2021年12月16日木曜日

まさかのまさか

 





勝負カットならぬ決断カットをしてもらおう。そう思い立ってヘアサロンに予約の電話を入れる。新緑が眩しい頃に出会ったヘアサロン。カットが素敵と末娘バッタに好評で、その後彼女自身もカットしに行っているので、お世辞ではなく本物。しかも、娘がママと一緒のヘアサロンに行くって、ママとしてもちょっと嬉しいではないか。


ところが、末娘バッタらしいというか、お財布を忘れて行ってしまったと後で聞いて呆れてしまった。翌日彼女が行けそうにないのなら、ママが行くから遠慮なく言ってね、と伝えていたが、何とか都合をつけて夕方支払いに行ったらしい。もう夏のことだから、記憶はおぼろげになってしまっている。


ガラス扉を開けてサロンに入ると、カットをしてくれる女性が私を認めて嬉しそうに笑顔で迎えてくれる。もう半年近い前のことなので、さすがに覚えてはいないだろう。それでも、娘がお財布を忘れてしまい、ご迷惑をかけたことをお詫びすると、遠くを見つめるようにして、破顔する。よくあることですよ、気にしないでくださいね、と。


勝負カットならぬ決断カットをして欲しい旨伝え、どんな風にカットしていくかを相談する。


小さめの鋏を丁寧に、細かく、俊敏に使って、気持ちよくカットしてもらいながら、やっぱりここに来て正解だったなと思う。髪の毛一本一本が喜んでいる。


決断カットと言ったからか、開運メイクについて話しをしてくれる。特に眉毛が決め手になるとのこと。額を出して、三つめの目を隠さないことがポイントだとか。


なるほどねぇ、と感心しながら聞いているうちに、5歳は優に若返ったと思われる自分自身が鏡に現れる。


よしっ!決断カット完成。大いに満足し、お礼を言って支払いをしようとカードを探した途端、しまった!ハンドバッグを置いてきてしまったことに気が付く。なんとなんとなんと!末娘バッタと同じ過ちをしてしまうなんて。しかも置いてきた場所は、翌日にならないと行くことは出来ない。ハンドバックにはお財布はもちろん、パスポートも身分証明書、運転免許書まで入っている。


あちゃあ。


決断ねえ。勇ましいことを言っているけど、脇が甘いってことかしら。颯爽と出ていくところ、サロンには平謝りに謝って、出てくる。末娘バッタのこと、もう何も言えまい。


実は後日談があって、すぐには支払いに行けない私に代わって、なんと近くで講義があるからと息子バッタが自分のカードで支払いに行ってくれた。ちょっと情けない母親。息子よ、ありがとう。慌てて彼の口座に銀行振り込みをする。「ママ、カット代、結構高いんだね。しかも、こんな遠いところまで、わざわざ来るんだ。」息子バッタの声が耳に残る。それもそのはず。うるさい彼のヘアカットは長女バッタか私が担当するから、散髪代とは無縁の男なのだから。


さあ、改めて身を引き締めて参りましょうか。多くの方への感謝の気持ちを忘れずに!



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