2012年2月14日火曜日

ハッピーバレンタイン!



先週さりげなく、
そう、ものすごくさりげなく、
今週の予定を聞いた時、
火曜ならお茶ができるかもしれないというので
びっくりした。

しかも、
いつも遠い、遠いといっている郊外に、
その日は仕事で行っているというので、
余計驚く。

分かっているのかな?

でも、
確かめるのも興ざめだし、
それよりも、
と慌てる。
そんな特別な日にお茶なら、
ちゃんと用意しなきゃ。

しつこくしないこと。
相手を追い詰めないこと。
そして、
期待しないこと。

その三原則の大切さを
十分知っていた。

それでも、
なかなか現実はそうはいかない。

ただ、最近は
何かと忙しくしていることもあって、
我知らずに、
三原則は守られ、
気がつくと当日に。

いや、
守られているとは真っ赤な嘘。
その証拠に、
朝の冷たい空気が
車のエンジンとヒーターで
温まっていく中で、
車内は、
甘いチョコレートの香りに満ち溢れてきていた。

お昼頃
珍しく
携帯が震動する。

:-*

顔文字?
くすり、とする。
ウインクかな。

ふうん、
やっぱり、今日が特別な日だって分かっていたんだ。
なんだか安心する。

そうして、
何やかにやと集中し、
気がつくと、何の連絡もなく、夕方に。

「やっほ。どうしてる?何時ごろに会えそう?」

返事がない。
普通なら、こんな時は放っておくのだが、
車に残している甘い香りを放つトリュフを思うと、
つい、立て続けにメッセージを送ってしまう。

「住所を教えて。そっちに向かうから。」
「届け物があるの。」

携帯はピクリともしない。

忙しいに違いない。
お客様と打ち合わせ中に違いない。
それでも、禁を犯してしまう。
呼び出し音が4回鳴ると、
留守番電話に切り替わる。

そうか。

何かを悟り、
即座に電話を切る。

そうか。

そうして、
緩慢な動作で車のエンジンを駆け、
ゆっくりと、
アクセルを踏む。

ゆっくりと、ゆっくりと
いつもの半分以下のスピードで
のろのろと走る。

それでも
携帯は動かない。

そうか。
そうか。

なんだか、
車内のチョコレートの香りが煩く感じる。

まあ、しょうがないよ。
仕事なんだもん。

夕暮れで灰色がかった空を見上げる。
何のメッセージも読み取れない。

無理してでも
どうしても会いたい関係。
無理せずに
会えるときに会う関係。

ぼんやりと考えてみる。

無理をすると、
その後でリバウンドがあるし、
長続きはしないものかもな、
なんて考えてみる。

こうして、
ゆっくりと車を運転できている
自分自身の変化にも驚く。

昔は、こうは行くまい。

そうして、
信号が変わる寸前で
携帯に変化が。

「ごめん。今、メッセージに気がついたよ!」

その手があったか。
そう思いつつも、
走行中の携帯使用は減点2ポイントながら、
「それで?」
と返事を送る。

さあ、
どう出るだろう。

今度は携帯が震動し続ける。
いかにも根を詰めて集中していた人の、押し潰したような声が聞こえる。
メッセージや電話の受信に全く気がつかなかったことを詫び、
ひどく立て込んでいて、とてもじゃないが仕事が片付いていないことを告げ、
今日は難しいと謝る。

住所を教えてもらえれば、届けに行くのに。

非常に車が混む場所だし、ラッシュの時間帯だし、
大変だから、そんなことはさせられない、と返事が返ってくる。

「じゃあ、このお届けもの、
いつ渡せる?」

「えっと。。。
明日、明日はどう?」

明日も、また別の郊外に行くと先週聞いていた。
まあ、それでもいいか。
明日、
悪くないよ。

「オーケー。
じゃあ、上手くいけば、明日だね。では、お仕事頑張ってね。」

そう言って、電話を切る。

こんなバレンタインがあってもいいや。

車内のチョコレートの香りが甘く感じられる。

我が家に帰れば、
末娘バッタが飛んできて、
クラスの男の子からもらった手作りのカードを見せてくれる。
沢山の小さな真っ赤なポンポンがびっちりとハート型に貼られていて
なかなかの出来具合い。
チョコレートも幾つかプレゼントについている。

ただ、どうやら、
彼からのものすごいアプローチを、
かなり迷惑に感じているらしい。

息子バッタは、
今年は誰からもカードをもらわなかったらしく、
そんなのなんだい、といった感じで、
一人で分厚いSFの本を読んでいる。

長女バッタときたら、
恐らく何人からもカードをもらったに違いないが、
何も言わず、すまして明日の試験勉強に勤しんでいる。

長女バッタに
目の前の家に一人で住むマダムに
トリュフを持って行ってもらう。

と、夕食後、
末娘バッタが、
ハートの形の手作りのメッセージカードを手渡してくれる。

ママ、
いつもいつもありがとう。
これからも、ずっとよろしくね。

背中からぎゅっと抱きしめてくる末娘バッタ。

ありがとう。

彼女を胸にしっかりと抱きとめる。

ハッピーバレンタイン!




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2 件のコメント:

あかうな さんのコメント...

いいね。いいね。いいね。いいねえ。バッタ兄弟姉妹。応援してまっせ~~~。

kookaburra さんのコメント...

あかうなさん

 嬉しいコメントいつも有難うございます。
 
 若い頃は(いや、今でも若いですが)、商業界のやらせっぽいイベントに反発を感じたこともあるのですが、されど、です。

 手元にある台湾のカレンダーには「西洋情人節」とあり、なんともスゴイ雰囲気ですが、これからの世代は、どうなんでしょうね。ただ、聖バレンタインの名前が出ないのも、日本からの流入かなと、背景を思ってしまいます。
 無論、フランスでは日本のように、オフィスで皆にプレゼント、なんてしません(あ、今では日本でもしないのかもしれませんね)。
 またコメント楽しみにしていますね。