2013年6月10日月曜日

消えたラップトップ




東京オフィスから業務用にと使わせてもらっていたラップトップ。
軽量で使い勝手が良く、
余りに毎日叩くので、キーボードがすっかり削られ、
書かれた文字が読めなくなってきており、
CDプレイヤーがいかれてきているものの、
それこそ、朝から晩までどこに行くにも一緒で、
身体の一部ともなっていた。

ところが、
東京オフィスの閉鎖に伴い、
返却せよとのお達しが届く。

最初こそ、
こんな3年も使っていて減価償却もできていて、
入っているワードだって今の世代の2つ前のものを
送られた方も処理に困るだろうし、
最終的に廃棄なんかになるよりは、
手元で寿命を全うさせてあげよう、
などと思ってはみたが、
そんなことが通じるはずもない。

USBキーに読み込めない設定となっているらしく、
それこそ3年間の膨大なるデータをどうしようかと
困ってしまった。

それでも、
すっかり諦めて東京にお返しすることに腹を決め、
こちらのオフィスでの最後の日に、
郵送担当のスタッフに、東京オフィスの住所、担当者の宛名をプリントアウトし、
郵送依頼をする。

その日は、午後から引っ越し業者が入っており、
そんな状態になるとは知らされておらず、戸惑いつつも、
郵送担当スタッフは、今手が離せないけど、確実に戻ってきてラップトップをピックアップするから心配しないで、と言ってくれる。

午後4時半。
ブラックアウト期間に突入とのことで、
フロントオフィスの大半は午後にはいなくなっており、
業者が膨大なる段ボールを運びだし、コンピューターを取り外し、
と騒然としている中で、
果てしなく終わらない作業を待つのも、と思い、
隣のインターンに声を掛け、
郵送担当スタッフが取りにくるから、その時には宜しく、
とお願いし、残っていた数人に挨拶をし、
先にオフィスを出てしまっていた。

それがひと月前の話。

と、こ、ろ、が。

東京から連絡。
ラップトップはどうなったかとの問い合わせ。

まさか、と思いながら、
今は別の部署で働いている郵送担当者に連絡してみたところ、
当日、彼が戻った時には机の上になかったので、
私が持って行ったのかと思っていたけど、との回答。

愕然。

慌てて、当時オフィスにいた同僚や隣の席のインターンに連絡。
彼らは、口をそろえて君はちゃんとラップトップを返却した、
と言うものの、
でも、あの時の状況はどうだったか、誰が取りに来たのか、
については、返事がない。
分からずじまい。
彼らにしても、今では別会社で仕事をしている。
必死になってフォローする案件ではない。

考えられることは、ITスタッフが取って行った、ということだが、
実は、翌週あたり、残っているスタッフでスクリーンやら、デスクトップやらを無料配布したとかしないとかの噂があり、絶望的。

こんなことなら、ちゃんと自分の手で郵送すれば良かったと悔やまれる。
ラップトップをあまりに可愛がり、
私の爪痕がたくさんついていて、
もう中古でガタが来ているのに、
離れがたい愛着を感じてしまっていたから、
余計、冷たく、機械的に、淡々と、送付依頼をしてしまったことが、いけなかったのだと反省。
ましてや、通常の状況ではなく、
スタッフの心も、私の心も、すさんでいたことを考慮しなかったことが悔やまれる。

さて、これをどう東京に伝えるか。
送信したと言い張れば、じゃあ、控え番号を教えろ、となるだろうし、
郵送担当者に依頼したと言えば、彼が追及されるのだろうし、それは、それで申し訳ない。

それよりも
あのラップトップはどこに行ってしまったのか。

心もぎられる思いで手放したのに。

責任の所在を問われることへの不安よりも
もっと深い悲しみに包まれる。


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