2018年6月17日日曜日

薫風








数日前から何度もチェックしていた。類似の内容とは知りつつも複数のサイトで同じ項目を検索していた。予報なので正確性はある程度求められていても、結局のところ当日にならないと分からない。だからか、できるだけ期待に沿った答えを探してしまう。今回は、何度も複数のサイトをチェックする程、それだけ期待通りの回答は得られていなかった。検索する数および費やす時間は、期待の内容と反比例のカーブを描くに違いない。

天気予報。どうやら当日は雨模様。前の日が快晴マークだけに、傘マークが恨めしい。

それでも、きっと晴れると思っている自分がいた。母にとって大切な日。いや、大袈裟に言ってしまえば、一族にとって大切な日。いやいや、それは大袈裟でもなく、4代に渡り受け継がれてきた家業の100周年記念式典。ご先祖様、特に、父が全知全能を使ってでも、母の為に、そして一族の為にも晴れにするに決まっていると思っていた。

そして、本当にその日は晴れた。きれいに晴れ渡ってしまった。








緑眩しい庭園で、無事に酒樽の蓋を木槌で割って鏡開きをし、大勢で記念写真。
それから館内に入っての祝宴。その席で、兄がスピーチ。

相変わらず張りのある通る声で、AIの話題も取り入れつつも、知的な風格のある挨拶となる。途中、一瞬止まり、「あ、すすみません。ちょっと度忘れしてしまいました。」と、笑いを取る場面もあり、ユーモア溢れ、好感の持てるものであった。

翌日、兄と前日の会について話をし、本当に晴れて良かったね、あれはご先祖様のお蔭よね、となる。スピーチが素晴らしかったと伝えた際に、因みに、何を話す予定だったのかと聞いてみた。あっはっは、と笑いながら、震災のことを言う予定だったと言う。そうか。もしかしたら、ご先祖様が祝いの席だし、今言わんでも、と、一瞬忘れさせてしまったのかもね、と笑い合った。言ってみて、ああ、本当にそうなのかもしれない、と思ってしまう。








フランスに帰り、慌てて父の写真の下に、今回の百周年記念グッズの一つ、エンブレム入りマグカップにお水を入れてお供えする。地元のお饅頭も添える。


霊感などちっともないし、特別夢を見ることもない。それでも、今回だけは純粋にご先祖様のお蔭なのだと思ってしまう。生前の父がウィンクしているよう。ただ、ただ、感謝。











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