2016年5月21日土曜日

長女バッタの挑戦







仕事中に北京にいる長女バッタからWeChatでメッセージが入る。

そういえば、この秋から行く大学の学生寮のリンクがメールに入っていたことを思い出す。やはり最初は親に確認して欲しいらしい。父親と母親宛に、この学生寮に入りたいのだけど、どう思うか、とメールにはあった。WeChatのメッセージには、今日が申込の締切なので急いで決めたいと書いてある。

慌ててリンクに行ってみるが、ログインをする必要があることに気が付く。その旨WeChatで伝えると、すぐにログインとアクセスコードを教えてくれる。と、WeChatで電話が入る。

久しぶりの長女バッタの声。ソフトで優しい。が、なんだか要領を得ない。どうやら日本語を使っていないので、単語が出てこないらしい。自分が持っている銀行口座のカードで申し込みをしたが、そのカードは父親の携帯と連携しており、銀行からの確認は父親の携帯に届いている筈とのこと。しかし、何度父親に連絡をしても返事をもらえないと言う。

パパなんかを当てにするからよ。との言葉を飲み込む。確かカンヌ映画祭に行っている筈。丁度お昼の時間。タキシードでも着て、えっへっへ、おっほっほとリップサービスの交換をしているに違いない。

ママが電話を入れようか、と言うと、今度は泣きそうな声でカード決済が完了していなかったので、もうキャンセル扱いになってしまっているらしいと言う。PCを前に焦っている様子が伝わる。電話を入れればと言えば、国際電話はできない設定の携帯契約とのこと。

彼女の学生生活にとり一番重要な生活環境を確保できない状況になりつつあることを知り、大学の連絡先を聞き、電話を入れてみる。

なんと既に本日の受付は終了とのボイスメッセージ。即、WeChatで電話し、その旨伝え、他の電話番号でもなんでも、関連メールに書いてないか聞いてみる。焦りが最大に達しつつある中、サイトで電話番号を探そうと、あちこちクリックしているうちに、新たに予約可能になったらしい。

「ママ、大丈夫だ。まだ出来る。」との声。

当然のように、クレジットカード番号を伝えようとすると、一瞬躊躇の空気が伝わる。

そうか。彼女は、自分の口座から支払おうと考えていたのか。

もう手から離れてしまったのに、改めて遠くに行ってしまった思いが胸を突く。

「ママ、ごめんね。ありがとう。」

そんな声が聞こえる。それから、WeChatで口座番号を伝えては拙いよ、と。

結局はリンクをメールで送ってもらい、こちらから支払い手続きをする。2ヶ月半分の敷金。

支払い完了の確認メールとともに、長女バッタからは「ありがとう!太感谢」とメッセージ。「ママが仕事ですごく忙しい時に、本当にこんなことお願いしゃちゃってごめんね。」とのボイスメッセージも。

これからの生活環境のことだもの。一番重要なこと。

危機を乗り越えたことが分かると、安堵と充足感に満たされるが、じわじわと不満が募ってくる。父親とどういう話し合いがあったのか知らないが、どうも詰めが甘い。だいたい、最後のぎりぎりまで申し込みを待っているなんて馬鹿じゃないか。

一人で中国という異文化圏で一年間やってきたことによる自信と、大人の自覚がついたのだろう。なんでも一人でできるとの思いが感じられる。確かに、ちゃんと一人で数ある物件から学生寮を見つけ出している。ただ、最後の詰めが、もう一つ。

ここで救いの手を差し伸べなかったのなら、全く別の物件となり、大学から遠い、値段が高い、学生仲間がいない、などコンディションも今より悪かったかもしれない。しかし、もしかしたら、その方が彼女にとっては学びがあったのではないか。そんな思いが過る。

一方、SOSコールには出来るだけ応じるのが親の務めではないか、とも思う。

人生は長い。荒波はこれから。

そう。これから先、どんなことが待ち受けていようとも、いつだってママは応援している。






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