2022年3月17日木曜日

道草散歩

 




トンカときたら、いつでもどこでも道草をする。ボールを追いかけて行った筈なのに、ボールのそばに生えている雑草の根っこの掘り出し作業にかかってしまう。不思議なことに、ボールの存在を忘れてしまったわけではなく、次の瞬間にはボールと遊んでいる。


我が家の裏庭を一周するなんて、あっという間のことなのに、ラベンダーの株の匂いを楽しむことから始まって、腐葉土のあるミニ菜園の土を掘り返し、そうかと思ったら松の木の根元に鼻を突っ込み、松ぼっくりを追いかけ、その勢いで月桂樹の茂みに入り込み、しばらく出てこない。恐らくハリネズミ一家と挨拶をしているか、カタツムリ君がいないか探している。勢いよく茂みから飛び出し、林檎の木の下でいかにも何かを発見したかの様に一心に鼻を鳴らして土を掘り起こす。クエッチの木の下の大きな石に歯を当て、まだ自分の口に入らないことを確かめると、サクランボの木の下のくぼみに入り込み、なにやらご満悦で口をもぐもぐさせている。木の枝も枯れ葉も、トンカにかかると美味しいオヤツ。サキイカでも味わっているように目を細めて噛み砕いている。


と、突然何かを思い出したかのように勢いよく飛び回り、今度は小屋の中に入ってしばらく出てこない。芝刈り機から始まり、カッター、のこぎり、梯子、枯れ葉の詰まった袋、など、下手するとケガをしそうな危険なものばかりだが、追いかけていくことはしない。そんな馬鹿なことはしまい、との思いもあるし、少しばかり危険なものがある場所で自由にさせてあげたいとの思いもある。全て危険なことはダメ、では、伸び伸びとした子には育つまい。


その後、茨の茂みに抜き足差し足で入り、上手に入り組んだ枝の隙間を通って戻ってくる。それから、大好きな胡桃の木の下で長いこと胡桃が落ちていないか、地面を掘り起こしたり、枯れ葉に鼻を突っ込んだりして探す。お隣の庭との境界にある垣根の木々を出たり入ったりし、漸く松の木のある小高い丘に戻ってくる。


私の方が先を歩いていた筈なのに、慌てて猛スピードで追い抜き、台所の勝手口にすまして座って待っていることが多い。


トンカのお陰で、枇杷の新芽を楽しんだり、さくらんぼやミラベル、梨の蕾が付き、膨らみ始めている様子を楽しんだりできている。ひょっとしたら、今年こそ、サクランボの花が満開の下でお花見ができるかもしれない。庭はトンカの道草散歩を大いに喜んでくれているに違いない。庭の隅にある枇杷の木が、嬉しそうに輝いてみえるのは気のせいだけではあるまい。



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