2022年12月27日火曜日

宝石のようにきらめく師走のケーキ








 とても丁寧に作り方や材料を説明していて、味は勿論、プレゼンテーションも抜群で、各種秘蔵レシピを惜しげもなく紹介してくれる、敬愛してやまないFleur de selさん、塩の華さんの記事が久しぶりに掲載された。


ホワイトチョコレートとマスカポーネ生地の苺ケーキ。一目惚れ。これは早速作らねば。基本となる材料のマスカルポーネや苺を求めてマルシェに走る前に、ふと、型はどうしようかと思い至った。


これまでレアチーズケーキにしろ、ババロアにしろ、レシピで何と書かれていようと、我が家にあるサイズこそ様々だが、つるんとした、いわゆるプレーンの型を使ってきていた。が、なんだか今回はちゃんと底が取れる型を使ってみたくなった。


いつものスーパーでは底が取れる型は販売していないことを知っていたので、ちょっと先のハイパーに行くことにした。ハイパーと言うだけあって品揃えも充実しているが、品物自体が大型サイズで、とにかく広くて正直行くだけで疲れてしまう。バッタ達が幼い時は良く行ったものだったが、最近は敬遠していた。


安物買いの銭失いにならぬよう、重みあるバネ式のものを購入。試してみると、当たり前のことながら簡単に底が外れ、これこそが今回のケーキ作りになくてはならない物のように思われてしまった。


ところが、材料の主役を務めるはずの苺の入手に問題が生じた。果物や野菜は最近は全てBIOのお店にしていたが、苺は季節ではないからだろうか、どのお店にも置いていない。ハイパーやスーパーでも蜜柑こそ山積みされていたが、苺は見当たらなかった。フランボワーズでは足が早いし、蜜柑では特別感が損なわれてしまう。シロップ漬けのブラックチェリーで手を打つことにした。


さらなる難関は、Fleur de Selさんのレシピのオリジナルなポイントであるホワイトチョコレートだった。以前ホワイトチョコを甘みとしてシフォンケーキを焼いた際、味にうるさい息子バッタにすかさず指摘され、ブーイングを食らったことがあった。お坊ちゃまのお口には、ホワイトチョコレートは合わないらしい。そこで苦肉の策、エバミルクを代用することにした。ホワイトチョコの融点を利用した口どけの良さが楽しめないが、取り敢えずの打開策。


年末年始は休暇こそ取れないが、オフィスや学校に行かずにテレワークが主流らしく、我が家のダイニングテーブルでそれぞれのラップトップで仕事やら勉強をしているお嬢様やお坊ちゃまの邪魔にならぬよう、ロボットを使わずに手で粉々に砕いたスペキュロスと溶けたバターを混ぜ、ケーキの底を作った。


マスカルポーネ、生クリーム、エバミルクの生地を半分ほど冷蔵庫で硬くなったケーキの底に敷き、ブラックチェリーを先ずは周囲にびっちりと並べ、残ったチェリーもまんべんなく底に敷き詰めた。その上に残りの半分の生地を被せ、平らにして冷蔵庫で一晩寝かせる。


赤紫色のブラックチェリーのシロップを味見してみたところ、程よい甘さ。これをゼリー固めしたらどうだろう。苺の代わりに、柘榴を一つ買っていたので、柘榴の実が丁度宝石のように輝くのではあるまいか。


そんな幻想は、実際にマスカルポーネの生地を壊さないように、ゼリーを静かに入れ始めた数秒後にあっけなく壊されてしまった。底が取れる型は完全密封ではなく、底からだらしなく美しい赤紫のゼリー液が流れ出てしまい、悲鳴に似た声を挙げてしまったので、トンカが騒ぎを聞きつけて大喜びで味見をしようとまとわりつく始末。


愕然としながらも、必要は発明の母とはよく言ったもので、こうなったら別にゼリーを作り、それを切り刻んで飾ったどうだろうと思い立った。なんと、最初の思惑とは随分とかけ離れ、材料も作り方も本来のレシピから大幅に変更となったが、怪我の功名となるか。


さあさ、お立ち会い、お立合い。ご用とお急ぎでない方は、ゆっくりと目と鼻と舌でお味見を。


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