2014年3月29日土曜日

春の宵に






誰もいないキッチンに一週間分の買い物袋を並べ
冷蔵庫と整理戸棚に一週間後にはなくなるであろう品々を突っ込み
ぼんやりとキッチンの窓から外を眺めやると、
夕闇迫る薄暗さの中で、ふっくらとした塊が真白く輝き放っている。

外に飛び出す。
昼間の陽気さをたっぷりと残した暖かさの中で、
さくらんぼの木に、純白の花がふっくらと咲き誇っている。

去年の今頃、花咲か爺さんとなるべく、幾つか枝を斬り、
暖房の効いた部屋で蕾に霧吹きをし、
歌を歌ってやったことが思い出される。
真夜中に通りで満開となっている大ぶりの枝を失敬した仲間もいたっけ。
森に咲き誇っている枝を探しに出かけ、幾つか採ってきた仲間もいたはず。
知恵と気合で見事な枝を再現した仲間もいた。
皆が一つになってイベントの成功に向け奮闘していた、去年の今頃。

さくらんぼの純白で可憐な花を見ながら、
心の底から仲間たちへの感謝と愛しさが突き上げてくる。

この庭のさくらんぼが咲くたびに、
きっと思い出すであろう。
あの時の興奮。
分かち合った時間と空間。

久しぶりに、皆に声を掛けようか。
月明かりに、さくらんぼ酒でも飲みながら、
春の宵を一緒に、どう。





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