2021年12月26日日曜日

裏方に徹する至福の時

 





今年は海鮮三昧にしようよ、と誰ともなく提案され、満場一致の格好で決定。我が家にとっての一年ぶりの全員集合ノエルのイブの晩餐は、海鮮オンリーとなった。



牡蠣に海老、巻貝、雲丹、蟹。その日の出会いで鯛の洗いか、〆鯖。



牡蠣は少なくて良いので海老がたっぷり食べたい、とか、巻貝はいらない、とか、雲丹は苦手だとか、皆それぞれ好き勝手に自己主張をし始めた。



驚いたことに、至極真っ当な意見をしてまとめ上げたのは息子バッタ。「皆で分け合って、残ったら残ったでいいじゃない。」財務当局が問題ないと言っているのだから、細かいことにこだわるな、ということ。下手をすると、財務当局自体が羽目を外し、一年に一度だからと豪勢にお金を使ってしまうだろことは、皆経験で知っている。



すると今度はその息子バッタが、海鮮オンリーだと体が冷えるようで、物足りないなどと言い出す始末。我が家は暖房のお陰でぬくぬくとしているし、冷たくしたシャンペンや白ワインで海鮮三昧なんて最高なのに、と思うが口にはしない。



お刺身があるので、真っ白い炊き立てのご飯が欲しいと末娘バッタが呟く。それを受けて、レンズ豆とかキヌアが副菜としてあれば、問題ないかもと息子バッタが妥協。そこに長女バッタが現われ、ナッツや野菜がたっぷり入ったリッチなパンを焼こうと提案。パンにはマッシュルームソースやクランベリーソースをかけて、いただくとのこと。メインディッシュの座を得てもおかしくない存在と主張する。



よし、それでいこう。デザートは久しぶりのロールケーキ。いわゆる、フランスでノエルに必須の「ブッシュ」仕立て。チョコレートでコーティングして、その上にフランボワーズやミルティーユを飾ろう。



そうと決まったら買い物に出陣。車を出したところ、通りはカートを引っ張っている人たちが大勢歩いている。ノエルの晩餐の買い出しに、街中の人々総出でにぎやかなことこの上ない。目指す魚屋も大勢の人だかり。適当に選んでお店の人に飾り付けてもらおうと思っていたところ、注文は12月15日に締め切ったと言う。牡蠣を自分たちで開け、蟹を割らなきゃならいのか、と心配して息子バッタの顔を覗くと、意外に意外、僕たちでやろうよ、と目をキラキラさせている。へええ、こんな一面もあったのか。



それなら、と牡蠣、蟹、海老、雲丹、巻貝、と仕入れる。鯛や鯖は別コーナーで、こちらも人だかり。ずっしりとした袋を両手にぶら下げている息子バッタが、かなりの量だし、お刺身はパスでいいんじゃない、となる。確かにね。ついつい、予定の倍ずつ買っている自分に気が付く。



お醤油、オリーブオイル、小麦粉、サツマイモ、エシャロット、茄子、玉ねぎ、キノコ。白ワインに赤ワイン。緑のオリーブにサラミ、羊のチーズ。オレンジ、蜜柑、檸檬、パイナップル、林檎。卵2ダースにヨーグルト。バターに生クリーム。フランボワーズ、ミルティーユ、それと柘榴。取り敢えず、こんなところかしら。



ホウレンソウ、栗、マッシュルーム、松の実などが入ったパンは言い出しっぺの長女バッタが担当。牡蠣の殻を開けたり、蟹を割ったり、海老の殻剥きをする役目は息子バッタと末娘バッタ。気が付くと、買い出してきた野菜を片付けたり、ぱんぱんで入りきらなくなった冷蔵庫の整理をしたり、洗い物をする役目を担っていた。ロールケーキも息子バッタと末娘バッタが担当。ママのレシピを使っているところが可愛いが、卵白3個分、卵黄2個分、といった具合に材料のみ列挙してある紙切れに戸惑っている様子に、思わずにんまりとしてしまう。



誰からともなく、それぞれの一張羅を着てきてパーティーはスタート。冷蔵庫に入りきらないからと庭で冷やしていたシャンパンを末娘バッタが開ける。ジャズ風にアレンジしたノエルの音楽が静かに流れている中、皆で乾杯。今夜は大いに楽しもう!





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