2012年1月6日金曜日

高雄


台北に次ぐ第二の都市となるのだろうか。
Kaohsiung(かおしゅん)。
その響きがもたらすものは、
肌を焼く陽射し、
椰子の並木、
車の洪水、
高層ビル。

高級ブランドがずらりと店舗を揃えるデパートの入り口で、
真っ白な大きなラビットが二匹、出迎えてくれている。
その前を通り過ぎ、
スクランブル交差点の手前で、
手際よく回転焼きを作っている屋台があり、
走らなければ点滅が赤に変わってしまう程の長い交差点を渡りきると、
大きな公園が広がっている。

南国の木。
枝から幾本もの根が長く垂れており、
幹は芸術的なひねりを見せている。

小高い丘を駆け上がり、
走り回るバッタとそのいとこたち。
冬なのに、フランスのブルターニュの夏のようだと、息子バッタ。

日曜だからか、大勢の子連れの家族達で賑わっている公園を横切り、
端まで行くと、
近代的な地下鉄の駅の入り口に着く。

数本ものエレベーターの中を水が流れており、
流石風水の国、と思わせる。

地下構内は、
ラジカセから流れる音楽に身を任せ
踊る若者や、
民芸店、土産屋が続く。

そうして、
一つの出口から
階段を駆け上がり地上に出てみると、
眩いばかりのテラスにカフェ。

ここはパリ?

エスプレッソの香りを懐かしく思いつつ、
後ろ髪引かれる思いで、
前を歩く、妹の旦那と、彼の父親の後をついていく。

ここは彼の郷里。
妹の旦那は日本語が流暢なので、私たちとは日本語で会話をしてくれる。
臺灣での日常生活は中国語(北京語)。
でも、高雄に来て、お父さんと福佬語(台湾語)で話す時の、彼の目の輝きに気がつく。

一つの角を曲がると、
そこは彼が幼少時代を過ごしたという、
一定の発展を迎えてから、時が止まってしまったかと思われる空間が出現する。

いや、それは正確ではあるまい。
どう表現すれば良いのか。
狭い通りに、バイクがひっきりなしに飛び交い、
人々が絶え間なく歩いていて、
通りを一層狭くする出店が、
甘ったるい香りを放っており、
ジーンズ専門店、ジャケット専門店、鬘専門店、靴専門店など、
とにかく、何かに特化した専門店が軒をひしめき合って乱立している。

彼が入っていった漢方薬の専門店には、
薬草、実が詰まった透明な瓶が、びっしりと天井高く積んであり、
店頭には、オレンジの皮の中に咳止め薬が詰まったものが、無造作に転がっている。

そこで、ひとしきり嬉しそうに、目を細めて福佬語で話し込む彼の様子に、
水を得た魚、との言葉が思い浮かび、
母国語が一人の人間に持つ不思議な力に感じ入る。

インフルエンザにかかったのか、
どうも調子が悪く、咳き込む妹の娘とともに、
ちょっと咳がするということで、息子バッタを検診してもらう。

脈拍をとられている間、
神妙な面持ちの彼。

感冒薬咳止めを調合してもらう。

その薬を作るに、小半時間はかかるという。

ぶらぶらと、通りに出てみる。
千と千尋の一場面を思い出す。

妹の旦那が幼い頃から、
学校の帰りにはいつも飲んだという、
果実の種の周りのゼリー状の部分を取り出し、
たっぷりのレモンを絞って冷たくした飲み物をご馳走になる。

きっと、彼が幼い時から、何も変わっていないであろうお店。

そして、彼が幼い時から、きっと何も変わっていないであろう味。

その果実の名前を聞いたが、
その時も発音できなかったし、とっかかりも何もなく、ちっとも覚えていない。
オレンジの香りする、とろりとしたゼリーのジュース。

公園で待っている、
妹やバッタ達、子供達の分を沢山買ってくれて、
いくつもの紙コップが入ったビニール袋をのんびりと手にぶら下げ、
ぶらりぶらり歩く彼の姿。


どうもありがとう。色々お世話になりました。
これからも、妹を宜しくね。

そっと、
頭を下げる。

かおしゅん。
また臺灣を訪れたら、
ぜひ寄ってみたい場所。


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2 件のコメント:

あかうな さんのコメント...

あれ、もしかしたら、檸檬愛玉、っていうのでしょうか。。。そうかも。。。ですよ。にんもんあいゆい。。。

kookaburra さんのコメント...

あかうなさん!

これは、これは、貴重な情報を。今、ネットで確認しましたが、そうそう、これです。檸檬愛玉。不思議な作り方だと思っていましたが、どうも、本当に不思議な果実みたいですね。漢字で見ていたら、忘れもしないだろう名称ですが、音で耳に入ると、何も残りませんでした。にんもんあいゆい。

本当にありがとうございます!