月と桜が見つめ合う瞬間。
そんな一瞬を絵にした東山魁夷。
画家は常に第三者としての目をもって事象を見るのだろうか。
南向きのドアを開けると、眩しいほどの光を浴びる。
見上げれば半月。そこには、何も介在しない。月と私のみ。
一体どうやって、どこにでも追ってくる、あの月が他の誰かと見つめ合っていると思えるのだろう。
明けきらないバス停で佇んでいると、真向いに輝く月と目が合う。
朝靄のパリを闊歩しながら、ふと気が付くと、アパートの煙突の上から、かっきりと覗く月。
月が全ての地をまんべんなく照らしていると思う前に、月は私のことを見ていると思えてしまう。
いつだって月と対峙している自分がいる。
どうやらまだまだ東山魁夷の境地に至ることはありそうにない。
そうして夜空を見上げる。

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