドックマラソンという、ワインを楽しみつつフルマラソン完走を成し遂げた強靭な精神と体躯の持ち主。茶目っ気たっぷりの自然をこよなく愛する知性派アイドル。
  • 蘊蓄を語らせたら右に出る者はいない、知識と経験豊富な才媛。彼と一緒に食べたオレンジの種を蒔いて、今でも大切に育てているロマンチストの一面も。
  • フランスの合理性と日本の奥ゆかしさをバランス良く併せ持つ。高級食材もてらいなく使いこなし、軽妙洒脱なトークはどの年齢層にも大人気。書道の大家。
  • 遠目からも性別、年齢、血統を推し測れ、一度覚えた名前は忘れない恐るべし特技を持つが、発揮するのは犬限定。犬達から熱い視線を常に浴びている森のドン。
  • 会うたびに若返り、近所のコーラスクラブで美声を発し、見事な飲みっぷりで人生を謳歌する傍ら、日本産業振興のためEU界を暗躍するロビイスト兼陰のフィクサー。

あれれ。やばいわ。11名だと思っていたのに、何故か10名しか思い浮かばない。でも、遅くならないうちに、取り敢えずこれにて送ります。


さあ、10名分の椅子とテーブルをどうするか。


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2023年1月12日木曜日

想像を絶する発想

 






小学生の頃から、年賀状を書くことが好きだった。元旦に届くように、年賀状を特設された箱に入れることを知らずに、郵便ポストに入れてしまったことがあった。田舎らしいのどかさで、父の同級生が郵便局に勤めていたこともあり、特別に仕分けしてもらった、はず。ひょっとしたら、もう年賀状が暮れのうちに届いてしまったかもしれないと、真っ青になったことを今でも覚えている。とはいえ、送った先といえば、東京の祖母や叔母ぐらいだった。


高校生の頃には、当時流行ったプリントゴッコを買ってきて、イラストを描いてカラー刷りをしたものだった。年賀状よりはクリスマスカードに重きを置いた時もあった。


今はその年に撮影したショットの中から厳選し、新年のメッセージとともにメール送信することで落ち着いている。お互いに忙しくて疎遠になりがちな友人と、年に一回近況を知らせ合うのも悪くない。バッタ達との家族写真を送ることもある。


今年はトンカを交えての家族写真になったが、全くトンカに触れない友人が大半。反応があるのはいずれも犬好きの友人達で、バンビのように可愛い子犬とか、鹿のような犬、愛らしいと好評だった。


ところが、こちらが驚く、思ってもみない反応をしてきた強者が一人。


「5人目のご家族はヤギ?」


おい、おい、おい。どこをどう間違ったら、山羊と思うのか。それに、一般常識で、山羊を普通飼うかぁ?山羊と並んで記念写真撮るかぁ?


異国の地で三人の子供を育て上げ、今は山羊も飼っているなんて、偉大過ぎるわ、と書いてくれているが、ちょっちょっちょ。


いいなあ、このとんでもない勘違い。スケールが違うわ。偉大なのは彼女の方。さあ、どう返事をしようか、と思っているところに、我が家の新年会に来てくれることになった。山羊がいると思ってくるのだろうが、トンカを見た時の彼女の反応が今から楽しみ。


想像を絶する発想をする人との出会いは楽しい。人生は爆発だ!



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2023年1月10日火曜日

漆黒のミロワール ムースオショコラ





食べ物の好き嫌いは、本当にない。


それでも、素材を活かした調理法が好きだし、香辛料は大好きながら、塩味も甘さも控えめの方が好みである。ピザ生地はクリスピーな方が、パンタイプよりは好きだし、ビスケットもしっとり、ふんにゃりよりは、しっかりと歯応えがある方が美味しいと思う。


魚料理は、塩焼きが魚の旨味を引き出すと思っているし、クリームやソースを使う料理を作ることは滅多になく、デザートもメレンゲやムースの類は選ばない。チョコレートやキャラメルがとろりとかけられ、ホイップクリームが惜しみなく飾られたクレープなんて、ちっともそそられない。


そうは言うものの、レシピを見ていて一目惚れをしてしまうことがある。それが、このミロワールショコラ。


先ずはチョコサブレの生地を作って、焼くことから始まる。それから、削ったミルクチョコレートに熱した生クリームを入れて溶かし、ゆるくホイップした生クリームと混ぜチョコレートムースを作る。取り外し可能な型にミルクチョコレートのムースを入れて、冷凍庫で固める。


今度は削ったブラックチョコレートに熱した生クリームを入れて溶かし、ゆるくホイップした生クリームと混ぜチョコレートムースを作る。これを一時間は冷凍庫で固めた先ほどのミルクチョコレートムースの上に入れて、更に冷凍庫で少なくとも2時間は固める。


粉砂糖、カカオ、ゼラチンでミロワールの液を作っておく。


冷凍庫から取り出した凍っている二層のムースを型から外し、網に載せたチョコサブレの上に置き、ミロワールの液をまんべんなく、かつ惜しみなくかける。


取り外し可能な型として、大きめのヨーグルトカップを利用。取り外す際にプラスチックを切れば良いだけなので、非常に楽だったのでお勧め。ただ、底がへこんでいたので、その部分にミロワールが多めに流れ込むことになり、切った時の美しさとしては、繊細さに欠けてしまうか。




しかし、どうだろう。この美しさ。写真撮影をするも、照り輝いて本来の美しさの半分も画像に残ってくれない。味わってみれば、チョコサブレのほろ苦さと、サクサク感が、チョコレートムースのえも言われぬ程の口どけの良さと絶妙なバランスを醸し出していて、思わず唸ってしまう。





お菓子作りは方程式を解く過程に似ている気がする。じっくりと考慮し、時間を掛けて丁寧に解けば、ちゃんと成果が出る。難しいことは何もない。美しく照り輝く漆黒のミロワールを眺めながら、数学の美を思う。



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2023年1月8日日曜日

新年の抱負




 


人生は一回だけ。だから、今年は本当に好きなことをして生きる。


そう長女バッタが宣言するや、「人生は一回だけって思っていたの?そんなことないのよ。今の身体は洋服のように脱いで、また別の身体を纏って生きていくのよ。」とか、「これまでも好きなことしてきたじゃない!」といった突っ込みが入った。


皆楽しそうに、明るく、嬉しそうに好きなことを話しては、大笑いが巻き起こる。新年恒例の日本の母とのビデオコール。実家の母のもとには兄の家族も皆揃っていて、一年に一度の新年の挨拶を交わす。


そうね。今年の抱負ね。


博士課程2年目の長女バッタは、研究の拠点をフランス国外に新たに増やす計画を温めているし、博士課程1年目の息子バッタも、英国の大学の研究室との合同研究に参画していて、いずれ英国に研究拠点を移す可能性が濃厚だった。末娘に至っては、既に4月から短期間とはいえ日本の大学院の研究室でインターンが決まっていたし、その後はフランス国外の大学に留学することを視野に入れていた。


今年は皆それぞれに羽ばたく年。


フランスにずっと残って欲しい、と泣いた末娘バッタだったが、いざ私が残ってみると、実際には家には寄り付かない、帰って来ても友達と出掛けて行く、といった調子だが、「それが家族でしょ」と言われてしまっていた。そう、確かにそれが家族。尾羽打ち枯らした時に帰ってくることができる場所、それが子供達には必要なのである。そして、何歳になっても子供は子供、変わらない。


彼らがいつでも帰ってこれる場所を親として確保していてあげよう。


新年の抱負としては、いささかお粗末だろうか。いや、それほど自分に言い聞かせないと、親としての自覚が薄れつつある昨今、どこぞそぞろ神のものにつきて心をくるはせ、道祖神の招きにあひて、取るもの手につかずの状態になるか分かりはしない。



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2023年1月1日日曜日

謹賀新年

 




明けましておめでとうございます

新年が希望に満ち満ちて、幸多く、心豊かな年となりますように

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


クッカバラ