2012年6月18日月曜日

羽のように軽いバナナシフォンケーキ



卵の殻を手際よくボールの端で割り、
割った殻を使って、それぞれのボールに白身と黄身を分け、
殻を捨てて、また別の卵を手にする。

そんな作業を、夕方の疲れはどこにいったかと思うほどの軽快さでこなす。

明日の学校の準備をしていた末娘バッタが真っ青な顔をして飛んできたのは、
夕食が終わって、後片付けをしていた時。

明日、学校にケーキを持っていくことになっているという。
夏休み前の恒例のお楽しみ会だろうか。

よく聞くと、クラスで好きな課題をテーマとした班を作って活動しているらしい。
彼女は、学級図書の整理班。
学校の図書管理をお手伝いしてくださる保護者の方にもお礼の手紙を書くことになっているらしい。
他にも、宿題班、何もしない班などあって、
明日は、イベント班による漢字マラソン達成を祝っての会。
先週、クラスで誰がケーキを持ってくるか、となり、皆がシーンとした中で、
誰に似たやら、末娘バッタが手を挙げたらしい。

なんだか、にやにやしてくる。

これまで、年度末はどれだけ泣かされたか。
バッタ達がそれぞれに、お楽しみ会、学年末さよなら会があり、
一晩で3つもケーキを焼いたことも少なくない。
週に合計6つ焼いた年もあった。
これに、手まり寿司、ちらし寿司などが加わる。

最近になって、
どうやらバッタ達が自分からケーキ担当を買って出ていたことが発覚。
こちらは、こちらで、毎回ケーキの担当と言われ、
何も考えずに、黙々と焼いていたものだから、ちょっと笑ってしまった。

ただ、それも長女バッタが自分で焼き始め、
息子バッタが、クラスの女子生徒たちが手作りを持ってき始めると
リクエストは少なくなってきた。
しかも、末娘バッタの分も、
長女バッタが楽しんで担当してくれるようになってからは、
夜中にオーブンを使うこともなくなってきていた。

普通なら、
どうして日曜の夜に言い出すのか、と呆れ、嘆くところなのに、
簡単なガトーショコラにしようと思っても、
肝心の板チョコが半分しか残っていないと気づいても、
ちっとも気にならない。

久々のちょっとしたチャレンジに
嬉々となっている自分に気がつく。

サッカーの試合が終わって、
テレビを消してキッチンに入ってきた息子バッタが、
チョコを探して棚中を覗き込む私を見て、
「ママ、バナナがあるじゃない。」
と言ってくる。

そうか、ガトーショコラじゃなくてもいいわけだよね。

バナナシフォンケーキ。

卵を7つも使うが、幸い冷蔵庫にはそれ以上の卵が眠っている。
バナナも、確かに熟れて甘い香りを放つものが数本転がっている。

悪くない。

そうして、卵を割る手付きも軽やかに、
鼻歌さえ出そうな陽気さで
卵白を攪拌する。

ボールを逆さにしても落ちてこないほど、固くしっかりとメレンゲが出来上がると、
今度は黄身をぽってりと白くなるまで攪拌。

そうした中で
さっき目にしたメールを
もう何十回目になるだろうか、
頭の中で反芻していた。

土曜の朝に、
金曜の事件についての言及もなく、
全く別の件について議論し合う二人の仲間のメールを読み、
完全に堪忍袋の緒が切れてしまい、
そのうちの一人に、
裏切られた哀しい気持ちを伝えるメールを書き送ってしまう。

二人の仲間に対する嫉妬?
そんな思いが頭を過ぎらずもなかったが、
報告、連絡、相談というホウレン草の大切さを説いていた仲間の一人への信頼感が
いっぺんに崩れ去る悲しさの方が強かった。

期待はしない、
そう人生でことあるごとに学んできたではないか。
そう自分に言い聞かせてみるも
脱力感に襲われた。

そうして、
余りに余裕を持って見られていないのであろう自分を反省し、
そう躍起にならずに、
この週末はメールも見ないで、
頭を冷やそうと思っていた。

いや、実の所、
私のメールへの返事がない可能性を思っての、防御。

うるさい私を煙たく思っているのだろうと想像してもいた。

そうして、
土曜、日曜、と
いろいろと相変わらず忙しくしていたこともあり、
メールを一度も確認せずに、
かなり一方的で、冷たいメールを送ったきりとなっていた。

それが先ほど、どうしても別件の確認事項が出てきて、アクセス。

すると、
土曜の朝に私が送ってから、すぐに、返事が入っていた。
拍子抜けするほどの明るさで。

私の冷たい、突き放すメールに対して、
優しく包むような温かさを持っての返事。

やあ、
一体どうしたっていうんだい?何のこと?

そうか、金曜の事件と思っていたことは、
実は私の思い込みに過ぎなかったのか。
そんな大変なことがあれば、
仲間として、連絡があったか。

そうか。。。
なんと、
またやってしまったか。

ちょっと不思議な感じがするが、
なんだか、実際のところ、どうでも良い感じがしてきた。

重要なことは、
相手がちっとも私のメールに不快感なんて持たずに、
いや、少なくとも持っていないと思わせるに十分な思いやりで、
とげとげしていた私の心を
まろやかにしてくれたこと。

そう、
失うには、余りに大切で
貴重な存在になっていることを
自分自身で戸惑いながらも確認し、
そうして、
これからも、お互いに信頼関係を持って
尊敬し合って一緒に活動していけることが、
こうして新たに確認でき、
心は安堵し
感謝の気持ちで満たされていく。

そうして
羽のように軽く、
バナナの控え目な甘さが
口いっぱいに広がって幸せ感に満たされるバナナシフォンケーキが焼きあがる。

末娘バッタよ。
お友達と楽しんでね。
今回のケーキには、新たな材料が一つ加わっているよ。


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2 件のコメント:

あかうな さんのコメント...

ばななシフォンケーキ、軽くって素敵ですね。私も勉強させていただきました~~~。ところで↓『人による操作であることを証明してください』って笑えますね。私はあかうなですが~~~。^^

kookaburra さんのコメント...

あかうなさん

あ、ぜひ、トライしてみてくださいね。
あかうなさん、きっと大好きだと思いますよ。ふわっと軽くて。うふふ。