2014年7月26日土曜日

我が家にご招待







けたたましいアオゲラの鳴き声。もしや、と思って庭に出てみると、案の定、熟したレインクロードが幾つも転がっている。味見の跡がはっきりと分かるものもある。一つの実を最後まで食べるなんてことをせず、あちこち味見をする贅沢さ。でも、けちけちする必要もない程、実はたわわになっている。ミラベルも黄緑色から徐々に濃さを増している。クエッチは未だか。それでも、幾つか紫色に色付いている。

そうだ、みんなを果物狩りにご招待しよう。
その前に、この好き放題に伸びてしまった芝生なのだか、雑草なのだかを、何とかしないと。玄関前の庭の芝生を刈ろうとすると、奥の庭から芝刈り機を持ってこないといけない。既に四代目となる我が家の芝刈り機は、石だって、松ぼっくりだって、なんだって、刈ることになっても、兎に角頑丈でないとならない、と、かなり大き目なものになっていた。だから、細くなった家の脇の道を通る時、階段などの障害物がある時は、厄介。これは奥の庭専用にして、前の庭には、もうちょっと手頃なものを買うべきだろう。

思い立ったら、車に飛び乗り、土曜の朝、専門店に駆けつけていた。まさか朝八時から開店しているとは知らなかったが、さっさと作業に取り掛かろうと思う人々で店は意外に賑やか。余り悩まずに、今年一番売れているらしい商品を手にしてレジに向かう。伸び放題の雑草を刈り取る時の型、脇や角で刈り取りにくい場所向けの型、通常の刈り取り型、と、どうやら三つの型が備わっていて自由自在に選べるとか。先ずは伸び放題の雑草を刈り取らねばと思っていた頭には、これこそ願ってもいない品との思いがあった。

商品を組み立てていると、隣のムッシューが声を掛けてくる。「うちの庭ならともかく、お宅の庭は大きいので、そんなのではなく、本格的な芝刈り機が必要なのでは。」

いや、だから。。。

と説明しながらも、ちょっと不安に。そう言えば、刈り取った雑草を集めるようには作られていない。しかも、刃に至っては、どやら、ナイロンの線で刈り取るらしい。

はて。

薔薇の木の下を刈り取ってみて、その便利さと軽量さに感心したが、やはり、大きな面積の刈り取りには向いていないことを身をもって知る。

已む無し。
奥の庭の離れから、えいやこらと芝刈り機を持ってくる。買ったばかりの商品に比べて、効率よく、がんがんと刈り取ってくれる。よっしゃの勢いで、裏庭にもまわる。ミラベルの木がある場所は、特に放置されていて、雑草は腰の丈。ここは、うるさい隣人の家と接しているため、どうしても足が遠のいてしまい、芝刈り機も久々に乗り入れる。案の定、音を聞きつけて、隣人がやってくる。

「ムッシュー、ムッシュー。ねえ。あら、マダムじゃあないの。ご苦労様ね。お一人で芝刈りなんて、女の手じゃ無理よ。それに、お宅のお庭、個人で管理なんて無理ですよ。ちっとも手入れできていないし、うちとの境界線にある立木なんて、もう何メートルになったかご存知ですか。あれから三年目ですよね。」

二年目です、と訂正しながらも、ちゃんと専門の会社に連絡をして、庭師が来ることになっていると、出まかせを言ってしまう。そして、良い週末を、と、早々に会話を切り上げてしまう。

何故かいつでも、実験用の白衣を着ているマダムにしてみたら、自分のところの庭は手入れをしているのに、隣人が放置していて、景観を乱されることが我慢にならないのだろう。

今回は根気よく、裏庭も全て刈り込む。9時から開始して、途中、二回洗濯物を干し、一回、息子バッタの英語のテストの結果発表の日であったことを思い出し、確認のため中座しただけで、14時まで、ぶっ通し。刈り取った後は庭が広く見えるから不思議。

さあ、これで心置きなく、皆に声を掛けられる。
それでは、まずは、シャワーを浴びて、のんびりするか。
このところお気に入りの苺のババロワケーキを作って、おもてなしをしたくて、うずうずしているものの、足や腕、首、腰に、疲れを感じる。ご招待は来週となるか。いや、そうすると、先に仕入れてある苺、フランボワーズ、ミルティーユはどうしよう。

どうしようか、ね、アオゲラ君。






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