2013年4月12日金曜日

大地にばら撒かれた濃紺の粒



一転俄かに掻き曇り
天空から銀の粒。

明日の夜集まる仲間達を迎えるにあたって、
満開の桜と
金の粒のシャンパンに以外に
彼女たちの弾ける笑顔があれば、
正に、藤原道長の心境。
望月の欠けたることもなしと思へば。

と思いきや、
どうやら、アルコールに弱い乙女ばかりとか。

そうか。

ならば、と。
金の粒ならぬ、
ミルティーユの濃紺の粒を探しにいく。

一粒、一粒には、
アルザスの早朝の霧の中、
大きな野生の濃紺の粒を口に運んだときの幸せが
凝縮されている気がする。

そうして、
気がつくと、箱に積みきれない程のフルーツを抱え、
ミントの香り高く、
愛車シルバーペンギンに近づく。

と、
銀の粒が走る。

トランクを開けようとしても、
両手が塞がっていては、
どうにも仕方がない。

座席に乗せてしまおう。
そう思ってドアを開けた途端、
フルーツの山から、
濃紺の粒がバラバラと転がり落ちる。

銀の粒が、
霰となって、
濃紺の粒と一緒にバラバラと音を立てて道を叩く。

せっかくの濃紺の粒が地上にばら撒かれてしまうが、
バラバラ、
バラバラ、と
大地が喜んでいる。

乙女達には、
何か別のものにしよう。

霰は止むことなく地面を叩き付け、
どこかで、雷の音が轟き渡る。



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