2022年2月27日日曜日

一日の始め

 





早朝の大地はひんやりどころか未だ凍っている。いつもなら柔らかな草地も、歩く度にさくさくとシャーベットのような音を立てる。東の空から明るくなって、一気に太陽の光が差し込み始めると、大地は湯気を立てながら生気を取り戻す。ピンク、薄紫、濃い紫、クリーム、色とりどりの可憐な草花が、順々と太陽の光を浴びて蘇る。


朝の神々しい時間をゆっくりと味わいながら、ベッドのぬくもりをまといつつ、ぐるりと庭を一周する。枇杷の木が深緑の大きな葉を茂らせている様に、枇杷が常緑樹であることに今更ながら気が付く。今年は橙色のこぶし程の大きさの実をつけてくれるだろうか。


一日が始まる。



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2022年2月25日金曜日

下弦の月

 




吐く息が白く、未だ太陽が出ていない早朝の草原は柔らかい香りに満ちている。頭上には満天の星空。南の空には童話に出てきそうな大きな下弦の月。


辺りが明るくなると、あっと言う間に神秘的な空間は消えてしまう。代わりに大地からは春の香りが立ち上がり、野生の小さな水仙が黄色い蕾を開き始める。土の中に埋められた胡桃を上手に探り当て、掘り出しては、がりがりと噛むトンカ。野草を噛んだり、根っこを掘り出し齧ったりと、いたずら盛り。それでも野草の花たちには、鼻づらを突っ込んで香りを楽しむだけで、今のところ乱暴はしていない。


朝は鳥たちがにぎやかで、飛び交う様を不思議そうに眺めている。


蝶々が舞うようになったら、きっと喜んで走りまわるのだろうな、と頬が緩む。


一週間ぶりに会う息子バッタが、トンカが一回り大きくなったと驚いていた。もう少し暖かくなったら、森に行こう。トンカの世界は今のところ我が家の庭だけになっているが、大きな世界を見せてあげなければ。



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2022年2月24日木曜日

黒曜石の輝き

 






トンカは美しい。
赤ちゃんとしての可愛らしさを通り越して、はっと息をのむ程の美しさを持っている。特に魅せられてしまうのが手。肉球は柔らかく、いつでもひんやりとしている。そこにすっと生えている黒曜石のような爪といったらどうだろう。その優雅さといったらない。


先日、初めて獣医師に診察をしてもらった際、若い女性の先生はペンチのような爪切りで、いや、あれは本当にペンチであったのかもしれないが、トンカの腕を取り、「赤ちゃんの爪は鋭くて特徴的ですよね。」とか言いながら、あっさりとパチン、パチンと切ってしまった。先生は見慣れているのかもしれないが、こんなに美しい爪を無碍に切ってしまうなんて。


診察台の上に散らばった美しい黒曜石のような欠片を、愛しそうに眺めたものだったが、さすがに取っておくことはしなかった。今思えば、せっかくなので一つで良いからポケットに忍ばせればよかった。


これを親バカと言わずに何と言おうか。苦笑せずにはいられない。



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2022年2月22日火曜日

身を引き締めて

 




トンカの聴覚について前回記したが、臭覚に至ってはさらに上を行くことは周知の事実であろう。しかし、それを目の当たりにすることは新鮮な驚きがある。


毎日ご先祖様に温かいご飯のお供えを、といきたいところだが、なかなか日本とは事情が違うし、ご先祖様にしろ、フランスの風変わりなお供えも喜んでもらえるのではないかと勝手に解釈をし、カボチャの種やドライフルーツが混じった所謂グラノラ系をお供えしている。


お供えしたものは庭の小動物たちに、と外に撒いていたので、それを知ってか知らずか、先ずはピーがやってきて楽しそうに啄み、その後でっぷりの鳩君が遊びがてらに啄む姿が楽しめた。


ところが、トンカが来てからは、トンカが外に出るや速攻でその場を嗅ぎ付けてペロリぺろりとしてしまう。どんなにダメだよと言っても、所詮無理なこと。ちゃんと餌を食べた後でも同じこと。お供えのご相伴というのは、悪くないかもしれないが、やはりどうも違う。ここは鳥たちに楽しんでもらいたい。


そこで、トンカが家の中でお昼寝をしている時に、植木鉢などをしまう、ちょっとした小さな棚の上にお供えを撒いておいた。トンカの小ささでは、飛び上がっても未だ届かない程の高さにある。


それがどうだろう。次の散歩の時に、速攻でその場にたどり着いて、クンクンと泣き始めたのには参ってしまった。


我々の三度の食事の前、特に夕食の時など、調理の香りがキッチンに満ち溢れるのだが、これだってトンカにとったらたまらないことなのだろう。今のところ、全くおねだりなしなので、分かっているようで分かっていないのか、分をわきまえているのか、ありがたいことではある。願わくば、これが続くように。


トンカの可愛さに、ずるずるとひっぱられないように、線引きをしっかりとせねば、と我が身を引き締める日が続く。



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2022年2月19日土曜日

息子バッタとトンカ

 




ママの言うことは聞くけど、僕の言うことにはちっとも従わないんだ。


息子バッタがぼやく。トンカを可愛がり、ほぼ3時間ごとの庭での散歩にも喜んで連れ出してくれるものの、名前を呼んでもすっとぼけられた日にはがっかりしてしまうのだろう。


暫く彼らの様子を見ていたが、息子バッタの声があまりにバスで静かなことに気が付く。このところ風邪を引き、体調が悪く寝込んでいたので、声はいつも以上に低く物静か。トンカのような赤ちゃん仔犬の関心を引くには、甲高い声でテンション高く言わないことには振り向きもしないだろう。


そのように指摘すると、早速息子バッタが甲高い裏声でトンカに呼び掛けてみた。


効果ばっちり。驚いたことに、すぐにトンカは反応し、息子バッタのところに弾丸のように飛び込んできた。


へええ。犬の聴覚の優秀さは聞き知ってはいたが、特に高い音域での聴覚に優れているのだろう。裏声で話しかけ続けるわけにもいくまいが、そのうちに、息子バッタの声にも慣れるだろう。風邪で精気の弱くなっている息子バッタに、エネルギーを降り注ぐようなトンカの甘え方に、思わず頬がゆるむ。


トンカ、我が家に来てくれて本当にありがとう。



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2022年2月16日水曜日

神聖な夜の散歩の時間

 





満天の星空の時もあるし、嵐のような時もある。真っ暗闇のこともあれば、月明かりが心強いこともある。どんな時にも、夜は寝る前に庭を一周する。


雨が降っている時など、土の香りにむせる程なのに、トンカは嬉しそうに真っ黒な鼻づらを土の中にこすり付ける。止せばいいのに、泥水の中で大きく伸びをしたかと思うと、ぺしゃりと腹ばいになってしまう。冷たい土の感触を楽しむかのように。


こちらは、滑らないように気を付けながら、暗闇の中で見失わないように目を凝らしてついていく。トンカにとっては、ナニをする非常に神聖な時間なのだから、できるだけ邪魔をしないようにする。


段々暗闇にも目が慣れてきた頃、目の前の大きな塊に気が付き、さて、夕方にはこんなものはあっただろうかと訝し気に思う。そして、それが大きなハリネズミであることに気が付き、仰天してしまう。ハリネズミ君にしても、驚いたであろう。まさか、こんな時間に散歩をする人に出くわすなんて、思いもしなかっただろうから。


トンカと言えば、気が付いたのか、気が付かなかったのか。さっさと一人でラベンダーの株の下に跳んで行き、ラベンダーの香りを無心にかいでいる。臭覚は鋭いはずだし、だからこそラベンダーの株にいるのだろうから、ハリネズミに気が付かなかったはずはあるまい。変な出会いにならずに良かったと胸を撫で下ろしつつ、そっと静かに見守っていると、あっという間にハリネズミ君は姿を消してしまった。


これからどんどん新しい出会いがトンカには待っているだろう。


おお!春にさくらんぼの実が熟してぽとんぽとんと落ちてくる頃、トンカが歓喜極まり庭を駆け回ってさくらんぼの実を食べている様子が目に浮かんでしまう。はてさて、困ったものだが、まあ、その時になって考えようか。


さあ、トンちゃん、お家に帰ろう。そして、お休みしようね。



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2022年2月15日火曜日

春のブーケ

 







最近は郵便書簡での通知は極端に少なくなってきている。それでも、毎週何通か届き、玄関の入り口に放置しっ放しにしてしまうことが多い。すぐに開封し、破棄あるいは保管、必要あれば返信、と手際よく処理すれば良いことだし、そんなに時間がかかるわけでもない。それなのに、何故か未開封のままとしてしまう。


銀行関係、請求書、ダイレクトメール、その類のものだと分かっているからか。そんな中に、真っ白な正方形の封筒が紛れ込んでいることに気が付いた。エリザベス女王の切手が貼られているので、英国からの封書。手書きの宛名の筆跡に見覚えはない。手慣れた様子で、ダイレクトメールの宛名書きにも思われた。気になり、開封をしようとすると、「2月14日開封のこと」とフランス語で記されている。はて、どうしたものか。


素直なもので、開封しようとした手を止めてしまった。英国からの封書なのに、フランス語でメモ書きがある。バッタ達が子供の頃に夏に何度も通ったバイオリンのサマースクールからだろうかと思っていたが、フランス語でのメモ書きはしまい。しかも、なぜ2月14日を開封日として指定するのか。


これには唸ってしまった。数年前であればバレンタインだわと胸ときめかしたものだが、ここ暫く正直なところ関心がなくなっている。まさかねえとの思いもするが、まさかありえまい、と思う。であれば、一体何なのだろう。


まあ、指定日までは数日しかない。ちょっとした楽しみをとっておくことにする。


バッタ達の友人がトンカに会いに来てくれ、春のブーケを届けてくれる。春は確実にそこまで来ている。



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2022年2月13日日曜日

宝石を散りばめた朝

 





早朝の大地は宝石が散りばめられたように輝いている。ピンクや白、薄紫色の可憐な花たちは、明け方に霜が降りることを知らなかったのだろうか。花びらを閉じることなく、フリーズドライのようにぱりりと凍っている。霜柱はさくさくと足に心地よく、枯れ葉はもう何度も凍っているので、そろそろ形状をなさなくなってきている。


吐く息も白い中、天空では月が煌々と輝いていて、鳥たちの囀りもまばら。いつもなら、ベッドの中でぬくぬくとしているところ、赤ちゃんトンカのトイレに間に合うように飛び起きる日が続いている。


朝食を済ませて、二回目の散歩を始める頃、漸く東の空が朱色に染まってきて朝日を拝むことになる。


未だ我が家の小さな庭を三周もすれば十分なトンカ。もう少ししたら、家を出て森に行こう。そのためにも、しっかりと食べて、寝て、大きくなってね。そして、ちゃんと声を掛けたら戻ってくるんだよ。それが出来るようになるまで、もう少し。


安心した心地よい寝息を立てているトンカ。その寝顔がにやりとしたのは、気のせいか。



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2022年2月10日木曜日

模範的な朝の目覚め

 






我が家のプリンセスの目覚めは早い。クゥンと甘えた鳴き声が聞こえようものなら、ばっと飛び起きて一階のサロンに駆け付ける。大はしゃぎで挨拶をしてくれるが、挨拶もそこそこに外に連れ出してやる。そうすると、真っ暗闇ながらも、さっと藪に身を潜めて、じっくりと時間をかけて用を足す。終わった後は、大はしゃぎで戻ってくる。その様子が何とも愛おしい。こちらは飛び起きて来たのでパジャマ姿であったりするが、ご近所さんは誰も未だ起きていないので、無様な格好を見られる心配はない。


一体、サロンのどこで寝ているのだろうか。寝る時は簡易段ボール箱のベッドにちょこんと収まっているが、夜中の様子は分からない。今朝は鳴き声の前に起きて、身支度をし、そっと真っ暗闇のサロンに入り目を凝らしてみる。


と、うぅ~、と唸られてしまう。気配で分かるものなのか。これなら、泥棒が来ても安心して任すことができるのだろうか。


侵入者が誰だかすぐに判明すると、大喜びで弾丸のように走り込んできた。偉い!ちゃんと一人で寝ていたのね。ぐちゃぐちゃに可愛がってやりながらも、キッチンのドアに連れ出し、外に出してやる。


決して自分から先に外に出ない。なんて育ちが良いのか!大した躾もしていないが、是非この習慣は続けたいもの。帰ってくる時も然り。先ずは私が先に家に入り、それからトンカが続く。そして、足と手を拭いてあげる。うーむ。4つの手、なのか、4つの足なのか。


夜が白々と明ける頃、もう一度外に出て、朝の新鮮な空気を楽しみながら、一仕事をする。


なんて健康なことか!このリズムを崩さずに、すくすくと育って欲しい。そう急がずに、そして、そんなに大きくならずとも良いからね。と、こっそりと思いながら。



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2022年2月9日水曜日

死守すべきルール

 





遠い昔、バッタ達が幼かった頃、クリスマスプレゼントといってパパがプレゼントを抱えるように買って来たことがあった。ひょっとしたら、未だ末娘バッタはこの世には生まれていなかったかもしれない。その時に、子供への愛情を嬉しく思い、感謝の言葉を伝える以前に、そんな形だけの愛情の示し方は感心しないとばかりに、皮肉ってしまったことを思い出す。プレゼントをするにしても、一つに絞るべきだろう。たくさんの選択肢の中から一つに絞ることも重要だし、だからこそ、プレゼントへの思い入れも深まる。大切に使って欲しいもの、どうしても欲しいものをプレゼントする、それが基本ではあるまいか。


なんだって柔軟性に欠けていたのだろうか。しかし、子供の教育を真剣に考える母親として、譲れないものがあった。


それがどうだろう。


トンカを迎えると決めてから、あれよあれよと噛み応えのありそうな縫いぐるみや、小さなボールをたくさん買ってしまっている。どうしても捨てられずに、だからと言って人様に差し上げるには着古してしまったバッタ達の可愛いパジャマも、あっさりとトンカ用にと小さめにカットしてしまった。噛んで遊ぶと音がする豚の縫いぐるみも、音がうるさくなるだろうと思いながらも買ってしまい、段ボールで作ったトンカの簡易ベッドに収まっている。


赤い革張りのソファーへのアクセスは禁止し、母が3回カバーを縫ってくれた布ソファーには大きなテーブルクロスを掛けたので、辛うじてアクセスを許すことにした。


が、気が付いたら赤い革張りのソファーでのびのびとお昼寝をしてしまっている。テレワークをしているので、日中いつでも遊んであげることができないので、静かに幸せそうにお昼寝をしてくれるトンカを怒るわけにもいかない。布ソファーは良くて、赤いソファーはダメ、ということも、分かりにくいだろう。


と、ずるずるとハードルを下げてしまっている。取り敢えず、移動可能なスペースはサロンとキッチンのみで死守している。いや、死守せねばなるまい。


嗚呼、しかしどうだろう。この無防備な寝姿。かわいいあんよ。愛らしい鼻。


トンカ、我が家に来てくれて、ありがとう。


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2022年2月8日火曜日

甘やかなトンカの香り豊かなショコラカステラ

 





トンカのママ、ウシュカを育てているご夫婦は、今回誕生した3匹の赤ちゃん犬を迎え入れてくれる家族に無償で渡してくれると言う。ワクチンの代金だけは実費で支払って欲しいとのこと。


トンカを迎えに行く時に、ケーキを焼いてお持ちすることにした。トンカ豆で香りをつけたらどうだろう。丁度ショコラ味のカステラのレシピを見ていたばかりなので、早速挑戦してみることにする。チョコレートのカカオバターを使うことで、余分なバターもオイルも使わないと謳っている。



用意するもの

・ミルクチョコレート 50g

・生クリーム 170㏄

・キビ砂糖 140g

・ココア 30g

・薄力粉 110g

・卵 7個


トンカ豆を粉にし、ココアと薄力粉と一緒に混ぜ、3回篩にかける

生クリームに細かく砕いたチョコレートを入れ、電子レンジで数回、30秒ずつ加熱し、チョコを溶かす

クリームとチョコレートをしっかりと混ぜ、卵黄をいっぺんに加え、しっかりと混ぜ込む

③に篩にかけた粉をさくっと入れ、ねっとりとするまで、しっかりと混ぜる

卵白に砂糖を全部加え、一気に撹拌し堅いメレンゲを作る

④に⑤のメレンゲの4分の1程度を入れ、十分に混ぜ合わせる

残っているメレンゲに⑥を入れ、生地が均一になるように丁寧に混ぜる

型に流し入れ、串で丁寧にかき混ぜて気泡を潰す

170℃に熱したオーブンに、湯煎用のトレイに型を入れ、お湯を注ぎ、オーブンを160℃に下げ、55分焼く

焼き上がったら、すぐに型から外し、型紙を剥がしておく


驚く程生地はしっかりとしていて、最後の10分頃までゆっくりと、むっくりと生地が膨らみ続け、甘いチョコレートの香りと、芳醇なトンカの香りが立ち上がり、キッチンは幸せな香りで包まれ、甘やかなトンカの香り豊かなショコラカステラが焼き上がる。


当日は、春が愛らしくまとめられたブーケと一緒にお持ちした。しっとりとしていながら、弾力性があり、豊かなチョコレートと甘やかなトンカの香りが優しい。トンカを愛しみ育ててくださったご夫婦のお口に合えば、こんなに嬉しいことはない。



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2022年2月6日日曜日

ウェルカムホーム

 






トンカ。

ここが今日からキミの家だよ。二匹のきょうだいとママと一緒に、おしくらまんじゅう状態でお昼寝をしている様子を見て、胸が痛んだよ。時々まだママのおっぱいを飲んでいたんだってね。キミのママのように、キミの顔を甘噛みしてあげたり、キミのきょうだいのように、尻尾を追いかけ合ったり、じゃれ合ったりすることはできないけれど、キミが遊びたい時に、すぐには応じてあげられないかもしれないけれど、ここではキミは一人で寝ることになるのだけど、だけど、だけど、キミが来ることをみんなで待っていたんだよ。


週末のお天気の良い日には、森に行って走り回ろう。新芽が芽吹いた森は、とても爽やかで元気が出るよ。庭のチューリップ、水仙も、そろそろ芽を出す頃だよ。暗い中でも甘やかな香で存在感が特別なヒヤシンスも、玄関の脇に並んで咲くんだよ。楽しみにしていてね。


雨の降る中、ぱちゃぱちゃと足音響かせて走るのも悪くないよね。うちの前の道路さえ気を付ければ、あとは森の中では車はいないよ。だけど、代わりにたくさんの犬、散歩をする人々、自転車、ジョギングをする人々に出会う。徐々に慣れて行けばいいからね。


そうそう。我が家の庭には良く隣近所の猫が遊びに来る。鳥たちも色んな種類の鳥が飛んでくるから楽しみにしてね。ルージュゴージュは人見知りしないから、きっとすぐに友達になれるよ。赤毛のリスも、もう少し暖かくなったら出てくるよ。赤毛と言えば、狐には気を付けようよね。いたずらされちゃあ怖いものね。


初めての長距離ドライブだったけど、お利口だったね。ちゃんとサービスエリアの緑の原っぱで用を足したし、車の中での失敗は一度もなかったって、びっくりよ。偉いなあ。バイクの音には怖がるけれど、ピアノやバイオリンの音は大好きなんだね。


一人で寝るけど、一人じゃないよ。誰にも何も言われないのに、自分の寝床はすぐに分かって、ちゃんと一人で段ボールのベッドに入った時には驚いたよ。キミには本当に何度も驚かされる。さあ、ゆっくりと安心して眠ってね。ウェルカムホーム。



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2022年2月4日金曜日

新たな冒険の始まり

 





荒涼なブルターニュ地方の大自然の中、心優しいパピーとマミーが可愛がって大切にしている純白のゴールデンレトリバー。その子の調子がいつもと違うと感じ、獣医さんに診てもらったところおめでたが発覚。その二週間後には元気な3匹の赤ちゃんを産んだと言うからびっくりな話。末娘バッタの仲良しが、彼らのお孫さんで、今回の赤ちゃん犬の誕生を写真にて知らされ、もうとろけてしまったという。パパは森の精に違いない。3匹の赤ちゃん犬は栗毛で、3匹がかたまって寝ている姿を見たら、誰だってとろけてしまうだろう。


家族のグループチャットに末娘バッタが写真を送ってくれ、瞬く間に家族全員がとろけてしまった。ふっくらとした手、ぷくぷくとした鼻先、つぶらな瞳。


我が家で飼うことなんて、夢の夢だと思っていたが、夢は実現させるためにある。


色々考えると障害ばかりが頭に浮かび、どうも踏み切れない。庭で放し飼いにしてあげられたら、と思うものの、果たしてそんなことが出来るのだろうか。しかも、ゴールデンは大型犬。その割には甘えん坊で家の中で飼わないと、疎外感を味わい拗ねてしまうらしい。さて、どうしたものだろう。パパは森の精とはいえ、恐らくママと同じぐらいの大きさにはなるだろし、週末の散歩は近くの森に行けばいいが、週日は可哀想な思いをさせてしまうのではないか。末娘バッタと息子バッタは寮生活で普段は我が家にはいない。長女バッタも、毎日パリに通っているし、パリでアパートを探している真っ最中。犬を飼うとなると、その全責任を負うのは家主の私。その私も、仕事で家を空けることは少なくない。


なかなか決断ができなかったところ、息子バッタによる「このチャンスを逃したら、家では一生犬を飼うことはないよね。」とのつぶやきが後押ししてくれた。


そう、チャンスは一度しかこない。


ブルターニュの港町に金曜の夜、息子バッタと一緒に車を飛ばす。満天の星空と尖った三日月が夜道を照らしてくれ、我々の新たな冒険の門出を祝ってくれているようだった。4時間半のドライブに全く疲れを感じなかったが、行きはよいよい帰りはこわい、だろうなと思わせる距離ではあった。赤ちゃん犬が耐えうる時間と距離なのだろうか。


さあ、我々の冒険は始まったばかりだ。乗組員はクッカバラとバッタ3匹に、新たに一匹メンバーが加わる。名前はトンカ。トンカ豆のトンカ。甘くて、豊かな香りがお菓子の香辛料として使われることが多い、トンカ。トンカとの出会いに、胸は期待で膨らむ。



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2022年2月1日火曜日

週末までのカウントダウン

 




偶然というものは必然にして起こる。人生とは偶然の積み重ねのようでもあるが、必然的な運命とも言えなくもない。縁にしても、そういうものなのだろうか。


人との出会いは偶然の賜物であり、かつ、必然的な要素が含まれている。


我が家にも、そんな出会いが飛び込んできた。この週末に迎えに行くとなると、うかうかとしていられない。先週末から家の掃除を始め、屋根裏部屋を徹底的に片付け、蜘蛛の巣を取り、ベッドを用意する。いや、待てよ。本当に場所はここでいいのだろうか。


末娘バッタが友達を大勢呼んでパーティーをする時のように、今度はサロンに敷き詰めてあるアラジンの魔法の絨毯よろしく、ペルシャ絨毯を巻き上げ、食堂のイケア絨毯を巻き上げる。モロッコ土産の敷いたら部屋がその分大きくなる魔法の絨毯は、取り敢えず置いておく。


かわいい育ち盛りのマンゴ、アボカド、パイナップル達はどうしようか。取り敢えずは窓際に寄せるが、一日のうちで数時間もない、貴重な冬の日光を十分に享受させるには、サロンの中央が一番。しかし、さすがにそうはいくまいか。


マントルピースに積んで置いた大きな松ぼっくりと杉ぼっくりは片付け、たくさんの小さなキャンドルは思い切って廃棄処分。本棚の一番下の本、書類はどうしようか。取り敢えず、本棚から溢れて積まれていた本は、綺麗になった屋根裏部屋に持っていく。不思議なもので、我が家では本はキノコのように繁殖してしまう。あれよ、あれよと増えていく本の数々。


サロンのテーブルは取りあえず二階の寝室に持っていこうか。角張っているし、何よりガラスが入っている。バッタ達はこのテーブルでケガしたことも、このテーブルのガラスを壊したこともなかったことに思いを馳せる。まあ、最初は様子をみないと。


がらんとした空間も、週末にはにぎやかになるだろう。この際、階段の壁に貼ってある、小学校時代のバッタ達の秀作を剥がしてしまう。心機一転。


これまで、片付けないとと思っていた場所が、一気に片付いてしまい、人はモチベーションさえあれば、何でもできるものなのだな、と改めて思う。さあ、この勢いで、もう少し片付けようか。週末まで、楽しいカウントダウンが始まる。



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