2017年6月23日金曜日

トウモロコシのお人形







一人で一足先にバカンスに入り、日本にいる末娘バッタから、家族全員のグループメッセージに写真がポストされる。

黄緑色でふっくらとした、いかにももぎたて感満載のトウモロコシ。
コメントに一言、「12本!」

さすが田舎は羨ましい。
こちらではトウモロコシなんて滅多に口にできない。どうも家畜の飼料としか見なされていないらしく、日本にあるインスタントのコーンスープも、こちらでは売っていない。日本や台湾に遊びに行った帰りに、必ず買って帰る食料品の一つがコーンスープ。ましてや、ひげが立派にふっさりとついている皮をまとった生のトウモロコシなどお目に掛かることは滅多にない。夏に熱々に茹で上がったところに塩をぱっと振って、ぷつんと口の中で弾けさせながら頬張るトウモロコシの美味しさと言ったら!

と、ロッテルダムにいる長女バッタが 目をハートマークにさせながら、「お人形作って写真送ってえ」とリクエスト。

末娘バッタが、「お人形?」と聞いている。
「トウモロコシの!」と、長女バッタ。

ふっと胸が熱くなる。
きっと幼いバッタ達が夏日本に遊びに行っている間、母が彼らにトウモロコシ人形を作ってあげたに違いない。末娘バッタは、記憶に残っていないぐらい未だ幼く、長女バッタにとっては、大好きなトウモロコシと一緒に思い出す程、心に残る思い出だったのに違いない。

幼いバッタ達を日本に連れて行っては、母にお願いをして面倒を見てもらっていた記憶がよみがえる。体験入学といっては、地元の幼稚園、保育園にお世話になっていた。バッタ達は小学校、そして、中学まで喜んで通っていた。

中学一年の時に、憧れの部活に入り、大好きなサッカーをするはずだった息子バッタが、どうして先輩だからといって、一緒に準備や掃除もしないで偉そうにするのかが分からない、とショックを受け、翌年からは体験入学に行かなくなってしまっていた。末娘バッタだけは、一人でも喜んで小学校に通っていたが、何が理由だったのか今では思い出せないが、中学時代は一度も日本で夏を過ごすことがなかった。


末娘バッタは日本の高校に通うことを夢見ていた。一時は一年間の留学をしたいと考えていたほど。今年の夏、日本の友達にお願いをして、彼女の通っている高校に体験入学をさせていただいた。流石に義務教育課程ではないからか、期間も二日のみ。体育、部活、全て見学。制服も同校の生徒ではないから、着用不可。なんとも、いやはや。しかし、本人は友達と一緒に通えたこともあってか、とても楽しかったらしい。受け入れていただけるだけでも感謝しなければなるまい。また、その間、泊めていただき、毎日お弁当を作ってくださった、お友達のお母様にも感謝の気持ちでいっぱいである。

そして、東京の俄か高校生は、田舎に帰り、今度は祖母の経営する会社で研修中。どうやら毎朝制服を着て通っているらしい。週末に電話を入れて様子を聞いてみないことには詳細は分からない。何せ、送ってくるメッセージはトウモロコシ、サンマ、インゲン、トマト、お豆腐、といった食べ物中心なのだから。

今年は一人で祖母のもとにいる末娘バッタ。トウモロコシ人形を作ってもらうには、もう大きくなってしまっているだろう。彼女のことだから、自分でネットで検索し、作っているかもしれない。

明日、朝、電話を入れよう。トウモロコシのような、ぷっつりとした元気の良い声が返ってくるだろう。





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