2013年7月4日木曜日

時には我が身も修理して






朝のまどろみの中で雨の音を聞く。

前日、高速で時速150kmで飛ばしたからか、
大雪以来、作動しなくなった右のワイパーが何かの拍子で中央まで寄ってきたので、
動かそうと、つい、反射してしまい、ワイパーのレバーを快適に一つ上げる。

すると、左のワイパーだけが作動。
そして、中央に出てきてしまった右のワイパーは不動。
結果として、左のワイパーが中央にあった右のワイパーにより動きを遮断され、
ブレードが吹っ飛んでしまう。

今、考えれば当たり前のこと。
大雪で動かなくなった時点で、修理工場に駆けこまなかった自分を恨む。
それでも、
実は右のワイパーは気まぐれのように、時々作動していたから、たちが悪い。
しかも、
魂の友人が助手席に座っているとき、
心沈んでどうしようもないとき、
天からの啓示のごとく、右のワイパーは作動してきていた。
だから、つい、
いつか、何かのきっかけで、また元通りに動くに違いないと、
頭の片隅で思ってしまっていた。

勿論、
ワイパーを動かすモーターに問題ないことは実証済み。
接続が悪いのであろうと、
何度も押したり、外そうとしたりと工夫をしてはみたが、
相手はてこでも動かぬ頑固さ。

そんなことより、
目の前の障害物をどうしようかと思いながら、走り続ける。
予想以上にパリ市内が混んでいたので、
到着予定時間に対して30分は遅れていた。
それを理由に走り続ける自分の性格を笑いつつ、
高速での走行は、雨さえ降らなければ、運転席の目の前の視界が確保できれば、
そう問題でもないと思い始めてもいた。

それが、
どうやら雨模様。
起きてきて窓を開けてみると銀の粒は夕立の勢いで容赦なく落ちている。

台湾の妹の旦那が、雨の中、ワイパーもつけずに走行していたことを思い出す。
なんとかなるかな。
辛うじてひっかかっていた左のワイパーのブレードを、
なんとか様になるようにくっつけ直してはいた。
怪しげではあったが、なんとかなるかもしれない。

そうして、
外に出てみると、
天は味方をするかのように、雨も小降り。

エンジンをかけ、ワイパーを作動。
笑えるほど、あっけなくブレードは外れてしまう。
一緒にいた友人が、こんな危険なことはない。
時間がかかっても、修理工場に行って交換しないとだめだよ、と言う。
真剣なまなざしの後ろに、黒と黄色のミダスの看板が見える。
おっ!救世主。車修理工場チェーン店。
一方通行の道なので、友人が誘導してくれると言う。
大袈裟なと思いながらも、
本気で心配してくれているし、
これから200kmは高速を飛ばさないといかず、
午後の重要なアポには遅れたくなく、
ここは従順に、ついていくことにする。

雨のせいか、窓ガラスは曇りがち。
そして、ワイパーの効かないフロントガラスからの視界は悪い。
友人のテールランプを頼りに、
先ほど見えたミダスを目指し、
一方通行なので迂回しながら、思った以上の時間と、視界の悪さに四苦八苦しながら
漸く到着。

友人にお礼を告げ、ミダスに駆け込む。
若い頑強なお兄さんが二人。
車の修理工場で働くには、プロフィールでも決まっているのかと思わせる程、
どこの修理工場にもいるタイプ。

雨脚がまた激しくなってきた中、
様子を見てくれる。

と、ワイパーとモーターとの接続部分をぱっくりと開ける。
そういう仕組みになっていたのか、と感心することしきり。
そこのナットの締めが甘かったことが、不作動の原因であることが究明される。
なんだ。
そうだったのか。

取り敢えず、右ワイパーはナットを締め直すと、今度は作動を開始し始める。

そして、今回壊してしまった左ワイパーのブレードを交換する。

ものの数分で片付けてしまう。

雨は小降りになっている。
それでも、ワイパーではじくと、フロントガラスは綺麗になり、
視界はぐっと広がる。

友人にSMS。
「ありがとう。無事に修理完了!」
すぐに返事が入る。
「良かった。安全運転でね。」

高速を飛ばしながら、
なんだか自分の身体まで修理したような錯覚に襲われる。
気分は爽快。
そう。無理しないで、ちゃんと修理する時はしないと。
修理整備された我が身。
そう、本当にその通り。
『アミューズブッシュ』の味わいと甘美な旋律が体中に駆けまわる。
なんだか笑いが止まらない。
右側に真っ白な花の絨毯が目に入る。
昨日は、晴天だったはずなのに、ちっとも気が付かなかった。
今の季節なら、さしずめジャガイモ畑だろうか。
夕方、同じ道を通るであろう友人も、
目にするだろうか。


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