2012年10月18日木曜日

マンゴと檸檬




思い込みの激しさは今に始まった話ではない。

昔、そう、遠い昔、
親しい友人達を我が家のディナに誘った日、
キッチンで一人が告白し始める。最初は一体何の話か分からなかった。と、もう一人が、察して挙げなさいよ、という風に合図を送る。そうだったのよ、と。

え?ちょっと待って。彼と、我が家の近所に住む別の友人が、二人で同じ人を好きになってしまった?それが、何故、こんな切羽詰った感じの告白になるの?

そう、ここで告白してしまおう。
その一瞬。ほんの一瞬だけど、これって、ダブル告白なの?しかも、私に向けた?
と思ってしまった。

勿論、びっくりして、声も出せずに、なんだかドギマギして、告白している友人の顔さえもまともに見れずに、おろおろしてしまった。

そうだったの。。。

漸く出た小さな声。

すると、その隣りにいた女性の友人が、そうなのよ、分かってあげてね、とフォロー。

そして、ひょっとしたら業界の人間だから、知っているかもしれないと、その相手の話をし始める。

一瞬にして悟る。

そう、彼は、思い切ってカミングアウトしてくれたのだ。
ああ、そうか。そうだよね。あっはっは。。。

実は、そんなことが少なくない。

そんなことが、先日も。

仲間内で揉め事があって、どうやら、せっかくの日曜に、皆で集まらなきゃいけない様子になってくる。そこで、一人に提案してみると、全員が集まっても、また同じ様に揉めて余計混乱を来たすだけ。意味ないと思うけど、君がそうした方が良いと思うなら、皆に声を掛けてよ、との返事。そして、一人の仲間の名前を挙げて、彼と君との三人だったら、建設的な話し合いになるとは思うけどね、と続いている。

それじゃあ、その仲間に声を掛けてみるね。

ところが、彼は、その日、電話での応対なら出来るが、家を空けられない、と言う。

そこで、今回は無理そうなことをメールで伝える。

と、暫くして携帯にSMS
午後、コーヒーでも一緒にどう?

ふうん。。。二人でってことだよね。そう思う。

そうして、手ぶらで行くのも、と思って、先日マルシェで買っていた、ほど良く色づいてきたマンゴを手土産とする。

彼の家は、思っていた以上に遠くて、ちょっと驚く。
そうして、こんなことは思ってもいけないことだろうとは分かっているが、新興住宅地区といおうか、政府支援地区といおうか、街並みにちっとも味わいなく、簡素というよりは、殺風景で、その土地が持つ個性が全く感じられないところの、ちょっと奥まった住宅街にあった。

いつもの大きな笑顔で迎えてくれる。
マンゴを渡すと、喜んでくれる。子供達が好きなんだよ、と。そして、丁度、その子供達は、外に出かけているという。

あら。。。じゃあ、二人だけ?
これまでの、彼との、ちょっと微妙なメールのやり取りを思い出す。
告白してしまおう。
そう、一瞬、一瞬だけ、ひょっとしたら、、、と思ってしまう。

ところが、
彼が淹れてくれたコーヒーを前に、今、懸案の揉め事から始まり、その対処法、彼の考えを熱を込めて披露してくれる。こちらも、その話に夢中になる。
フロイトの話が出てきたり、マルセイユの学者の説が出てきたりする。
君は読んだ事がないの?と聞かれたって、マルセイユの学者の心理学の本ねえ。。。

そうして、日が傾き始める手前で、お暇する。

知的な彼との話は楽しかったし、お互いに揉め事の解決法を出し合ったりと、有意義な時間となる。

その日の夜、一通のメールが入っている。
せっかくいらして下さり、親しくなる機会であったのに、別件で外に出なければならずに残念でした、とある。そして、マンゴ、ご馳走様でした、と。
更に、以前教えていただいたリンクありがとうございます、大好きなピアニストの一人です。秋の夜長に、こんな曲もお楽しみください、と、リンクが貼ってある。

そうか。以前、彼に送ったピアニストのリンクのことかな。
そうか。彼宛のメールは、彼女も見るのか。

そうか。。。いや、そうだよね。
なんだか、ほっとしたような、そんな気にもなる。
はっはっは。。。またやってしまったか。思い込み。。。

と、翌日の夜。
今度は「マンゴと檸檬」と題したメールが入っている。
彼から。
例の、仲間内での揉め事の張本人から長いメールが来てうんざりしていること。
リラックスするためにもお風呂に入るよ、と。
そして、
昨日は我が家まで来てくれてありがとう。
マンゴ、とっても美味しかったよ。特に下の子が大喜びで夢中で食べてた。
キス

。。。ふうん。。。
題名にある、檸檬について、一切触れていなかったことに、なんだか意味がある気がして、一人、思いに耽る。。。

あ、また、始まった。悪い癖。。。思い込みの激しさ。
ま、でも、それも悪くないか。

マンゴと檸檬、
そう、檸檬の一滴は、マンゴの甘さと美味さを引き出す。

あ!
思いが弾ける。

高村光太郎。レモン哀歌!
以前、彼に、この詩を訳して送っている。もしも、もしも、もしも。。。

思い込みの激しさは、そう悪いことでもあるまいか。


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2 件のコメント:

あかうな さんのコメント...

く、くっかばらさん、も、もしもレモン哀歌のレモンなら、あなた、トパーズ色の香気が漂ってくるけど、ろまんちっくというよりは、なんちゅーか、ほんちゅーか・・・。あ、あかうなです。

kookaburra さんのコメント...

まあっ!あかうなさんたら。
せっかく思い込み激しく浮かれていたのに。
そっそうですか。レモンは酸っぱいです、はい。