2012年4月8日日曜日

月のない春の夜

夕闇が静かに降りる頃
柔らかな新芽をついばんで遊んでいたピーもいなくなり、
松の木が重厚な陰を落とし始めると 
桜の花の白さがくっきりと浮き出る。

李白の月下独酌が思い出される。


酒,独酌无相
花の間で徳利ひとつ。独酌して相手もいない。

杯邀明月,影成三人。
杯を上げて満月を迎え、私の影とで三人になった

月既不解,影徒随我身。
月は酒を飲めず、影は私のまねをするだけだが、

伴月将影,行乐须及春。
しばらく月と影と一緒に、心行くまで春を楽しもう。

我歌月徘徊,我舞影零乱。
私が歌えば月は合わせて動き、私が舞えば影も合わせて入り乱れる。

同交,醉后各分散。
酒を飲んでいる間は一緒に楽しみ、酔った後はそれぞれに別れてゆく。

无情游,相期邈云
永くこのような交遊を続け、次ははるかな天の河ででも再会するとしよう。


天空を仰ぐ。
今宵は月にも見放されたか。
甘い香りだけを残し、
花も暗闇に閉ざされる。


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