いつでも会う時は、
ちょっと身構える。
ついつい、思っていることとは裏腹の、
憎まれ口をきいてしまう。
気まぐれにしか訪れない冬の太陽であり、
その気になって蕾なんかを膨らませた日には、
翌日からの霜ですっかり萎み、
枯れてしまうことは知っているのに。
それでも、太陽の訪れが待ち遠しい。
だから、現れると、
生きていたのね、
と大袈裟になってしまう。
素直になれない。
他の仲間と親しそうに挨拶のビズをし合っている様子を見ると、
なんだか、はぐらかされた思いがする。
忙しいことは分かるが、
連絡一つ寄こさずに、
メールの返事さえもないことから、
呆れ返るよりも、
怒りさえ覚えることもある。
それでも太陽。
会えば鳥達は囀り、
花々は色とりどりに華やぐ。
分かってはいるけど、
やってられない時もある。
ならば、放っておけばいいのだろうが、
月に少なくとも一回は会合で会う。
いわば、同じ目的を共有する仲間の一人。
今回も、その仲間達との大掛かりなイベントがあり、
数ヶ月前からの綿密なる準備、
企画段階で大揉めに揉め、
交渉、根回しに大いに時間を使い、
漸く当日、なんとか段取り通りに進み、
多くの参加者に喜んでもらい、
満足感に浸る間もなく、会場の後片付けに走り回っていた時。
機転を利かせる、なんて芸当は、きっと女性の十八番なんだろう。
大きなゴミ袋を両手に抱え、
さあ、ゴミはどこに持って行けば良いのか、
と数人の男性陣がうろうろしている。
ゴミは外と相場が決まっている。
そうして、暗くたって外に出てみれば、廃棄物を置く場所なんて、
すぐに見つかる。
いや、見当がついてもいい筈。
そう言っても、
意外に男性陣は、戸惑うらしく、
とりあえず、と、
ドアの脇に置き去りにする始末。
ちょいと回った数歩先に、大きなプラスチックのゴミ箱が並んでいるというのに。
と、
大きなゴミ袋を両手にぶら下げ、
私の後についてくる影あり。
「ほらね。私の言うことって、間違っていないでしょう?ここにゴミ箱があるのよ。」
意気揚々と声を掛けると、
「いつだって君の言う通りにしているじゃないか。君の言いたいことが分かった時に限るけど、さ。」
暗がりで声がする。
「ええっ?なんですって?
そんなに私の書き方って、分かりにくい?最近すっごく注意して分かりやすい正しいフランス語で書く努力をしているんだけど。」
心外に思う反面、以前、フランス語の書く力を磨かないといけない、と言われたこともあり、心配になって、気弱な声で言ってみる。
すると、
大きな笑い声がして、
「大丈夫。ちゃあんと、分かっているよ。」
暗がりからぬっと出た二つの大きな手で、
がっしりと顔を捕らえられる。
えっ。
一瞬を置いて、
片頬に
熱いビズ。。。
。。。太陽はいつだって気まぐれ。

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